not夢、notBL



くそくそ!今日は俺の誕生日だって言うのに、テニス部の奴ら誰も祝ってくれねーんだぜ!?日付変わるまで起きてた俺が馬鹿みてーじゃねーか!!朝練の時だって誰も気付かねーしよ、侑士なんか「岳人、今日のムーンサルト低いで。もっと跳んでみそ」とか言いやがるしよ!くそくそ!低いのは誰も俺の誕生日を祝ってくれねーからだよ!

「向日先輩、今日調子悪そうですね」
「はっ、激ダサだぜ」

宍戸!お前の声こっちまで聞こえてるからな!宍戸を睨んだら、まるで気にしてないかのように長太郎とサーブレシーブしてるしよ!
昼休みに頼みの綱である跡部の様子を伺っても、俺の誕生日のことなんか忘れてそうな様子だし!何だよ!皆揃って忘れてんのかよ!

「岳人、部活行くで」
「……くそくそ!侑士なんか嫌いだ」
「はぁ?急に何言いだすねん」

何でもねーよ、と少し拗ねてみても侑士は全く気にして無い様子だった。普通ペアの誕生日くらい覚えてるはずだろ!むしゃくしゃしながら部室の扉を開けたらいきなりクラッカーを鳴らされた。

「Happy Birthday to Gakuto」

跡部の流暢な英語でようやく祝われているのだと気が付いた。なんだよ、部室まで飾り付けてケーキまで用意して。くそくそ!どっきりとか心臓に悪いんだよ!!

「岳人にバレんようにするん、大変やってんで?」

少しだけ眉を下げる侑士を見れば、みんなが一生懸命考えてくれたサプライズってのがよく分かった。
みんな俺のためにこんなに用意して、サプライズの為に忘れてるフリまでしやがって。俺、氷帝に来て良かった。氷帝テニス部で良かった。

「俺、すげぇ幸せ者だよな」

急に何言い出すねん、とか言う侑士の目は今まで見た中で一番優しい目をしていた。



***
岳人誕生日おめでとう!
これからも跳んでみそ!



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