みんなー!何組だったー?
大声で近づいてくるのは名前で、俺とアレルヤは笑ってそれを迎え入れる。どうやら彼女はまだ自分が何組になったのかも知らないようだ。
「俺はB組」
「僕もB組」
ちなみにお前もBだったぜ、そう伝えればじゃあまた一緒だ、とさも嬉しそうに笑うもんだから俺もアレルヤもつい頬が緩む。
クラス発表を見たら四人で発表しあおうよ、とそう決まったのは数日前に四人で遊んだ時。まだ一人現れていないのは、きっと委員会だなんだと忙しいからだろう。
「ねえ、そういえばティエリアもBなんだよね?」
「え、ああ…ええっとだな」
「う、うん、名前あのね…」
何をしている、と背後から聞きなれた声が聞こえた。小脇に書類やらファイルやらを抱えた新生徒会長さんは今日も忙しかったようで、きっと俺達よりも早くに登校したのだろう。
はやく旧教室に言って自分の荷物を整理してこい、とそう続けた生徒会長もといティエリアは、俺らの背後にある拡大コピーされたクラス名簿を見た。
「あ、あのなティエリア、クラス分けなんてだな…」
「そうだよティエリア、僕達は…」
「わかっている、」
僕がA組、お前等三人はB組なのだろう。生徒会長である僕がそんなこと把握していないでどうする。
淡々と吐き捨てたティエリアはわかったらお前等も早く旧教室に…と続けようとして、でもそれは遮られた。それは俺達の会話でやっとことの顛末を理解した名前だった。
「ティエリアが辛いのはよーくわかる、でも私たちの関係は変わらないから」
「なっぼっ僕は別に辛いだなんて…!」
「そうだよ、クラスが離れたくらいで変わる関係じゃないよ」
名前、アレルヤ、と続いてティエリアの表情をうかがってから、な?とティエリアに声かければティエリアは一瞬驚いたような表情をしてからばっばかにするな!と少し頬を染めながらそう言った。まあそんなところがまた彼らしいわけだが。
「帰るときも遊ぶ時もちゃんと私たちが誘ってあげる」
だってティエリアは恥ずかしがりやだから自分からなんてできないもんね、と茶化すようにそう言ってから校舎へと走り出す名前につられて俺達二人も走り出す。これじゃあただの言い逃げだ。
途中で振り向けば、嬉しそうな顔をしたティエリアがクラス名簿を眺めていた。
変わらない始まりの日
こんな友達ができるだなんて、思わなかった。
:)090402