廊下をバタバタと走る音が聞こえ、私は読んでいた書物から意識を反らした。一階から聞こえていた五月蝿い足音は階段を上がり二階まで来ると、そのまま私の部屋のドアをぶち破り飛び込んできた。


「ゴールドさん結婚してください!!!!」

「断る」


そんな…と呆然とした顔をするボーイを見るのはこれで…何回目だろうか。とにかく忘れるくらい見た。

私はため息をつくと、この厄介な状況に頭を抱えた。何 故 こ う な っ た ? と言うに相応しい。最初はこんなじゃなかったのに。ボーイが私に迫ってくるようになったのは、私が彼をジャッジした頃からである。今思えばジャッジせずに放っておけばよかったとさえ思っている。


「ゴールドさん!僕は本気です!」


真剣な目で見つめてくるボーイに、嘘をついている様子はない。まあ、嘘かどうかなんて別に関係ないのだが。


「あのね、ボーイ?私は君のことを好きでもなんでもないんだよ。ここまで言えば分かるね?」

「好きにさせてみろってことですか?わかりました。」

「何で自己完結してるんだいそうじゃない私のことは諦めてくれってことだ。」


彼に理解してもらうことは望んではいけないのだろうか?




end
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