「仁王先輩これは流石にヤバいっスよ!」
「……プリッ」

一ヶ月前に受けた模試が返って来た、相変わらずK大学の判定はEのままじゃった。夏休み、あんだけ勉強したのにEとか嘘じゃろ。

「K大学法学部なら、偏差値あと15はいるじゃないっスかー」
「……」
「仁王先輩もエスカレーターで立海大にすればいいんスよ!俺と同じ内部進学で!」

そんなん嫌じゃ、あの夜ティッシュに誓ったんじゃ。絶対一緒の大学、学部に行くって。ティッシュの模試の結果を見れば、B判定じゃった。

「あー、あと偏差値3は欲しいかなあ」
「しかし前回より上がっているじゃないか、やはり夏休みの特訓のお陰だな」
「まぁ真田の家でやったからねー」

その次の模試も、十一月に受けた模試も、相変わらずアルファベットはEのままじゃった。一般まであと二ヶ月、正直自分でも無理じゃと思った。進路が決まっている柳生は毎日俺の勉強を見てくれた。ティッシュも柳も真田も、俺のために勉強会を開いてくれた。



「仁王は落ちたらどうするんだよぃ、」

十二月になれば、ブンちゃんがしょっちゅう落ちた後のことを聞いて来るようになった。そんなんまだ考えたくなか、いやまぁ落ちるんじゃけど。

「…、まだ決めてないから分からんぜよ」

そっか。あの日のティッシュみたいな返事に、俺は悲しくなった。


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