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第52章【悲しみと陰謀】




「おい、大丈夫か?」
夢子の背後で声がした。
振り返るとそこにはダークが立っていた。
ダーク「…お前、泣いてるのか…?」
夢子「う…うるさい…あっちいって…!」
ダーク「何があったか分からないがこんなお前を一人にしておけない。」
夢子「うう・・・うわああああん!」
夢子はダークの胸に飛び込んだ。
夢子「リンクさんとサラが…リンクさんがサラと…!」
泣き崩れる夢子をダークは優しく抱きとめた。
ダーク「サラのやつ、やっぱり何かしたか…。」
夢子「うう…!」
ダーク「泣くな。お前らしくないぞ。」
夢子「…私だって泣きたくなんか…ううっ……!」
ダーク「…来い。 さっきも言ったがこんなお前を一人にはできない。」
夢子はダークに寄り添いながらダークの住んでいる家に向かった。










サラ「チッ・・・!あの女・・・!」
サラは透視をしていた。
ダークが夢子に声をかけるところを見ていたのだ。
しかし映像が途切れる。
サラ「力が消えかけてるのか…。」
リンク「貴女は何を企んでるんですか?」
サラ「何?」
リンク「さっき俺の事好きって言ってましたけど…あれは嘘ですよね?」
サラ「・・・。」
リンク「なんでこんな事するんですか?」
サラ「あの女を懲らしめたいだけよ。」

パチンッ!


リンクがサラの頬を強く叩いた。
その音は高らかに響く。

リンク「そんな理由で俺に迫ってきたんですか!?」
サラ「痛いわね…!なにすんのよ!」
リンク「それはこっちのセリフです!人の気持ちを弄ぶなんて最低極まりないですよ!?」
サラ「…お姉さんとダークさんのことは嘘はついていない。」
リンク「何を…!?」
サラ「今、お姉さんとダークさんはダークさんの家に向かってるはずよ。」
リンク「!?」
サラ「信用できないなら自分の目で確かめてみたら?ウフフフフ・・・!」
リンク「俺は貴女を許さない・・・・!!!」
サラ「アハハハハハハハ!」











ダークと夢子はダークの住んでいる家の中にいた。
テーブル越しに座るとダークは夢子に温かいココアの入ったカップを渡した。
ダーク「こんなもんしかないけど。」
夢子 「…ありがとう…。」
ダーク「…少しは落ち着いたか?」
夢子「うん…。」
ダーク「思い出すの辛いだろうが…サラは時の勇者に何をしたんだ?」
夢子「…キス…。」
ダーク「アイツ…最低だな。」
夢子「まさかサラがリンクさんの事好きだなんて…。」
ダーク「それは偽りの愛だな。あいつは時の勇者のことなんてこれっぽっちも思っちゃいないぜ。」
夢子「…!そうなの!?」
ダーク「あれはお前に対しての嫌がらせだ。」
夢子「そんな…なんでそんなことを…。私が彼女のこと思い出せないから!?」
ダーク「違う。」
夢子「私が何か気に障るようなことしたから?!」
ダーク「まあ…似てるが違う。」
夢子「じゃあ何…!?」


































ダーク「俺がお前のこと好きだからだよ。」






【いいね!!】






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