ドッペルゲンガーという現象を知っている人は多いだろう。わたしも名前は知っている。自分とそっくりの姿をした分身。 同じ人物が同時に複数の場所に姿を現す現象。 自分がもうひとりの自分を見る現象。自己像幻視。 英語風に「ダブル」と言ったり、漢字では「復体」と書くことがある。(wikipedia参照)
噂ではそのドッペルゲンガーと会うと死んでしまうとか何とか。そう…つまり今ものすごくヤバイ。わたしじゃなくて、彼が。あの凛くんが。
「Hi,why you looking at me?」
「…へ??」
凛くんだと思っていた男は突然すらすらと英語を話しだした。えっ、なんで今日はうちなーぐちじゃないの??英会話でも習ったんですか?しかし流暢な英語だな。凛くんも実は帰国子女?というかえっと…
「You are Rin,right?」
「No」
NOとはっきり言われてしまった。じゃあ今邦画コーナーでロンハーを選んでいるのが本物の凛くん?ではこいつは一体…
「ワタシハリリアデント・クラウザーデス。イゴ、オミシリオキヲ。」
凛くんの偽物はそう言って帰って行った。誰だあいつ。リリア…なんとかクラウド?だっけ。ていうか名前長い、長過ぎなんだけど。クラウド(仮)は日本語も話せるようだった。バイリンガルなんて勝ち組じゃん!残念ながらわたしはモノリンガル(一ヶ国語しか話せない人)だけど。ちょっと待って、なんでクラウド(仮)は最初から日本語で話さなかったんだ?!アイツ…わたしを試したな?以後お見知りおきを、と最後に彼は言っていた。まさか…!新手のスパイ?って、何のスパイだよ!!!
「あい?やー、難しそうな顔してるさー」
乙女はね、いろいろ複雑なんだよ凛くん。