あまりにも監獄ネタ欲しすぎて、人気者のくせに兄は俺にしつこいのメンバーで執筆しました。
本編とは違った暗い雰囲気や特に凌駕がやたらと鬼畜化するキャラ崩壊そして気持ち悪いプレイ強要セックスシーンなどがあります。本当になんでも大丈夫だよ、という方だけお読みください。
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ここは極悪非道人が集まる監獄。
死刑とまだ判決されるような囚人たちが閉じ込められたムショだ。
「1202番、立て」
俺はその監獄にいた。狭くて暗くて汚い独房。
そして目の前には綺麗な女みたいな顔をしたクリーム色に近い茶髪の男がこちらを見ていた。こんな汚い場所に似合わないような容姿だ。
俺はじっとその男を見つめては黙っていた。
すると、開いた檻の隙間から背の低い男が顔を出す。
「おい!1202番!凌賀様の命令だぞ!立て!それとも逆らって懲罰房にでも行きたいのか!」
「……」
キャンキャンと隣で大きく喚いた看守の1人に再度号令をかけられ、俺は渋々と立ち上がった。
あくまで返事はしない。従うつもりはないという意志だ。
そもそも俺はこんな監獄に入れられるような罪は犯していない。
俺は、嵌められたのだ。
あらゆる男たちによって罪を仕立て擦りつけられ、重罪を背負った極悪囚人としてここに閉じ込められている。
看守のもう一人の男ーー凌駕は目を綺麗に細めて、俺の腐れた態度に愛想笑いをした。
「1202番…相馬。今日も元気に起きれたかな?」
「…お生憎様で」
ブーブーと壊れた警報で起床をさせられる。起きた囚人たちは、看守たちが号令と召集をかけるために囚人の独房を鍵を開けて回ってくるのをひたすら待ち続けなければならない。寝ていたら、号令に従わなかったとしてその場で鞭打ちまたは飯抜きだ。囚人にはゆっくり寝ている権利すらない。
そして、凌駕という看守は俺の部屋へ来ては、いつもくだらない雑談をしていくのだ。さっさと看守は出ていくものなのに、綺麗な顔にニヒルな笑みを浮かべて、どうでも良い世間話を繰り広げる。
「相馬、ここの生活にはもう慣れたかな?早起きもできるようになってきたね〜偉い偉い」
「…はぁ」
「おい!1202番、相馬!お前、凌賀様に態度がデカすぎるぞ!その無礼な態度を改めろ!」
「三笠くん、いいのいいの。相馬はクールな子だからね〜」
「凌駕様…それでは統率が図れません…!」
看守で同僚な関係なはずなのに、凌駕様と綺麗な男を仰いでいるのは三笠という体が少しばかり華奢な男だった。彼も端正な顔つきで、背丈のせいもあって凌駕よりも更に女子のように見える。しかし、その可愛らしい顔とは反対にキャンキャンと耳鳴りのする大声で怒号を放っては、言うことの聞かない囚人を警棒で殴っている。
凌駕を慕うあまりにも、凌駕に生意気な態度を取る相馬に三笠は苛立っていたのだった。三笠は俺を煽るように前へ出てくる。
「チッ、重罪を犯した囚人のくせに。罪を償うどころかまともな返事もできないわけ?」
「………俺はやってません」
「はぁ?こんなところにいて、やってない訳ないに決まってるでしょ!」
「…っ。俺は…っ!」
「そんな無駄口叩いてる暇あったら、マリア様にでも頭下げときな!罪を犯した自分をお許し下さいってね!」
そんなの、冤罪だ。俺はやってない。
そう何度も訴えるが、ここではそんな言葉、耳にすら入れてもらえない。俺が幾度も幾度も吐いた言葉だったが、一番身寄りになってくれた囚人ですら「諦めろ」と口にした。
凌駕は、俺達というか俺がどう反応するのか、興味深そうにまたは楽しそうにみていたが、すぐに俺の歯切れが悪くなってしまったのを見て、食いつきそうになる三笠の前に出てきた。興奮して赤くなっていた三笠をスマートに抑える。まるでペットのチワワとよく出来た飼い主のようだ。
「確かに。相馬はまだここのルールをきちんと理解してないみたいだ。そうだな、相馬は朝食時間を終えたら俺のところに来てもらおうかな。きちんとそこでもう一度ルールについて教えてあげるよ」
「そんなの結構です。俺には必要ない」
「おい、お前!…凌駕様!こいつはやっぱりすぐ懲罰房に入れるべきですよ!『躾』するべきです!それにこの様子じゃ、逃げ出すやもしれません!コイツの態度が正されるまでしっかり捕獲しておくべきでは?」
「えー?でも、相馬もご飯は食べたいだろ?懲罰房は寒いし、こんな成長期な子に空腹は可哀想だよ。それに三笠くん。そんなに不安なら、キミが相馬のこと見張っておけばいいじゃないか。折角だし、そのまま朝食終えたら俺の部屋へ連れてきてよ」
「え、ちょ、りょ、凌賀様…!?ほ、本気です!?」
突然振られてきた凌駕の提案に狼狽る三笠。
そして、その三笠へ「何か文句でもある?」と圧をかけて凌駕は三笠を即刻黙らせてしまう。
凌駕の命令には絶対!な三笠は、もちろん彼に逆らうことなんてできない。
三笠は小さく「かしこまりました…」と顔を青くして返事した。
「うん!それじゃあ、決定だね!相馬、また会えるの待ってるね」
俺の返事なんか凌駕は聞くわけもなく。
勝手にそう決めては、ご機嫌そうに颯爽と立ち去ってしまう。
凌駕はいつもこのように自分のペースに人を巻き込んでは自分勝手に進めていく。相馬も大概その被害者の一人になることが多かった。
そして、一方、凌駕に見張っておくよう頼まれた三笠は、それはそれは大層不服そうに、顔をギュッとしかめながら俺の独房の前で立っていた。
彼も凌駕に巻き込まれた一人だ。
口下手な俺を前に、お互いしばらく沈黙が続く。
「…おい、点呼終わったら食堂に行くぞ」
号令の合図に気づいた三笠はそう唸るように言い放った。
彼はじっとこちらを睨んでいる。
動かない様子から、本当に俺と来る気だ。
…結局俺はこの場から逃げることはできなさそうだ。