息絶えてしまえばいいのに | ナノ












「源田は強いな」
「そうでもないぞ」
「そうかな?俺は十分ならくらいだと思うな」

その仕草だとか真っすぐな瞳とか俺を狂わすには十分すぎるよ、なんて冗談で言ったら源田は顔を真っ赤にしてその顔を手で覆い隠した。源田の手は大きくてそのくせ指は長くてすらりとしている。理想であった。GK同士なら手の大きさなんてそんなに変わんないと思っていたのに間近でみるとこんなに違う。そっとその指に触れてぎゅっと握りしめる。親指、人差し指、そして薬指。

「捕まえた」

指の間に指を滑り込ませぎちぎちと指同士が悲鳴をあげる。そのまま手に重心を持ってきてゆっくりと相手へ被さる。耳元でもう一度「つかまえた」と呟くと源田の肩がビクっと飛び跳ねた。暫し顔を耳の傍で停止していると嗄れ声が聞こえた。自分の鼻息が相手の耳から余韻として聞こえるのは心地いい。まるで犯してるみたいで背筋がぞわぞわする。

「やっ、…やめてくれ」

抗議の声をあげるがそれは骨のずれる音でかき消された。源田の声が反響する部屋の中で円堂が源田の口内へ自分の指を押し込む。ぐえ、と声をあげた源田は大人しくなり部屋には静寂が戻る。

「源田も俺の物だよな?」

その答えに反論できるわけもなくただ綺麗な指が源田の口内を抉った。


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殺人未遂









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