貪る王様は卑しく笑う

名前ちゃんが臨時のマネージャーになるって、マジマジ!?俺超嬉C〜!ってか跡部もよくやるよねー。あっ、もしかしてマネージャーにして、仲直りするきっかけにする気だったりー?
思わず笑ったら、宍戸にスッゲー睨まれたけど「俺名前ちゃんがマネージャーがE〜!」って上っ面の笑顔を出せば皆コロッと信じたC〜。楽勝ーってか俺、演技派だC。

「けどよ、あいつ今までテニスなんか…」
「はっ、宍戸は知らなかったのか?名前は十歳までテニスクラブに通ってたんだよ」

えっ、名前ちゃんテニスしてたの??ってか何で跡部が知ってるんだCー!まぁ跡部なら名前ちゃんのこと色々調べそーだけど!それってストーカーだC〜。うわー、忍足並みにえげつないじゃん。

「跡部って怖いC〜」
「何だよ慈郎、話が飛躍し過ぎて全然わかんねーよ」

うんうん、宍戸は知らなくてEーの!ってか宍戸が知ったらテニス部崩壊?えー、一人の女の子を争ってレギュラー全員仲間割れしたら他校の笑い者だC。それだけはやーめよ。せめて全国大会終わってからなら、まだEーけど!
って、なんか俺が色々考えてる間に名前ちゃんがマネージャーになること決定してたC〜!宍戸は不服そうだったけど多数決?んー、ちゃんと話聞いとけば良かった。

「ジロー、立海の奴らに名前がマネージャーになることは言うなよ」
「、何で?」
「なんでも、だ」

妖しく笑う跡部の顔見てピーンときちゃった。跡部の奴、絶対何か企んでるC〜!跡部って何か企んでる時は厭な笑い方するんだよねー。ゾッとするっていうか、不気味っていうか。
でもでも、跡部の思惑通りにはさせないCー!丸井くんに頼んで、俺だって策を練るもんねー。取り敢えず練習で宍戸と乱打をすれば、何か今日の宍戸はいつもと違った。上手く言えなEんだけど、前より男らしいっていうか、オーラが違うっていうか……。

「宍戸調子Eーの?」
「!まぁ、な」

照れくさそうに笑う宍戸にちょっとだけモヤモヤした。んー、絶対名前ちゃん関係だC。最近二人の仲が微妙だったから、そろそろ別れ際とか思ってたんだけどなー。
今日とか名前ちゃん、宍戸じゃなくて日吉とご飯食べてたCー。日吉もやるよねー。大人しそうな顔して奪略愛とか黒いC〜!!

「ジロー、相手交代や。岳人と打ち」
「んー、わかったー」

向日と打つため忍足と変わってコートに入れば、嫌な視線を感じた。向日、俺のこと見過ぎだC。

「俺の顔に何か付いてる?」
「…くそくそ!何でもねーよ!いいから打つぞ!」

向日の今日のボール、朝より荒っぽいんだけど。これって八つ当たりってやつー?最悪、もう俺寝よーかなー。どーせ次打つ相手、忍足とだC。忍足ってよく分からないから嫌なんだよねー。

「あっ、」

なんとなくモヤモヤして、思いっきり打てば隣のコートで跡部と乱打をしていた日吉に当たった。

「…芥川先輩は、何か俺に恨みでもあるんですか」
「ごめんってー!考え事してたんだC!」
「ジロー、テニスに集中しろ」

日吉に謝りに行けば、跡部も日吉の元まで歩み寄って来た。

「だってさー、名前ちゃんがマネージャーとか超嬉Cくってさー!」
「でも、なんで名前さんをマネージャーにしたんですか」

日吉が投げ掛けた問いに、跡部は「聞きたいか?」なんてわざとらしく髪を掻き上げた。あっ、またあの厭な笑い方ー。

「教えて教えてー!俺、超気になるC!」
「…まぁ、気にならないと言えば嘘になります」

宍戸には言うなよ、なんて勿体ぶってから話す跡部は、今までに見たことがないくらい嘲弄した笑い方だった。

「俺様もさっき知ったんだがな、名前の幼なじみかつ初恋の相手が、立海テニス部にいんだよ。」

んー、前言撤回!跡部って、忍足よりあくどいC。



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