最近、よくブンちゃんの使用済みタオルが無くなっちょる。でも必ず次の日には戻って来ていて、しかも洗濯済みだから可笑しな話じゃ。汗臭いタオルが、爽やかな柔軟剤の匂いがする綺麗な状態で返ってくるからか、タオルが無くなってもブンちゃんはあまり気にしてなかった。

「おっ、また戻って来た」

部活が終わって部室に戻れば、ブンちゃんのカバンの上に昨日無くなったはずのタオルが畳んで置いてあった。いつも赤也は「丸井先輩だけズルいっス!」とか言うちょるけど、正直なところ気味が悪いと思わんのじゃろーか?


ある日、練習中に怪我をしたので手当てをする為部室に向かえば、その途中で大事そうに水色のタオルを握り締めた女の子と擦れ違った。瞬間、いつもブンちゃんのタオルから匂う柔軟剤の香りがして思わず振り返れば、もう女の子は校舎に入ったのか見えんかった。
さっきの子は、一瞬じゃったが隣のクラスの__と酷似していた。__は香水を振りまく様な、けばけばしい女とは違い大人しめじゃが、顔は元が良いからか美人じゃ。密かに、俺が好意を寄せちょる唯一の女子じゃったから見間違いなどあり得ん。すぐに部室に入ればブンちゃんのカバンの上には昨日使っていたタオルが畳んで置いてあった。

確か、今日の朝練でブンちゃんが使ってたタオルは…水色。

そこまで考えた時、すぐに部室を出て教室まで走った。A組の教室まで着いた時、中に人の気配がしたので迷わずに扉を開けた。

「に、おくん?」

動揺しながらこっちを見る__の手には水色のタオルが握られていた。そのまま__の元まで行けば、咄嗟にタオルを隠そうとするので手を掴んで制止した。

「それ、ブンちゃんのじゃろ?」
「………」
「無言は肯定、と受け取ってよか?」
「っ、ごめんなさい」
「……ブンちゃん、気味悪がって犯人捜ししちょるぜよ」

勿論、嘘じゃけど。内心ほくそ笑みながら__を見れば、大きく目を見開いて驚愕していた。

「…丸井くんには、言わないで」

小さく呟いた声は聞き取るので精一杯じゃったが、まんまと騙される__に思わず笑ってしもた。いかんいかん、顔に出るなんて詐欺師として失格じゃ。すぐに真顔に戻せば__は焦っているのか、俺の笑みには気付いてはいなかった。

「お前さんのためなら、ブンちゃんには言わんぜよ。…その代わり俺の言う事聞いてくれたら、の話じゃが」
「、え?」
「抱かせてくれんかの?」

優しく押し倒せば、つまり、そういう行為だと気付いたのだろう。か細い声で嫌々言うだけで、俺を煽るには充分じゃった。

「俺が天才的に優しく__を抱いてやるからよい」
「まる、いくん…?」

ブンちゃんの声色と口癖を真似すればさっきとは違い、激しい抵抗をやめた。戸惑いと嬉しさを含んだ表情はますます俺を困惑させた。何じゃ、ブンちゃんならええんか。そりゃそうか、タオル盗むくらいじゃもんな。

「カツラ無いがの、出来るだけブンちゃんの真似するけ…。それでもいかんか?」

少し眉をひそめて哀しそうな顔をすればコロッと騙されたのか、「…いい、よ」とあっさり承諾してくれた。やっぱりブンちゃんならいいんか。優しく服を脱がして胸元に下を這わせれば、__はビクッと反応した。

「もしかして、初めてなんか」
「……うん」

初めてがこんなんでいいんか?好きな人とヤらんくていいんか?一瞬頭が冷め、様々な考えがよぎれば__の乱れた服を直していた。

「………やめじゃ、お前さんは抱かん。」
「なっ、何で?」
「何でじゃろーな、俺にも分からん。」

笑って誤魔化したが本当は分かっちょった。そんな形で好きな人の初めてを奪うなんて辛過ぎるじゃろ。よりにもよって、俺ではなくブンちゃんの真似して、なんて絶対嫌じゃ。__の記憶には"俺"ではなく"ブンちゃん"として残るんじゃろ。
ただ…押し倒した時点でスイッチは入ってしもたから、俺のチンコは限界じゃ。さり気なく太ももに当てれば素股したい欲求が高まってしもた。

「その代わり、素股くらいは許してくれんかの?」
「…す、素股?」

イマイチ分かってない__に口で説明するんもめんどくさかったから、行動で示すことにした。純粋な__に、グロテスクなチンコを見せるのは気が引けたので、傍にあったブンちゃんのタオルを目隠しに使った。

「!、見えないよ」
「目隠しした方が、俺っぽいだろい?」

ブンちゃんの真似をすれば、__は顔を赤らめて「…うん」と小さく頷いた。早速短パンをずらして勃ちかけのチンコを__の太ももに擦り付ければ直ぐに射精感が高まった。そのまま、咄嗟に近くにあった雑巾をチンコに当てた。

「__っ、好きだぜい!」

布越しにドロッとした感触を感じるとそのまま処理をして__の目隠しを外した。

「…仁王、くんは優しいんだね」
「俺は優しくなんてなか。」
「…でも、」
「俺が__のことを、知っちょったのも、襲ったのも、お前さんを、好いとうから、ぜよ…!」

思わず言ってしまった一言に激しく後悔した。そのまま雑巾を引っ掴んで教室を飛び出した。

「余裕無いなんてださすぎ、ぜよ…」

そのまま雑巾を適当に廊下のゴミ箱に捨て、何事も無かったかのように部活に戻れば真田からの鉄拳が待っていた。



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