「研修生はいつ見てもむぞらしかー」

来店早々「むぞらしかー」と言いまくる千歳くんは、相変わらず訛っていた。大阪に住んでだいぶ経つらしいが、訛りは取れないそうだ。あ!そ、う、言、え、ば、

「千歳くん千歳くん、確か白石くんと知り合いだったよね?」
「白石とは部活が一緒たい」
「ほうほう、で!その白石くんが何か余計なこと言ってるらしいんですけど知ってます?」
「余計なこと?何言われたと?」
「えっとー、そのー、私が白石くんの彼女というか、えー…」

そこまで言った時千歳くんはフッと鼻で笑った。こいつ今わたしのこと馬鹿にしたな、絶対した。千歳くんの見下ろす目が物語ってるもん。「白石の彼女とか図々しいたい」みたいな意味で。ていうか千歳くん本当に身長高いな。二メートルくらいない?ちょっと怖いレベルなんだけど。

「研修生が白石の彼女なわけなかよ」
「で、ですよねー…」

なんか私がスゴく自意識過剰な人みたいじゃん。白石くんみたいなイケメンと釣り合わないとか知ってる、けど…

「白石の彼女じゃなくて、俺の彼女になりなっせ」
「うんうん、私にあんなイケメンは釣り合わない…って、ん?千歳くん?キミ今何て言いました?彼女?えっ?」

また来週口説きに来るばい、と借りたてホヤホヤのナウシカを抱えて彼は帰ってしまった。え、ちょ、えー…。最近の中学生ってあんなに大人っぽいの?っていうか!白石くんの何一つ解決してないし!むしろややこしくなったし!もうやだ!まともな人いないよ此処!わたしはスゴく帰りたいです店長!!
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