「お誕生日おめでとう」
「おめでとー」
「おめっとさん」
「おめでとう」

 あーなんかしっくりこない!全然来ないよ!と一番にお祝いの言葉を述べた彼女は頭を抱えて騒ぐ。そんな彼女をしり目に、彼女に付き合っておめでとうの練習をしているアレルヤと俺と刹那は足りないものがあるかどうか三人で話し合う。その間にも刻々と時間は過ぎていって、ティエリアがここにくるまであと10分となってしまった。もうこれじゃあ何か足りないものがあっても間に合わないか、とアレルヤと笑いあう。

「大体私に言えるわけがないじゃない!毎日毎日憎まれ口ばっかり言いあってるのに!」
「それはお前がティエリアに突っかかるからだろ」
「そっそうかもしれないけどでもティエリアだって私に対して厳しいもん違うもん!全然違う!特にあんたとはね!」

 ビシッと某小学生探偵さながらに指を俺に差し出した彼女はもうやだよーといじけ始める。大体この誕生日パーティー企画を言いだしたのだて彼女なのだ。だったら何を思って企画したのか俺に教えてほしいね、とアレルヤに目くばせすると、アレルヤは仕方なさげに笑ってから彼女に近寄る。

「大丈夫だよ、ちゃんとティエリアにプレゼント用意したんでしょ?」
「でも、でも絶対鼻で笑うよきっと!」
「そんなことないよ、僕が保証するよ」
「アレルヤが…?」

 アレルヤはこういう時こいつの扱いを知っているなあと思う。いや、扱いを知っているというよりもこれがアレルヤの素なのだからまんまというかそうなんだけど、アレルヤの持ってる雰囲気はきっと心を落ち着かせるのだろう。たまにひやひやさせられるくらい電波なときはあるけれど。

「大丈夫だ、俺のプレゼントには負けるがあいつは喜ぶ」
「刹那まだ私の見てないでしょ!」
「万物俺の持ってきたエクシアにかなうものはない」
「結局ガンプラかよ!」

 さっきまでのいじけ具合もどうやらなくなったようで、刹那とアレルヤとで言い争いともとれるようなじゃれあいを始めた。時間は残り5分。そろそろ玄関に待機するか…とのぞき穴からそとを除くとそこには今日の主役の姿。
 驚いてドアを開けると吃驚したような顔をしたティエリアがいて、とりあえずあの3人に大声でティエリアが来たことを告げるとずっと続いていた騒音がぴたりとやんだ。
 これはあからさますぎやしないだろうかと思いつつも、とりあえず俺が案内役なのね、とティエリアをリビングまで連れていくと、次々に三人がティエリアの前まで現れる。俺もティエリアの隣から、その3人の隣へと移動する。

「せーの」


お誕生日おめでとう!
 その瞬間のティエリアの顔は本人には言わないが、本当に心底驚いていて、それでいて嬉しそうだった。

:)091214
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