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第54章【繋がった心と体】

この章も15禁です。
15歳未満とエロに抵抗のない方は閲覧をおすすめしません。
次章に飛ばしてもいいです。





































夢子はスマブラ城の階段を駆け上がっていた。
向かうのはリンクの部屋。
いつもより階段が長く感じる。
登っている途中、サラが階段の手すりに持たれて立っていた。
夢子「サラ…!」
サラ「リンクさんなら相当ショック受けてるわよ。
   今頃精神崩壊してるんじゃないかしら。アハハハ!」
夢子「なんで貴女はそこまで…。」
サラ「好きな人を取られた気持ちお姉さんにも思い知らせたかったのよ。」
夢子「私は奪ったつもりは…。」
サラ「白々しいわね!…昨日の夜はダークさんと一緒に過ごしたんでしょ?」
夢子「…!」
サラ「リンクさんにも確かめてもらったわ。だからリンクさん、相当狂ってるはず…あー楽しいわ!」
夢子「貴女…。」
サラ「お姉さんも確かめれば?リンクさんがどれだけ傷ついてるかを…!」
夢子「ッ…!どいて!」
夢子はサラを突き飛ばすと急いで階段を駆け上がった。
後ろではサラの狂った笑い声が聞こえてくる。
夢子「狂ってるのは貴女の方よ…サラ…!」













息を切らし、夢子はリンクの部屋の前へとたどり着いた。
いつもならノックをする夢子だったが今回は勝手に扉を開けた。
部屋の中には電気もつけずベットに座り込んで顔を伏せているリンクがいた。
夢子が声をかける前にリンクが声を出した。

リンク「夢子さん…。…来たんですか…。」
夢子「リンクさん…!私…私…!」
今までのことが脳裏に過り、夢子の瞳からどっと涙が溢れる。
夢子「リンクさん…ごめんなさい…!」
リンク「俺が悪いんです。俺がもっと警戒していれば…こんな事になるなんて…!」
リンクは歯を食いしばる。
リンク「夢子さんを…孤独に追いやったのは俺です。
    だから昨日はあんな事に…!
    俺が夢子さんを傷つけてしまった…俺は最低な男です…。」
夢子「そんな事ない…そんな事ないですよ…!
     私がもっと気持ちを強く持ってたら…あんなに傷つくこともなかったし
     リンクさんも傷つけることはなかった… !」

ガバッ!
リンクは急に立ち上がると夢子を抱きしめた。
リンク「ごめん…。」
夢子「リンクさん…!」
溢れる涙が覚醒への道筋を開いていく。
夢子の手足は覚醒のアザで完全に青くなった。
夢子「泣きたくないのに…泣きたくないのに…!」
リンク「夢子さん、大丈夫、俺がついてますから…。」
リンクは夢子の首筋を見た。
そこにはダークの残したキスマークがあった。
リンク「・・・。」
リンクは突然夢子の首筋にキスをした。
夢子「!?リンクさん!?」
リンク「ほかの男の匂いのする夢子さんなんて嫌です…!
    俺が…俺が全部上書きします…!」
二人はそのままベットへと倒れ込んだ。
夢子「リンクさん…!」
リンク「好きです。夢子さん。ずっと前から…ずっと前から言いたかった…!」
夢子「私もリンクさんの事が好きです…!」
リンク「こんな形で一緒になるなんてどうかしてるけど…俺は俺の気持ちに正直になります…!」
リンクは夢子にキスをした。
ほんの5秒間だけ。
でも二人にとってはとても長い5秒間だった。
夢子「私、リンクさんと離れたくない…。」
リンク「俺もです。」
夢子「抱いてください…リンクさん…。」
夢子は虚ろな瞳でリンクに訴える。
リンクはついに理性を切らした。
リンク「夢子さんっ…!」
互を強く強く抱きしめ合う。
そして二人は何度も愛を確かめ合った。
リンク「夢子さん、泣いてるんですか?」
夢子「これは…嬉し泣きですよ…リンクさん… 。」
リンク「俺もやっと一緒になれて嬉しいです。」
夢子「リンクさんはいつから私のこと好きになったんですか?」
リンク「初めて会った時から気になってましたよ。」
夢子「アハハ、私もだ。」
二人は見つめ合い微笑む。
そしてもう一度キスをした。
今度は長く、長く…。










