60

第60章【近づく恐怖】




夢子が朝目を覚ますとスマブラ城での騒ぎに気がついた。
急いで着替えて階段を下りると参戦者達が真っ青な顔で慌てふためいていた。
夢子「どうしたんですか?!
夢子が走っていたリュカに話しかける。
リュカ「夢子さん…!城の外が大変な事になってるんですよ!」
夢子「外…?…まさか…!」
急いで外へでる夢子。
そしてその外の光景を見て愕然とした。


外は亜空間だったのだ。
城の周りには茨が生え、空の色は朝なのに暗い。
目の前を見るとあのタブーの城が見えた。
リュカ「タブーが遂に本気になったみたいです…。
    また…戦いが始まるんです…!」
リュカが悲しそうな顔をする。
夢子「大丈夫よリュカ君。私が…私が止めてみせるから…!」
夢子はポケットから刃渡15センチほどのナイフを出した。
リュカ「…!それは…?!」
夢子「時が来たらこれで私は自決するわ。」
リュカ「そんな…!本当に死ぬ気なんですか…?!」
夢子「だから…リュカ君はなにも心配しないで。」
夢子はさみしそうに微笑んだ。

マスターハンド「夢子。」
夢子「マスターさん…!」
城の中からマスターハンドが出てきた。
そしてタブーの城を眺めながら言う。
マスターハンド「我々がはっていた結界をタブーは破って
        この城ごと亜空間へ落としてきたのだ。」
夢子「まさか…!」
マスターハンド「等々この時が来てしまった…。
        再び戦を しなければならない。
        君には本当に辛い思いをさせて大変申し訳なく思っている。
        …いざと言うときは頼むぞ。」
夢子「そんな…謝らないでください…。」

ゴロロロロ・・・!
突然雷が鳴り始めた。
何もない空から雨が降り注ぐ。
マスターハンド「彼は相当本気のようだ。
        我々も覚悟を決めなければな。」
夢子「…はい。あの…マスターさん。」
マスターハンド「なんだ?」
夢子「参戦者の皆と…ギリギリまで一緒にいていいですか…?」
マスターハンド「ああ、構わない。」
夢子「…ありがとうございます…。」
夢子はマスターハンドに礼をいうと懐にナイフを隠した。





しばらくして城 の中から次々と参戦者が出てきた。
皆、戦いに準備を備えたようだ。
マスターハンドが皆に呼びかける。

マスターハンド「これよりタブー城を攻める。
        各自心を決めて戦いに望むように。
        何があっても自分の命を最優先に守りながら戦ってくれ。
        それと…夢子だが…
        決断の時ギリギリまで我々と共に行動したいそうだ。
        だから彼女も一緒に行動する。
        自分の命もだが、彼女のこともなるべく守ってくれ。
        私からは以上だ。」
ピット「いよいよ最終決戦だね…。」
マルス「僕、こんなに緊張するの久し振りかも。」
アイク「気を緩めるな。相手はあのタブーだ。翼が無くとも強敵なのは間違いない。」
マルス「夢子…。」
悲しい表情でマルス達が夢子を見つめた。
夢子の隣にはリンクが立っていた。
そしてダークも。
夢子「ダーク…!貴方怪我は…」
ダーク「俺は治癒能力が高いって言ったろ?怪我なんぞもうとっくに治った。」
夢子「そう…。リンクさん、最後まで…最後まで一緒にいてくださいね…?」
リンク「最後だなんて言わないでください!俺たちはこれからもずっと一緒ですよ!」
夢子「そう…ですね…。」
夢子は悲しい顔をして覚悟を決めた。

夢子「私は皆さんを守ります…!絶対に…!」

ピーチとゼルダとサムスが夢子を抱きしめる。
ピーチ「私たちはずっと心友よ!」
ゼルダ「ええ!この友情は永遠に消えない…!」
サムス「帰ったらまた4人でお茶会しましょうね!」
夢子「はい…!」
その姿は本当に寂しいものだった。





マスターハンド「ではタブーの城を落とす!
        皆、覚悟はいいな!?」

参戦者「「「「「「「「はい!!!!!!」」」」」」」」」

参戦者は雨に濡れながらタブーの城へと向かった。






【いいね!!】





[ 60/508 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]