俺には好きな人がいる。せやな、そいつを仮に少女Aとするわ。少女Aは誰よりも可愛い。いやほんまに、冗談抜きで。絶世の美少女って言うても過言ちゃうっちゅー話や。
その美少女に惚れへん男がこの世におるか?おらんやろ、みんな惚れるっちゅーねん。けどな、少女Aは優しい子やから俺以外の男にも笑いかけるねん。それ見たら、なんやモヤモヤして…嫌な気持ちなるから、これを財前に相談してみてん。

「謙也先輩…それ、嫉妬ちゃうんすか?」
「は?嫉妬?」
「…話聞いてる限りでは、嫉妬やと思うんスけど」

ってあの財前に言われたからこれが嫉妬なんやろうな。せやけど嫉妬の対処法が分からん。俺はどうしたらええんや、

「謙也は相変わらずやなー」
「しし白石!?お前いつから…」
「ん?謙也が俺には好きな人が〜とか回想してたとこやけど」

お前、初めからやないか…。白石を睨んで呟いても、あいつは気にしてなさそうに流しおった。何で白石は俺の話をよく流すんや。

「で、いい加減俺にも謙也の好きな相手教えてや」
「いやだから言うてるやん、俺の好きな相手は__やって」

お前なぁ…と哀れみを含んだ眼差しで白石は俺を見たけど、事実やからしゃーない。

「__ちゃんが可愛いんは分かるけど、難しいで?」
「…ガブリエルに恋するよりかはマシやっちゅー話や。そろそろ__が来るはずなんやけど…」
「あっ、お兄ちゃん!」

そう、少女A…つまり__は俺の実の妹や。ははっ、何が悲しくて妹に恋せなあかんねん。そういう漫画あったよな?僕妹やっけ?…まあええわ。しゃーないから、もう少しだけ良い兄を演じたるっちゅーねん。

きっと百年後には、兄妹じゃなくて恋人として俺に笑顔を向けてくれてるはずやからな。



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