※HOMOじゃない!



ずっと前から気になっていた__先輩に思い切って告白しよーとか思ったわけ。ほら、思い立ったら即行動とか言うじゃないスか。早速呼び出して告れば__先輩、何て言ったと思います?

「、は?」
「だから、赤也って丸井と付き合ってるんでしょ?」

俺が、丸井先輩と?

「じゃあ仁王だ」
「ちょ、違いますよ!!」

仁王先輩と??百歩譲って丸井先輩はアリだとしても(いやぜってぇーねーけど!)仁王先輩はないっスよ!!なに考えてるか分かん無いのも嫌っスけど、あの人俺のこと騙して面白がってるし!
つーか否定するのに必死過ぎて、先輩から告白の返事、聞き損ねたし…。全然ついてねぇ。

「先輩たちのせいで勘違いされてんスけど」
「おい赤也、修飾語が無さすぎて分かんねーだろい」
「だから、__先輩に俺が先輩たちとデキてるとか思われてたんスよ!!」

へえ、と呟く丸井先輩は興味無さそうに携帯を弄っていた。仁王先輩は「俺らの仲じゃろ」と馴れ馴れしく俺の肩を抱いた。先輩がそーゆーことすっから、勘違いされるんスよ!

「つーかお前、__に告ったわけ?」
「……ちょ、何で知ってるんスか!?」

動揺する俺と対照的に、冷静にクックッと横で笑う仁王先輩にムカついた。しかも丸井先輩は「お前本当可愛いよな」と俺の頭を撫でてくるし。男なのに可愛いとか、全然嬉しくないんスけど。

「あっもう丸井先輩が撫でるからぐしゃぐしゃじゃないっスか!」
「赤也の髪は元々こんなんじゃろ」
「そーそ。つーかお前、返事はどうだったんだよい?」

聞き損ねたっス、とポツリと呟けば五秒後に二人共爆笑し始めた。

「はあっ!?お前マジかよ!」
「ちょ、笑わなくてもいいじゃないスか!」
「ほぉ、それ遠回しに振られてるんじゃろ」
「俺、仁王先輩嫌いになりそうっス…」
「嘘に決まってるナリ」

まだケラケラと笑う丸井先輩に対して「そう気を落としなさんな」と仁王先輩は励ましてくれた。あー、俺仁王先輩のこと好きになりそー。てか仁王先輩って何気モテるんスよね。何でモテるのかは謎なんスけど。

「じゃーお前、今から聞きに行けよい」
「ちょ、無理っスよ!」

俺の抵抗も虚しく、丸井先輩によって呼び出された__先輩と対面することになった。今日二回目とか若干気まずいんスけど。つーか先輩ら、絶対楽しんでるだけじゃないっスか…!優しかったはずの仁王先輩も「聞くなら今しかないじゃろ」と満面の笑みで返された。仁王先輩の裏切り者…!
何事も経験だろい?と丸井先輩のよく分からない持論で__先輩との待ち合わせの教室まで行ったら既に先輩がいた。

「!先輩待ちましたかっ」
「ん?今来たとこだよー」

ふわっと微笑む先輩めちゃくちゃ可愛い…!っじゃなくて、ちゃんと返事を聞くんスよね。

「先輩!さっきの告白の返事欲しいんスけど!」
「あれ?言ってなかったっけ?」

首を傾げる先輩もめちゃくちゃ可愛い…!って、ちげーよ。やべー、これ振られるんじゃねーの。一回しか言わないからね、と投げ遣りな先輩見たら振られる気しかしないんスけど!!!

「I love you,too.」

先輩が言い終わると同時に教室内にクラッカーが鳴り響いた。「どっきり大成功ナリ」とニヤニヤ笑う仁王先輩とお菓子を食べつつ丸井先輩は「驚いただろい?」と笑っていた。

「これ丸井と仁王が考えたんだよ」

あっお前言うなよな!と恥ずかしそうにお菓子の袋で顔を隠す丸井先輩の顔は赤かった。丸井先輩もあんな表情するんスね、

「ブンちゃん顔真っ赤じゃー」
「うっせ、…可愛い後輩の為だっつーの」

照れ隠しからか俺の頭をくしゃくしゃに撫でる丸井先輩はどことなく嬉しそうだった。あー、俺が女だったらぜってぇー先輩たちのこと好きになってる。ってかズルいっスよ、丸井先輩も仁王先輩も。結局そーやって優しいんスから。つい嬉しくて丸井先輩に抱き付いたら「おま、急に抱き付くなって!」と剥がされた。俺__先輩も好きっスけど、それに負けないくらいテニス部の先輩も好きなんスよねー。あっ変な意味じゃなくて!てか俺、スッゲー幸せなんスけど。
…そういえば先輩、さっき英語で何て言ったんだろう。まあいいか。とりあえず、丸井先輩と仁王先輩に無性に抱き付きたくなった。



▽20120925
赤也誕生日おめでとう!!



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