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第50章【真の裏切り者は誰?】





会議室を出た後、リンクとピットとマルスとアイクは城庭のベンチで会話をしていた。

ピット「なんだかホント混乱するねー。」
アイク「本当だな。まさか夢子に兄弟がいるだなんてな。」
マルス「なんか夢子に似て可愛いよね〜!」
ピット「あー!マルス浮気する気だー!」
マルス「可愛い子に可愛いって言って何が悪いのさー!僕は正直に言っただけだもん!」
ピット「この女たらしー!…僕も可愛いとおもうけど…」
マルス「何をー!?人に言えないじゃないか!」
アイク「どうしたリンク。」
リンク「…?何がですか?」
アイク「さっきから黙っているから気になってな。」
リンク「…あのサラって子、変わってるなーと思って。」
マルス「あー!まさかリンクまでサラの事気にしてるのー!?」
リンク「そういう意味じゃ…」
マルス「あ!夢子!」
マルスが見る方向に夢子が歩いてやってきた。
夢子「皆さん…!」
ピット「ダーク、家に連れてったの?」
夢子「はい…。後はサラが付き添ってるみたいです。」
マルス「なんかサラってダークと何か関係あるのかな?」
ピット「どういう意味?」
マルス「さっき会議室ですごくダークのこと引き止めてた感じがしたから。」
ピット「そうかなー?僕はわかんないや。」
アイク「まあ、2人で何か話す事もあるかもしれないな。同じ亜空軍にいた者同士。」
リンク「・・・。」
夢子「ダーク、足の怪我大丈夫でしょうか…私 が応急処置したままですから…。」
リンク「あとでマリオさんに見てもらいましょう。」












城の外れの家ではダークとサラが会話をしていた。
その空気はとても重い。
先にダークが切り出した。
ダーク「…なぜお前がココにいる?」
サラ「・・・。」
黙るサラに鋭く追求するダーク。
ダーク「…タブーの命令だな?」
サラ「なぜタブー様に逆らうの?」
ダーク「逆らっていない。あいつが俺を裏切ったんだ。」
サラ「タブー様はまだ貴方を見限っていない…今だって心配しているのよ?」
ダーク「…どういう意味だ?」
サラ「タブー様が参戦者と一緒に亜空間へ落としたのは貴方の信頼を買うため。」
ダーク「…!?」
サラ「そして案の定お姉さんは貴方を信用した。全部作戦通りだわ。」
ダーク「…お前は今、ここの参戦者を騙しているのか?」
サラ「そうだとしたら?」
ダーク「…俺は一度裏切られた相手を2度信用するほど生優しくはない。」
ダークの返事を聞いたサラは怒鳴り声を上げる。
サラ「タブー様を裏切るの!?」
ダーク「だから裏切ったのはアイツの方だって言ってるだろ!何度言ったらわかる!?」
ダークも負けじにと大声を張り上げる。
サラ「…お姉さんね…。」
ダーク「…は?」
サラ「貴方はお姉さんに心を許してしまっている…あの女が・・あの女が・・・・!!!」
サラの表情が一変して変わった。
その目は殺意に満ちている。
ダーク「お前何馬鹿なこと言ってんだよ?」






サラ「貴方はお姉さんの事を好きになってしまったのよ!」




ダークの表情も歪む。
ダーク「…お前頭可笑しいんじゃね?」
サラ「私にはわかる…!全部透視してたもの…!」
ダーク「・・・。」
サラ「貴方の気持ちが揺らいでいるのも全部解るの!」
ダーク「ククク…ああそう。…じゃあそれがどうした?」
ダークの思いがけない返答に戸惑うサラ。
サラ「!?」
ダークは胸を掴み、自分自身に言いかける。
ダーク「そうか、これが人を好きになるって気持ちなのか。」
サラ「貴方のほうが可笑しいわ…狂っている…!」
ダーク「狂ってるだと?なぜお前がそこまで俺に関して追求してくる必要がある?」
ダークの問にサラははっきりとした声で答えた。



















サラ「だって…私は貴方のことが好きだったから…!」





ダーク「!?」
サラ「亜空軍にいた頃からずっと…ずっと好きだった…。
   貴方と一緒に居たいと思ったからタブー様に忠誠を誓った…。
   そして今『スパイ』として、貴方を呼び戻すため私はここにいる。」
ダーク「・・・。」
サラ「でも…貴方が心を許してしまったのはあの女…。
   許さない…私をゴミクズの存在にして尚且つ大切な人までも奪ったあの夢子を…!
   私は絶対許さない…!」
ダーク「サラ…お前…」
サラ「私は亜空軍に貴方を必ず連れ戻す。そして夢子を覚醒させる。
   まあ、どうせ覚醒しないでタブー様が敗れたとしてもあの女は死ぬだけだもの。」
ダーク「どういう事だ…?」
サラ「私はゴミクズ…でも夢子は翼のコア。コアにはどっちにしろ死ぬ運命しか待っていない。」
ダーク「…お前に参戦者を止めることは出来ない。」
サラ「そんなのやってみなくちゃ解らないじゃない。
   …私は任務を無事遂行させて貴方と共に帰る。」
ダーク「アイツ等にお前のこと全部話…」
サラ「フフフ、今まで敵だった貴方の言うことなんて誰も信じないわ。」
ダーク「お前…汚ぇぞ…!!」
サラ「タブー様の覚醒を終わらせて二人で一緒に新世界を眺めましょう?約束よ?
その前にお姉さんをを苦しませなきゃ…!」


そういい残すとサラは家から出て行ってしまった。
ダーク「待て…!まだ話が…!クッ…足が思うように動かねぇ…」
ダークは痛みに歯を食いしばりながら遠ざかるサラの後ろ姿を見ていた。
ダーク「ちくしょう…アイツ何考えてんだ…!?」






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