11
「じゃあ、布団行こうか」
「ん…」
熱くなった吐息。キスを交わし、手を取って布団へ向かう。
全裸の有志を優しく布団の上に寝かせると、智希も着ていた浴衣を脱ぎ下着一枚になった。
明かりは枕元にある小さなスタンドを一つ付けているだけ。
必然的に一番明るく見える有志の顔が、赤く火照り今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「後ろ舐めるから、四つん這いになって」
「ん…」
照れながらも従順に従い膝をついて腰を高く上げる。
熟したその穴は智希を待っていて、早くと言わんばかりに呼吸をしているようだった。
「んっ…」
「あっ!」
舌を押し込み中を拡げていくと、その感触に背筋が震えさらに有志の腰が弓なりになる。
何度も舐められている中を智希の舌が這いずり回り、やらしい液体音と有志の喘ぐ声だけが響く。
簡単に人差し指が挿入され、柔らかくなり始めた皮膚をさらに拡げていく。
今日はローションがないためいつも以上に時間をかけて中をほぐすと、体力のない有志はへばってしまい体全部を布団にあずけ寝転がってしまった。
「ともー……は、はやく…」
限界だ、と振り返りながら懇願する。
「ちょっと待ってゴム…」
「い、い…から」
どうやら今日も生をご要望らしい。
うつ伏せから力を振り絞って仰向けになり、柔らかくなった股関節を最大まで開きそっと智希の腰に手を回す。
押し込めと言わんばかりに腰を引き寄せて、うるさい雨の音をかき消すように熱い喉を鳴らした。
「っ……じゃあ…入れるよ」
「んっ」
智希の唾液で光るその部分にペニスを当て一呼吸を置く。
まるで呼吸をしているように開閉するその穴に親指を押し込み空洞を作ると、煽られ高まりきった智希の先端を押し込んだ。
有志の喉奥が鳴り、智希が進むごとに有志の全身が性感帯となり受け入れていく。
ゆっくり、ゆっくりと奥へ進み智希の腹と有志の腹がピタリとくっつくと、まるで安心したかのようなため息と共にお互いきつく抱きしめ合った。
「やっぱ父さんの中に入るとすっげー落ち着く」
「うん…」
甘えるように有志の首筋に顔を埋め、さらさらの肌に何度も頬を寄せて温度を確かめる。
有志も甘える大型犬をあやすように何度も頭を撫で、温度を確かめ額にキスを落とした。
「動いて…いい?」
「うん」
きつく抱き合ったまま腰を引き、突く。
「んっ」
初めは慣らすように激しくなく小刻みにピストンを続けていく。
ゴムをしていないため滑りは良く無いが、智希のカタチを覚えてしまった有志の中は簡単に受け入れ、ものの数分でなじんでしまった。
「はっ…あっ…あっ」
なるべく声を出さないようにしているのだが、与えられる極上の快感は何度やっても慣れることはない。
智希は自分のイイ所ではなく、有志のイイ所ばかり当ててくるためたくさん声が漏れてしまう。
「と、とも」
「ん?痛い?」
「んっ…んーん…その……こ、声…が…で…る……から………く、くち、くち……塞いで」
鼻から漏れる声と、潤んだ瞳、うっすらと汗をかく赤くなった表情。
智希は喜んで、と満面の笑みで有志にキスを落とした。
「んっ…ふっ」
噛みつくように唇を奪い、熱があるかのように熱い舌を探り当ててきつく吸い付く。
何度も何度も舌を吸い、甘噛みして、また吸い付く。
口は塞いだものの妖しい吐息が部屋に充満していたが、それは雨の音がかき消してくれていた。
唇に集中していて腰の動きを止めていた。
智希は畳に手を突きながら激しいキスは止めずさらに肥大したペニスを一旦引き抜きもう一度奥まで押し込んだ。
「んぐんんっ」
なんとも言えない有志のこもった声が唇を伝って喉に響いてくる。
パン、パン、と、肌のぶつかり合う音が聞こえる。
この音は雨の音ではかき消してくれない。
「ごめん…父さん」
「えっ」
智希は体勢を変え有志を横向きにすると、片足を持ち上げ十字に交わった。
「あっこれっふぅっ」
智希は再び有志の口に吸い付くと、声が漏れないよう塞ぎ舌を絡め取った。
「ふっんっんっんんっ」
先ほどの体位より漏れる声の量が多く、有志の額から一気に汗が噴き出てきた。
そう、この体勢は先ほどの体位より音は小さいのだが、有志にとってとてもイイ、のである。
深く入るしどうも父さんのポイント全部当たるっぽいんだよなー
肌がぶつかる音を最小限に抑え、何度も腰をぶつけていると、ついに有志がポロポロと涙を流し始めた。
全身は鳥肌がたって、キスをしているため酸素不足で肌が赤くなっている。
有志は震えながら智希に抱きつき必死に声が漏れないよう腹に力を入れていた。
それが締め付けとなり智希を苦しめる。
「ちょっ…と…父さん…もう少しゆるめて…きつい」
「ご、ごめっ」
しかし、力を抜くと声が出てしまう。
「ふっうっふっ」
必死に耐える有志を間近で見ながら、まとわりつく心地の良い肌を何度も堪能する。
口を離し体を少し起こすと、不安げに見上げる有志にニコリと笑いすぐ近くにあったタオルを口に運んだ。
「ちょっとムリヤリみたいだけど」
有志にタオルを咥えさせると、片足を持ち激しく付き始めた。
「ふーっ!うっ…んっんんっうぅっ!」
激しい動きに有志の体が反り、目をパチパチと動かしている。
タオルのおかげで幾分声は抑えられているものの、何度も当たる快楽のスイッチが有志を攻め立ててくる。
手とタオルで口をおさえ本当に強姦されているかのようなうめき声が響き、智希は興奮よりも有志の体が心配になった。
「と、…さん…大丈夫?辛くない?そんな声押しつけたら喉痛くならない?」
「だ、いじょ……だかっんっふっ…ら……早く…中にっ…」
中に出せとの命令が出た。
「いっ…いいの?」
「んっ…欲しい…ともの……んっ……中にほしっ」
近くに沙希が眠っているのに?
「っ………」
「?……えっ………?」
「……あ、…あれ?……っ」
激しく動いていた智希の体が急に止まった。
さっきまで膨張を続け、智希の手で擦られ今にも放出しそうだった有志のペニスが、みるみるうちに萎んでしまったからだ。
「と…う…さん?」
「えっ…なん…で?」
初めての出来事だった。
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