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第49章【生還】







薄暗いゲートはトンネルのように続いていた。
その中を歩くリンク達。
夢子はダークの肩を組んで、ダークは足を引きずりながら歩いていた。
リンク「あ!あそこに光が見えてきましたよ!」
ピット「本当だ!」
マルス「行こう!」
その道のりは短いようで遠かった。
ゲートの最後の道を進むと一行は光に照らされた。

パアアア・・・・!


眩しくて閉じた目を再び開けるとそこには懐かしい城が見えた。
そう、あのスマブラ城だ。

ピット「やったー!城だよ!城が見える!」
マルス「僕たちやっと帰ってきたんだね!」
アイク「久しぶりの空気だな。」
リンク「夢子さん!やっと戻って来れましたね!」
夢子「はい っ!」
ダーク「・・・。」





マリオ「おーい!」
ポポ「リンクお兄ちゃん達が帰ってきたよー!」
ナナ「ほんとだー!」
ピーチ「夢子ちゃんー!」
城の前から懐かしいマリオ達の声が聞こえてきた。
リュカ「皆さん無事ですか?!」
マルス「みんな無事だよー!」
リュカ「よかった…!所でそこにいるのは…!?」
リュカがダークを見て口を開ける。
ダーク「・・・。」
ピーチ「サラちゃんが言ってた通りのようね。ダークが共に行動してるっていう話は。」
ピット「ねえ、…『サラ』って誰?」
ピーチ「紹介するわ。この子のことよ。」
ピーチが奥へ引き下がるとその少女は姿を現した。
ダーク「…やはりお前だったか。」
今まで黙っていたダークが突然口を開け る。
サラ「久しぶり、ダークさん。…そして皆さん初めまして。お姉さんは私のこと覚えていますか?」
夢子「お姉さんって…私のこと?」
戸惑う夢子に続けて答えるサラ。
サラ「…覚えていないようですね。私はサラ。タブー様の片翼の欠片です。この事を聞いても思い出しませんか?」
夢子「ごめんなさい…。」
サラ「そうですか。」
ピット「片翼って…夢子と一緒って事!?」
サラ「一緒ではありません。彼女とは価値が違います。」
マルス「うーん、要するに君は夢子と兄弟ってこと?」
サラ「似たようなものですね。」
アイク「だから顔もそっくりなのか…ちょっと混乱するな…。」
マリオ「詳しい話は城の中でしよう。話も長くなりそうだしな。」










スマブラ城の会議室に夢子達は呼ばれた。
大きなテーブルに椅子がいくつも並んでいる。
そして一番大きな椅子にはあの人が座っていた。
マスターハンドだ。

夢子「マスターさん!」
マスターハンド「夢子、それに皆久しいな。無事生還して安心している。」
リンク「早速本題に入りますが、彼女は…サラは一体何者なんですか…?」
マスターハンド「本人から直接聞いただろう?」
マルス「夢子の兄弟なんでしょ?でもなんで彼女がここにいるんだい?」
マスターハンド「彼女は森の祠のあるあの森の中で倒れているのをクレイジーハンドが見つけたんだ。
        衰弱していたようで我々が保護したのち、今に至る。」
夢子「クレイジーハンドって誰ですか?」
マスターハンド「私の双子の弟だ。」
ピット「クレイジーは名前のとおりクレイジーなんだよ〜。」
マスターハンド「…ゴホン。」
ピット「すいません!」
マスターハンド「それでだ。サラは夢子と同じ境遇。我々はこの城で引き続き保護をする決断を下した。
        因みに君たちを亜空間から救うためにゲートを開いたのはサラだ。」
アイク「そうだったのか…!ありがとう、おかげで助かった。」
ピット「ありがとう!」
マルス「ありがとうサラ!」
リンク「ありがとうございますサラさん。」
夢子「あの…私…貴女のこと思い出せなくて…ごめんなさい…。」
サラ「お姉さんが謝る必要はありませんよ。」
ダーク「・・・。」
マスタ ーハンド「ダークと言ったかね。君は。」
ダーク「ああ。」
マスターハンド「タブーに騙されていたようだね。その事は不憫に思うよ。
        居場所がないなら此処にいてもいいんだぞ。」
ダーク「俺は…この城には入れない…。」
ダークがマスターハンドの誘いに断りをいれると急にサラが反論し始めた。
サラ「…なんで!?一緒に居ようよ!?」
ダークはサラから目を逸らす。
ダーク「…お前には関係ない…。」
サラ「関係あるよ!だって私は…」
マスターハンド「無理にとは言わないさ。この城のすぐ近くに小さな家が空いてある。
        そこにしばらくの間そこにいるといい。」
ダーク「・・・。」
サラ「そうしてよ…お願い…。」
ダーク「…タブーを 倒すまでの間だからな。」
サラ「そう・・・。」
タブーと聞いて目つきが変わったサラに気づくものは誰もいなかった。






【いいね!!】

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