「なあー」
「なにー」
「なあー」

 今日のやることは終わらせて、ゆっくりとロヴィのシエスタに付き合っていたらいつの間には隣にはべったりくっつくアントーニョの姿。
 今日は上司に呼ばれた…とか言っていたはずだったのに、もう戻ってきたのだろうか。

「ロヴィ寝てるん?」
「うん、シエスタの時間だからねー」

 ほら見て、可愛い寝顔だよねー、とやわらかいほっぺたをぷにぷにと突っつきながらアントーニョに話しかければ、アントーニョはによによしながら私の後ろから退けて、ロヴィの隣、私とアントーニョでロヴィをはさむようにして寝転がった。

「なーんか幸せやなあ」
「どうしたの?急に」
「どうしたんやろな、でも」

 こうして三人でおられるんが、俺は無性に幸せなんよ、と柔らかい笑みを浮かべたアントーニョに不覚にも私がドキッとしてしまったのは、きっと鈍感な彼は気がついていないはず。
 そのまま私の真似をするように、ロヴィの頬を突っつきだした彼のほっぺを、今度は私が突っつく。

「なんやどうしたん」
「私も三人でいられることが幸せだなーって」

 別に裕福なわけじゃないけど、毎日こうして三人でトマト獲って、騒いで遊んで、そしてこうして昼寝して。ロヴィを挟んで川の字に寝転がって、本物の家族みたいで凄くあったかい。そんな毎日が私は大切だけど、その気持ちを彼も共有していたのがうれしい。
 キュっとアントーニョの手に自分の手を重ねれば、彼は甘えん坊やなあ、なんていいながらも私の頭をなでてくれた。


幸せシエスタ

:)090726
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