甘く疼く疾走感 | ナノ











「吹雪、タオル」
「はいはい、どうぞ」

黄土色の大地に落ちた水滴を足で掻き消した。真っ白なタオルが顔とかに張り付いたものをきゅっと吸い上げる感覚が心地よい。鼻を澄ませると彼の匂い。それもまたタオルみたいに真っ白な雪の匂いだ。

「吹雪」
「今度はなあに?」
「お前すきな色はなんだ」
「唐突だね」

うーんと意味の無い単語を呻きながら色素のない指先を口元にもってきて考えるそぶりをみせた。いっこうに動く気配がないので仕方なく俺もそのままの体勢で待った。

「豪炎寺くん色かな」

思わず目の前の彼を二度見た。導き出した答えを望んではいなかったけれど少なからずうれしい。

「俺は白だな」
「え?」

そういってタオルへ思いっきり顔を押し付けた。ねえねえと吹雪が服の襟を引っ張ってきたが無視した。また彼の匂いが体中に行き渡る。深く息を吸い込み肺の中のいっぱいある丸い入れ物に匂いを敷き詰めた。びっしりすぎて少し苦しい。

「おかしな豪炎寺くん」

そういって眩しく微笑むものだからまあ少しくらいおかしくてもいいかななんて思ってしまう。今日もいい天気だ。

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仲の良いふたり








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