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ダーク「あいつを救う方法がひとつだけある。」








第58章【紅く華麗に】




リンク「…それは一体何なんですか?」
ダーク「・・・。」
リンク「教えてくださいよ!!!」
ダーク「お前、俺に夢子譲る気ある?」
リンク「な…っ!」
ダーク「譲る気あるなら教えてやるよ。」
リンク「譲れるわけが…!……。」
ダーク「お前とことん冗談通じないヤツだな。…まあ、その時がくればわかるさ。」
ダークは月を見てどこか悲しそうな顔をした。
リンクにはその時ダークの言ってる意味が解らなかった。














朝ー・・

夢子は自分の部屋のベットの上で目を覚ました。
鏡を見ると泣きすぎて目が赤く腫れてい る。

夢子「私、もう泣かないって決めたんだー…!」
すると部屋のドアにノックが響く。

コンコン


夢子「はーい?」
ドアを開くとそこにはピーチが立っていた。
ピーチ「夢子ちゃん!これプレゼント!」
夢子「なんですか?」
ピーチが手に持ってるのは紅いドレスだった。
胸の真ん中には薔薇のコサージュがついている。
ピーチ「その黒いドレス、タブーに無理やり着させられたんでしょ?」
夢子「まぁ・・・。」
ピーチ「日頃の恩返しっていうか、私達からのプレゼント!
    ゼルダちゃんとサムスちゃんも一緒に作ったのよ!」
夢子はドレスを受け取ると満面の笑みでお礼を言った。
夢子「ありがとうございます!」
ピーチ「早速着てみて! 髪は私がセットしてあげる!」
ピーチに手伝ってもらいながら夢子は紅いドレスを着た。
サイズはちょうどピッタリ。
ピーチ曰く女の勘らしい。
ピーチ「髪もコテで巻いたわよ。盛りに盛ってみたの!」
夢子が鏡を見るとそこにはみちがえった自分の姿があった。
夢子「すごい…お姫様みたい…!」
ピーチ「そうよ、貴女は私たちと同じなんだから!」
夢子「ピーチさん、ありがとうございます!」
ピーチ「これからも毎日セットしてあげるわね!」
夢子「やったー!」
ピーチ「喜んでもらって嬉しいわ。さ、一緒に朝ごはん食べに行きましょ!」
夢子「はいっ!」













スマブラ食堂ー・・・




ピーチ「今日のくす玉 は特別らしいわよー!」
夢子「え、そうなんですか?!」
ピーチ「ええ、ルイージが奮発したらしいの!」
夢子「わー!何がでるか楽しみだなー!」
ゼルダ「夢子ちゃーん!」
声のする方を見るとそこにはゼルダとサムスがテーブルに座り手を振っていた。
サムス「特等席取っといたわよ!一緒に食べましょ!」
ゼルダ達に呼ばれた席に座る夢子。
ゼルダ「そのドレス着てくれたんですわね!」
サムス「とても似合ってるわよ!」
夢子「ありがとうございます!」
そして早速くす玉を引っ張る夢子。
出てきたのは・・・
夢子「ロールキャベツだ!私これ大好きなんです!!!」
そこには赤いトマトスープにつかったロールキャベツがあった。
ピーチ「良かったわね夢子ちゃん!じゃあさっそく食べましょ!」
夢子「いただきまー・・・」
夢子が食べようとしたとき、後ろから誰かに肩を押された。
ピット「わっ!」
夢子「!!びっくりしたー!ピットさんでしたか…もう驚かさないでくださいよ!」
ピット「えへへ、ごめんごめん!僕らも一緒に食べていい?」
ピットの後ろにはくす玉を抱えたマルスとアイクもいた。
夢子「はい!みんなで食べましょう!」
ピット「今日のご飯は何かなー・・・・ゲッ!ピーマン・・・・!!」
マルス「前に夢子にピーマン克服料理作ってもらったでしょ!今なら食べれるよ!」
ピット「ええい、こうなったら全部完食してやる!」
アイク「やっぱ肉はうまいな。」
夢子「なんだか賑やかでいいですね!…ずっとこうしていたい…。」
ピーチ「何言ってるの!ずっとこうしていましょうよ!」
ゼルダ「そうよ!毎日賑やかにご飯食べましょう!」
サムス「ルイージも今日からは夢子の好きな食べ物ばかりだすってはりきってたわよ!」
ピット「!!!すごい…僕、ピーマン食べれるようになってる!」
マルス「凄いじゃないかピット君!じゃあ僕のピーマンもあげるよ!!!」
ピット「なんでマルスもチンジャーロースなのさ!?勘弁してよ〜。」
アイク「鶏肉はもも肉に限る。」
夢子「アハハハハ!」
夢子が笑うと周りのみんなも笑えた。
昨日のことが嘘のように。
夢子「あれ?そういえばリンクさんは?」
ピット「リンクならオリマーのところに行ったよ〜!」
マルス「珍しいね、何しにいったのかな?」
アイク「モグモグ・ ・・」







リンク「夢子さん!!!」
ピット「噂をすれば来た来た!」
食堂に汗だくで走ってきたのはリンクだった。
両腕は後ろに回して何かを持ってるようだ。
夢子「リンクさん!どうしたんですか?!そんなに汗かいて…!」
リンク「夢子さんに渡したいものがあって…ハイ!」
リンクは後ろに回していた手を夢子の手元に持ってきた。
そこには真っ赤な薔薇の花束があった。
夢子「わー!綺麗!!!これ貰っていいんですか!?」
リンク「勿論!オリマーに花選ぶの手伝ってもらって遅くなりました。」
ピット「だからオリマーのところ行ってたんだね〜!」
マルス「なんか僕に劣らずキザになったね…リンク…。」







アイク「そういえ ば皆、『紅』だな。ドレスも食事も花も…すべて。」







リンク「だってそれが一番夢子さんに似合ってるからですよ!」
夢子「…でも私、青くなっちゃった…。」
ピーチ「私たちには貴女は綺麗な紅にしか見えないわよ!」
ピット「うんうん!夢子は紅い色が一番似合ってるもん!」
リンク「ピット…俺が言ったセリフパクらないでくださいよ!」
ピット「パクってなんかいないよ!僕が最初にそう思ったんだもん♪」
夢子「アハハハ、皆さん今日なんだか変ですよ!」
ピーチ「変じゃありません!いつも通りですわ!さあ、ご飯食べましょう!」
夢子「はいっ!」

夢子は心の底からずっとこうしていたいと願った。
しかし叶わぬ夢を見ているのが辛い、そう思う気持ちもあった。
だか明るく振舞う皆の姿を見て私も前向きに行こう、そう決めたのだった。




【いいね!!】


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