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マスターハンド「話は分かった。そして夢子の覚悟もわかった。
        その上で私は決断する。






















        夢子を…破壊する。」







第57章【苦渋の決断】








ピーチ「マスター…今何て…」
マスターハンド「夢子を破壊する。そう言った。
橋の時もそうだったが参戦者とこの城を守るためには多少の犠牲は私は厭わない。」
リンク「マスター!自分が何言ってるか解ってるんですか!?」
マスターハンド「私はいつでも正気だ。」
ピーチ 「そんな…!そんなの有り得ないわ…!夢子ちゃんを殺すだなんて…!」
ゼルダ「マスター!他に何か方法があるはずです!」
サムス「みんなでそれを探しましょうよ!!!」
ピット「僕たちも必死になって色々考えたんだ…。」
マルス「でも…。」
アイク「今のところ、それしか方法が無いんだ。」
ピーチ「嫌よ!絶対嫌よ!夢子ちゃんと離れるなんて…そんな…っ」
ピーチが涙を流す。
ゼルダとサムスも泣いていた。

夢子「皆さん…泣かないでください…。」

でも一番悲しいのは夢子だった。
溢れる涙を堪えるのに必死だった。


マスターハンド「タブーももう本気でこちらに向かってくるだろう。
        その前に、夢子、頼めるな?」
夢子「はい…。」

リンク「マスター!それでも貴方は人間ですか!?」

マスターハンド「リンク!じゃあお前は1人の命と36人の命、どちらをとるのかね?!」

リンク「…!それは…!」

マスターハンド「私だってこんな決断はしたくないよ。」
そう言い残すとマスターハンドは城の奥へと去ってしまった。





残された参戦者達は悲しみ嘆いていた。
こんな辛い選択をなぜしなければならないのだろうか?
悲しみが城中を覆う。
一番悲しいのは夢子だが
一番絶望しているのはリンクだった。




リンク「覚悟はしていたはずなのに…俺…こんなの耐え切れません…!」
ピット「僕たちの力では本当に何も出来ないの?!」
マルス「まだ時間はある…何か手 を探そうよ?!」
アイク「時間が本当にあるのか?あのアザ、首まで来てるぞ。」
アイクが悲しい目で夢子を見る。
夢子の体は顔以外ほとんど青くなっていた。
美しかった紅い髪も今は半分青くなっている。

マルス「時間が無いね…。」
ピット「このままだとタブーが覚醒しちゃうよ…。」
アイク「こんなのありかよ…。」


夢子「みなさん、私の命のこと考えてくれて有り難う。
私、その気持ちだけで十分です。
死ぬのも…怖くないです…。」

ガバッ・・・!

リンクが夢子へ駆け寄ると強く抱きしめた。

リンク「死ぬのが怖くない人なんていませんよ…!」
夢子「う…うう…うわあああん…!」
ついに堪えていた涙を夢子は溢れさせ た。
参戦者達も皆涙を流した。




















その夜ー・・・


夢子はいつも良く居た中庭のベンチの上に座って夜空を見上げていた。
夢子「もうすぐここともお別れか…。」
城の中庭の隅に立っている木に近づく。
夢子「わたあめ、もうすぐ会えるからね…。」
今日は一日中泣いている夢子。
涙は枯れそうで枯れない。
夢子「私…死にたくないよ…。」
その場に蹲る夢子。
わたあめの埋まっている土の上に涙が落ちる。










そんな様子を遠くからリンクとダークが見つめていた。
リンク「こんな時に話ってなんですか?どうでもいいことなら怒りますよ。」
ダー ク「アイツを救う方法があるとしたら…お前はどう思う?」
リンク「!!…何か知ってるんですか!?それは一体何なんですか!?」
ダーク「土下座したら教えてやるよ。」
リンクがすぐに土下座しようとしたらダークはリンクを突き飛ばす。
ダーク「冗談だよ。男がすぐ土下座するな。そんなんじゃお前に夢子を任せられない。」
リンク「…どう言う意味ですか?」
ダーク「あいつを救う方法がひとつだけある。」











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