「恋をするといいみたいよ」
「何がだ、」
「んっもうわかってるくせに!」

 調子に乗っててれちゃってティエリアったらかんわいー、と付け足せば案の定調子に乗るな、と手厳しいお言葉が返ってきた。そうなのです、私たちは明日、身体測定という魔の行事を控えているのです。

「マラソン大会の次に嫌いだなー」
「マラソン大会なんてないだろ」
「じゃあやっぱり一番嫌い」
「そこに関しては同感だな」

 だって私の周りにはとてもナイスバディーなお友達ばかりなんですもの。勿論ティエリアはそこから除かれます。
 ニールもライルもアレルヤもハレルヤも、昨今の双子というのは胸の発育が凄いとでも決まっているのだろうか。しかも出るとこ出て、締まるとこは締まった女性憧れの体系ばかりだ。私だって別に胸は人並みのつもりだ。少なくともティエリアよりはある。だけどやっぱりあいつらと並ぶのはどうもいただけない。それに、それに…。

「お前は最近太ったな」
「うっうるさいなっ!」

 ああ、なんで身体測定が夏に行われないのでしょう。冬に肥えてしまった体を上手くシェイプアップできないままで春にその悪魔の行事だなんてあんまりです。冬は食べてしまうのです。女の子なのですから。

「ティエリアは痩せてるもんねー、全部」
「どういう意味だ」
「さあ、お好きにどーぞ」

 ああ、でもこんな仲たがいする為にこうして二人で放課後話しているわけじゃない。もっとこう、なんていうのかな、解決策?見たいなものないの?まああと一日しかないんだけどね!

「とりあえず現状を整理すると、私は痩せたい、ティエリアはバストアップを図りたい…と」
「馬鹿にしえは随分要約できたようだな」

 ティエリアの罵倒を華麗にスルーして、本題へと入る。とりあえず私は今日の夜と朝のご飯を抜こう。それでえっと直前に必ずトイレに行って、水もなるべく飲まないようにして…。と、何となく終わりが見えてきた私の問題はよしとして、結局はティエリアだ。

「恋をするといいって聞くよね」
「さっきも聞いた。それに一朝一夕で出来るものではないだろう」
「んー…あ、そうだ!」

 閃いた私を見てティエリアはどうせ大した案じゃないのだろう、といった表情をしているけれどそんなものお構いなしに私はティエリアに一歩ずつ近寄る。少し危機感を覚えたのか怪訝そうな顔をしてなんだ、そう言ったティエリアに私は今思いついた最善の策をいってのけた。


揉むといいんだって
 断わる!断じて断わる!

:)090214

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