ダークはサラと対面していた。
ダークの表情は笑ひとつ無い。
怒りが頂点に達しているからだ。
サラ「ダークさん、怒ってるの?」
ダーク「怒るもなにも無いだろ。お前自分のしてることがわかるのか?」
サラ「ふん…あの女にも同じ気分を味合わせてやりたかっただけよ。」
ダーク「お前最低だな。」
サラ「なんで貴方までそんな風な目で私を見るの… !?」
ダーク「お前は汚れている。」
サラ「・・!」
ダーク「心根が腐ってる。根性も性格もすべてだ。」
サラ「酷い…なんでそこまで言うの?」
サラは涙を流し始めた。
ダーク「嘘泣きすんなよ。」
サラ「嘘じゃないもん…サラは…サラはダークさんに振り向いて欲しかっただけだもん…!」
ダーク「だからってここまでするのは異常だろ!夢子も時の勇者もどんな気持ちだか…!」
サラ「貴方は時の勇者を恨んでるんじゃないの?」
ダーク「ああ、恨んでるさ。今でも憎い。だがな、俺はお前のように心理だけで動くような人間じゃない。」
サラ「おかしいのは貴方のほうよ。私がこれだけ思ってるのにこれっぽっちも見てくれない!」
ダーク「タブーの城にいた時はお前のことイイやつだと思ってたよ。だがな、今はそんな気持ちゼロだ。」
サラ「…わかったわ。貴方の気持ち、理解した。だからすべてをここで終わらせる…!」
ダーク「…何をする気だ…?!」







リンクと夢子は抱き合っていた。
今までの歯がゆさをすべて忘れ去るかのように。
リンク「ハア…ハア…夢子さん…愛しています…。」
夢子「私もです…リンクさん…。」
リンク「痛くないですか?」
夢子「大丈夫…キモチイイです…っあっ…!」
リンク「俺もそろそろイキますっ…うっ!」
二人の愛は強く結びあった。
手を手を絡め強く握り締め合う。
もう誰にも引き裂かれる事のないくらいの強い愛。
互いに抱きしめ合い互いにその愛を感じあった。
リンク「…ふう…夢子さん、大丈夫でしたか?」
夢子「…はい…リンクさんの胸とても温かくで居心地が良かったです。」
リンク「俺たちやっと結ばれたんですね。」
夢子「ええ…!やっと心を分かち合う事ができました…!」
リンク「…このことはマルス達には内緒ですよ?」
夢子「当たり前じゃないですか!言ったら大変なことになりますよ…いろんな意味で…。」
二人は顔を見合わせて笑った。
心の底から湧き出てくる本物の笑顔で。
その時だった。

リンクの部屋の扉の前から大きなピットの声が聞こえてきた。
ピット「リンク!いる?!」
リンク「あ…夢子さんは静かに居ないフリしててくださいね。」
夢子「はい…。」
扉の前へ移動したリンクは扉越しで返事に答える。
リン ク「いますよ。どうしたんですか?」
ピット「サラが大変なんだよ!1階のフロアで暴れてるんだ!」
リンク「…なんだって!?」
ピット「とにかく急いで来て!いろいろワケのわからないこと叫んだりしてるから!」
リンク「…わかりました。すぐ行きます。」
ピットの足音が遠ざかるのを確認するとリンクが夢子の顔を見る。
リンク「夢子さんも一緒にいきますか?」
夢子「勿論行きます!私にも責任がありますし、…あの子は本当は可哀想な子なのかもしれないから…。」
リンク「じゃあ着替えて行きましょう!」
夢子「はい!」







【いいね!!】





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