55

夢子はダークに慰められ、
次の日リンクと愛を誓った。
その契りは深く、そしてとても重い。







第55章【サラの暴走】


着替え終わったリンクと夢子は急いで1階のフロアに走り出した。
下の階では爆発音のような音やいろんなものが破壊される音が聞こえる。
リンク「急ぎましょう!」
夢子「はい!」











サラ「全部貴方が悪いのよ?ダークさん。」
ダーク「サラ、落ち着けよ!」
サラ「貴方がお姉さんのことばかり見てるからああああ!」
サラは魔力を使い、攻撃してきた。
ダーク「サラ!!!」
サラ「あああああ!皆無くなれ!全部無くなってしまえ!全部…破壊尽くしてやる…!!!」

ドゴオオオオン!!!!!

魔力は増幅し手当たり次第物を破壊し始めるサラ。
ダークの声はもう届いていない。

リンク「ピット!これは一体どういう事ですか?!」
1階のフロアについたリンクと夢子はピットに事情を聞く。
ピット「夢子、いないと思ったらリンクと行動してたんだね!」
夢子「まあ…その…。」
ピット「ああ、そうじゃなくて!なんかサラがダークと揉めて急にサラが暴れだしたらしいんだ!
    参戦者のみんなが止めに入ってるけど手がつけられなくて…!」
夢子「さっきダーク、サラと話し合うって言ってた…。」
リンク「この様子じゃ話が拗れたようですね。」
夢子「どうしましょう…このままじゃ城が…!」
リンク「戦うしかないようですね…!」
ピット「え!?サラと戦うの!?なんで!?」
事情を全く知らないピットは混乱する。
リンク「貴方は事情を知らないようなので引っ込んでてください!」
ピット「そんなー!意味わかんないよ!」
夢子「私もいきます!リンクさん!」
リンク「怪我しないでくださいね…!」




リンクと夢子は最前線にいるダークのもとへ駆け寄る。
リンク「ダーク!」
ダーク「…時の勇者に夢子もきたか…。お前らは危ないから下がってろ。
    あいつはもう完全に暴走してる…!」
リンク「そういうワケにはいきません。」
夢子「私たちにも責任があるわ…!」
ダーク「お節介なやつらだなほんとお前らは。」
サラ「このビッチ女…よくも喀々と顔だしてきたわね…!
   全部あんたのせいよ…!アンタがいるから私は…今までずっと…!!!」

魔力の球を無造作に投げつけるサラ。
攻撃が3人をかすめる。
ダーク「クッ…!欠片とはいえさすがタブーの翼だな。力が半端ない。」
リンク「ダーク、彼女を…サラを倒してもいいんですか?!」
夢子「リンクさん…!」
ダーク「…ああ、仕方がない。アイツを止めるにはそれしか方法がない。」
リンク「俺とダークで前衛をしましょう。護衛は夢子さんに任せます。」
夢子「わかりました!」

サラ「あああああああああああ!」

サラの暴走は加速する。
魔球は城の壁を次々と破壊していく。
夢子「早く止めないと…!」
前衛ではリンクとダークが剣で戦っていた。
その膨大な力に手こずる。
その時夢子は思い出した。
「そうだ…!ディン…!」
夢子は瞳をとじ神経を集中させながら詠唱を唱え始めた。
そしてネックレスに誓いの口づけをした。
夢子「我が名は夢子…汝に炎の力を我に与えよ…!ディン、私に力を!!!」
リンクとダークがサラの攻撃に蹌踉めく。
サラ「全員死ぬがいい!!!」




夢子「「「紅 蓮 の 炎!!!!」」」



夢子の詠唱が終わるとサラを炎の渦が包み込んだ。

サラ「いやああああああああああああ!」
炎の中で苦しむサラ。
そして最後の力を振り絞ろうとする。

サラ「夢子…!この城ごと破壊してやるうううう!」

サラは夢子に向けて最大級の魔力を貯め始めた。

サラ「皆消えてなくなれ!死ねえええええええええええ! 」







ザクッ・・・・・・・・・・・!




サラの動きが止まった。
その胸には一本の剣が刺さっていた。
ダークの剣だ。

サラ「…ダーク…さん…。」
ダーク「…もう無理すんな。」
サラ「私はまだ貴方と一緒に…いた…い…。」
サラは涙を流し、ダークに手を伸ばすとそのまま力尽きてしまった。
















ダーク「サラ…ごめんな…。」


ダークは最後にサラの手を握り締めた。







【いいね!!】




[ 55/508 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]