最終話

第62章最終話【永遠の誓い】




タブー「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・・!!!
    ワタシハ終ライナイ…!ワタシハ…!!!」


リンクの最後の切り札を喰らい、悍ましい叫び声と共にタブーは消滅した。
今までの戦いが嘘だったかのように静けさがあたりを包み込む。
空は通常の世界と同じように青空が広がった。


マリオ「…終わったのか…。」


リンクは攻撃を終えタブーが消滅したのを確認するとすぐに夢子の元へと駆け寄った。




リンク「夢子さんッ!!!」





夢子は胸にナイフを刺し、血を流しながら苦しそうに笑った。

夢子「リンクさん…と…皆さんを…守れて…良かった…。」
リンク「夢子さん!しっかりしてください!夢子さんっ!」
夢子「皆さん、これからも…この世界を守ってください…。私からのお願いです…。」
リンク「戦いが終わったら一緒にX丘に行くって言ったじゃないですか!」
夢子「私…約束破っちゃった…ごめんなさい…。」
夢子の顔は徐々に青ざめてゆく。
リンク「そんな…そんな事言わないでくださいよ…夢子さん…!」
リンクは涙をこらえきれず流す。
ほかの参戦者も皆泣いていた。

そんな中真顔の人物がひとりいた。
ダークだ。
ダークは死にかけている夢子に近づくと夢子に剣をかざす。

リンク「ダーク…一体何を…!」

次の瞬間だった。







ザクッ・・・・・!


鈍い音と共にダークの 剣が夢子を貫く。






リンク「ダークウウウウウウウウウウウウ!お前は何やってるんだああああああああああああ!」





ダークの突然の思いがけない行動にリンクが激怒する。



そんなリンクにこちらも激怒する。









ダーク「うるせえ!!!!黙って見てろ!!!」





ダークは目を閉じると闇の力を集め始めた。
そして闇と影はダークと夢子を包み込む。

二人の姿は闇に覆われ見えなくなった。

リンク「何をしようとしているんだ…?まさか…ダーク…!」



































暗い闇の中で夢子は目を覚ました。
体は宙へ落ちていく。
真っ暗で何もわからないけど何処か安心できる。
そんな闇だった。

夢子「私…死んだの…?」

ダーク「お前はまだ死んではいない。」

闇の中を一緒にダークも落ちていた。

夢子「ダーク…!」

ダーク「お前は生きていなきゃいけない。光の世界の者達のためにも。
    そして…俺のためにも。」

そしてダークは自分の胸から闇の魂を取り出した。

そしてダークは夢子の胸にその切り取った闇の魂を押し当てた。

スウウウッ・・・

闇の魂は夢子の胸の中へと消えていった。

ダーク「これでお前は助かる。今、俺の魂と治癒能力をお前に授けた。」

夢子「そんな…そんなことしたら貴方が…!」

ダーク「最初は変な奴だと思ったが…お前に出会えて良かった…。
    これからもあの馬鹿共を見守っててくれ。
    俺は天国には行けやしないが…ずっと空からお前のことを見ている。




















    ありがとう。夢子。そして…さようなら、だ。」


































パアアアアッ・・・!







ダークと夢子を包んでいた闇が消え去った。
そこには夢子が倒れていた。
ダークの姿はない。




リンク「夢子さんっ!」

すぐさまリンクが夢子へ駆け寄る。
そしてゆっくり抱き起こす。

夢子「…リン…ク…さん…?」

夢子の瞳がゆっくり開く。





リンク「夢子さんッ!!!」
リンクは夢子の無事を確かめると強く抱きしめた。

参戦者たちも駆け寄る。

リンク「夢子さん…無事なんですよね?!」
夢子「私…生きてる…の…!?」
胸に刺さっていたナイフと傷、そして覚醒の印だった青いアザは無くなっていた。
夢子「生きている…!リンクさん!私生きてる!」

ガバッ!

夢子はリンクに抱きついた。
リンクも夢子を強く抱きしめる。

夢子「ダークが…ダークが私を助けてくれた…!自分の命を犠牲にして…!」
泣きながら夢子はリンクに訴える。

リンク「時がくればわかるって…こういう意味だったのか…!」

夢子「うわあああああああああああああああ・・・!」

泣きじゃくる夢子をリンクは強く抱きしめている事しかできなかった。

ピット「戦いは終わったんだね…。」
マルス「タブーは消滅して…そしてダークも消滅したけど…」
アイク「夢子が生きている。そしてこの世界も。」




参戦者はタブーに打ち勝ち、夢子が生きていることに喜びの声をあげた。
泣き止まない夢子にリンクは言う。
リンク「ダークの分も俺たちが生きてこの世界を幸せに満たしましょう。」
夢子「…そうですね…っ!」

















フワッ・・・

















突然空から 何かが落ちてきた。
以前ピーチから貰ったあの白いドレスだ。













ダーク《…ーそうか。だったらタブーを倒したあかつきに取り返してやるよ。》

















夢子はダークの言ったさりげない約束を思い出した。

夢子「あの時の約束…守ってくれたんだ…。ありがとう、ダーク…。」

夢子は最後の涙を流すと微笑んだ。














































戦いが終わって参戦者達は皆X丘へと集まっていた。
夕日が落ち、その光はまさにXのように光り輝いていた。

そして丘には一つの十字架。
ダークの墓だ。

リンク「ここからならダークもこの景色と城を見ていられます。」
夢子「そうですね…ずっと私たちのこと見守っててくれますよね?」
リンク「夢子さんのことはかならず俺が幸せにします。
    ダークの思いも俺が叶えさせます。
    夢子さん、これからもずっと一緒にいてくださいね?」

















夢子「はい・・・!リンクさん、愛してます!」


リンク「俺もです!夢子さん!」














タブーの野望は打ち砕かれ、そしてダークの命にかけて夢子とこの世界は救われた。
X丘の夕日の輝きは参戦者 たちを優しく照らしていた。
そしてこれからもずっと彼らを照らし続けることだろう。
これかも永遠に・・・。







この広い世界には何千何万という命がある。
生まれては消え、生まれては消え
それを繰り返し人々はこの地で暮らしてきた。
そして人々はいつしか『神』という存在を讃えるようになった。
生物、自然、宇宙…そしてこの世界を創り出した存在として。

ねぇ神様。

もしも本当にいるのならば

貴方に聞きたいことがあるのー・・・











『人はなぜ生まれて、なぜ死んでゆくのでしょうか』




























【紅のツバサ・完】






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