130305 幸村生誕祭〜2013〜
※ほとんど会話文で手抜き


「やあ」
「あ、ゆっきー!」

真田さんがカードを作った翌日、早速ゆっきーがやって来た。「真田がお世話になったね」と微笑むゆっきーの手には、昨日真田さんが借りて行ったはずの海外ドラマがあった。あれ?

「ふふ。これ、返却お願いね」
「あの、これって昨日顧問…じゃなくて真田さんが、」
「え?ああ、頼んだんだ」

めんどくさかったからね、とウインクするゆっきーだが、彼が病弱というのはどうも嘘臭い。こんなにピンピンしていて病弱はないだろう。世の中にはもっとひ弱そうなのがいるじゃないか、例えば入江っちとか、左手に包帯を巻いてる…やっぱりやめておこう。彼の話題は極力避けたい。次来たら問い詰めたいことが山ほどある。

「ゆっきーってさ、」
「ん?」
「あっ、いっぱい質問するけどいい?」
「ふふ、喜んで」
「ゆっきー病弱なの?」
「まさか!俺がそんな風に見える?」
「見えない、かな…」
「真田は過保護だからね、気にしないで」

余計なこと言いやがって、とゆっきーが呟いたのは聞こえなかったことにした。うん、私はなにも聞いてないから大丈夫。

「真田さんってさ、本当に中学生なの?」
「そうは見えないだろ?あれでもちゃんと中学三年生だよ。俺と同い年。」
「へぇ〜そうなんだ。ゆっきーがそう言うなら信じるね!」
「ふふ、あいつはああ見えていい奴だよ。俺がめんどくさくなった時、返却頼んだら行ってくれるし。」
「そ、それってパシ」
「まさか。俺が人を扱き使うわけないよ」
「だ、だよね。ゆっきー優しいもんね、うん」

天使みたいなゆっきーが実は腹黒で、みんなから神の子とか呼ばれて恐れられてて、他人の五感奪うのが趣味とかそんなわけないよ。ゆっきーは天使だよ。…ん?腹黒?神の子?あれ、なんで私そんなこと知ってるんだろ……。

「ねぇ、バイト何時に上がるの?」
「えっとあと2時間後には…」
「じゃあその後俺とデートしよう、また迎えに来るね。」

それだけ言って颯爽とゆっきーは帰って行った。…えっデート?今日?ま、ままま待って今日すっぴん…!っていうか心の準備ってものが…!一人取り残された私に勿論拒否権なんてものは無く、2時間後再びゆっきーと会うハメになってしまった。


anotherの方で続きます、多分。
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