※ラスト青桃っぽい



「あーやべぇ」

マジやべえ、とかこれやべぇわ、など言いながらDVDを吟味しているある男がいた。しかし私の記憶が正しければ、彼は高校生である。見た目は大学生なんだけど。

「あの、」
「あ?…なまえじゃねーか」
「いやまあ…こんにちは。」

脅かすなよ、と私を一瞥してから言うが、お前は万引きしようとしている中学生か。

「万引きは犯罪ですよ」
「バッカ、しねーよ」

再びDVDに視線を落とす彼だが、そう。そのDVDが問題なんですよ。タイトルはばっちり「ド素人コレクション2」「巨乳美女」「美人マネージャー狩り」と書かれている。いやいやいや、それ全部AVだから。18禁だから。

「青峰くん、キミ何歳だっけ」
「………今日から二十歳」
「嘘つけ!」

ばっちり高校の制服を着てるくせに、よく言う。彼の手からそれを引き離せば、不満そうに舌打ちされた。

「ったく、いーじゃねーか別に」
「良くないです、大体十八歳未満は借りれません」
「おい、俺が見たいから借りさせろよ。」
「…何様ですか」
「お客様に決まってんだろ」

自信満々に言っているがアホ丸出しである。某執事風に言わせれば「お嬢様はアホでございますか?」だ。まあ青峰くん男だから…

「旦那様はアホでございますか?いや、坊っちゃんはアホでございますか?うーんどっちだろ。年齢的には旦那様なのかな?でも高校生だから、まだ坊っちゃん?」
「………」
「え?なに?」
「…何でもねぇ」

だりぃーから別の借りるわ、とおもむろに立ち上がって何処かに行ってしまった。ちょ、ちょい待ち!このAVどうしろと!わたしに返せって言いたいのか!


…結局AVはバックヤードに引いて置いた。後で今吉くんに返して貰おう。今吉くんってアホ峰…じゃなくて青峰くんと同じ高校生のくせに、やたらAVの配置に詳しいんだよね。ある意味怖いけど。

「あー、でも青峰くんって自称王様と似てるよね」
「あ?誰だよそれ」
「何でもないよー」

意味分かんねぇ、と呟きながら彼は僕等がいたを借りて帰って行った。なんだ、青峰くんああ見えてリア充組かよ。…さつきちゃん、だっけ?幸子ではなかった、はず。今度青峰くんにちゃんと聞こう。


青峰大輝