あれから四年、どんなに冷静になって世界を見ても、代わり映えのない戦いの絶えない世界。私たちのやったことは無意味だったのだろうか、でもそれでなくとも…。
 考えは廻り廻ってそしてもう一度私のところへ帰ってくる。一体何度この無限ループを繰り返したのだろうか。ふわりと身体の浮く無重力空間だって、今は懐かしく感じる。意図的の手に持っていたイヤリングを落とせば、それは予想していた金属音を立てて床へと吸い寄せられるようにして落ちた。地球は嫌いだ、といった彼の言葉を思い出す。私があの場所に身を置いていなければ出会えなかった、大切な愛しい、あの…。

「ティエリア…」

 今頃彼は何をしているだろう、なんて。あの最後の連合軍との戦いで行方不明になってしまった私にはわからない。だけど、あの状況で、もしも、もしも彼も奇跡的に生きていたとしたら…生きていたとしたら…。

「会いたい、なあ…」

 大切な人、不器用で、意地っ張りで、それでも私の大切な人。
 護ってあげたかったのに、最期まで彼と共にいたかったのに。ごめんなさい、ごめんなさい。もしも生きていたとしても、もう会えるわけなんてないのに。それでも謝らずにいられなかった。何度謝ってもたりないくらい、毎日、毎日、そんなことの繰り返し。

「名前名字、」
「…ティエ、リア……?」
「汚らしい顔だな、全く」
「嘘、だって、どうして…」
「それはこっちの台詞だ」

 いきなり玄関のドアが開いたかと思ったら、そこにはこの四年間片時も忘れることのなかった姿が会った。なんで、だって、どうして…。生きていて欲しいと望みながらも、きっともう…と心のどこかで諦めていたように思う。そんな、そんな彼が今、あのおなじみのピンクのカーディガンを着て、そしてあの小憎たらしい笑みを浮かべて、私の目の前に立っているのだ。

「心配した、さあ行くぞ」
「え、どっどこに」
「決まっている」

宙へ

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テーマ「人外ファンタジー」
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