最悪だ。まさに最悪である。そう言えば今日の占いは十一位だった。「十一位のあなた!今日は嫌な人と会っちゃうかも!うふふ」とオハ朝が言っていた気がする、たぶん。最下位じゃないだけマシか、なんて思ったのが間違いだった。オハ朝って、たまに怖いくらい当たるんだよな。

「跡部さん、本気で狩りに行くんですか」
「当たり前だ」

こんな感じの会話をしながら入店して来たのは、あの憎きキノコと自称王様だった。いやお前ら知り合いだったのかよ。しかもキノコは入店早々、おもいっきり私を睨んでいた。あれは俗に言うガンをつけられていたのだろうか。何もしていないのに、いやむしろキノコにされた側なのに。キノコ怖い、やっぱりキノコは敵だ。

「跡部さん、やっぱりやめた方が…」
「あーん?あいつらに出来るなら、俺様が出来ねー訳がねえだろ」

ちょっとかってくる、と自称王様は言って近付いて来た。ヤバい狩られる、間違いなく狩られる。……え、てか狩るって何を?

「モンハンはどれだ」
「……」

えー?!!今更モンハン!??もうブーム過ぎてますけど!PSPの3rdがピークでしたけど!wiiUまで出ちゃって、いやいや出しすぎでしょ感が漂ってるのに、モンハン!!?でも先週も…、いや辞めておこう。

「おい聞いてんのか、」
「あ、はい」
「2ndGはどれだ」

ヤバい腹筋崩壊しそう。脳内では草(www)生やしまくって大爆笑してるとこだけど、現実では口角がピクピクと引きつっているだけだった。ヤバい、この人ヤバい。

「えっと、2ndGだと中古しか取り扱ってないのですが」
「おい日吉、中古ってどういう意味だ」

少し離れていたキノコを呼びつけ、中古の意味を聞く自称王様だが、中学生で中古の意味が分からないのはある意味ヤバい気がする。

「跡部さん、第一宍戸さん達がやっているのは3rdですよ」
「え、ホモと知り合いなの?」
「……」

あ、いや。その…と思わずしどろもどろになってしまった。ヤバい、ホモとか言っちゃった。そうだよね、普通隠してるもんね。言っちゃヤバいよね、彼らの為にも。しかし口を滑らした私に、フォローするという能力は、生憎備わっていなかった。こうなったらホモで通そう、うん。

「おい、宍戸もよく来るのか?」
「あ、はい。まぁ、それなりに」
「俺様を差し置いて近付く気か、あーん?」

やけに不快そうに眉をしかめる自称王様に、キノコはうんざりしながら「跡部さん3rd買わないんですか」と横から話し掛けていた。しかしこいつら…ホモについて何も突っ込んで来ないな。ここで小春ちゃんなら、「いやーんホモ!?ロックオーーーン!!!」とか乗ってくれるのに。やっぱ関東人はノリが悪い。

「ふっ、まあいい。俺様が負ける訳がない」
「跡部さん早く3rd買って帰りましょうよ」
「おい日吉、3rdと2ndGの違いは何だ」
「……知らないですよ、俺モンハンやってないんで」

はぁ、と溜め息を吐くキノコだがそれはこっちの気分だ。何でお前ら知り合いなんだよ、何でホモについて突っ込まないんだよ。

「はっ、なら両方買う。2ndGと3rdをくれ」

自称王様はめんどくさくなったのか、結局両方買って行った。絶対2ndGやり込むよ、あいつ。2ndGまで買う自称王様にキノコは「両方買ったんですか、」と呆れながら言っていた。でも本当は知っている、いや私しか知らない秘密がある。



キノコが一週間前、2ndGと3rdを買って行ったということを。
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