第5章【出会いU】




しばらく歩いているとまた前から人影が現れた。
その人影を見るとリンクはまたもや後ずさる。
表情があっという間に拒む。
リンク「…やばい。」
夢子「どうかしたんですか?」
リンク「一番厄介な人達がやってきました…はあ…。」
夢子「…?どうしてですか?」
リンク「それは…」
リンクが理由を言おうと口を開いたその時だった。
???「あ、リンクじゃないか〜!」
???「…久しぶりだな。」
???「なーんだ、元気そうでつまんないや。」
前方から歩いてきたその人影はリンクに次々と声をかける。
リンクはあまり嬉しくなさそうに早口で答える。
リンク「久しぶりですね。はい、邪魔ですよ。そこ退いてくれませんか?」
???「わっ、何その子、超可愛いー!」
???「君は僕が見てない所で…気が抜けないな…。」
???「…不覚…。」
リンクの話を聞かない3人組。
戸惑いながら夢子は聞いた。
夢子「あの…この人達は?」
リンク「こいつ等は…」
リンクが話そうとすると口をはさむ青髪の青年。
マルス「僕はマルスだよ!君なんて名前?今夜一緒にどう?」
ドンッ
青髪の青年は羽の生えた少年に突き飛ばされる。
マルス「いきなり何するんだいピット君!」
ピット「お前がヘンタイ発言するから悪いんだ!!あ、僕はピット!」
そんな2人の間から割って入ってくる一番背の高い青年。
アイク「…アイクだ。よろしく。」
リンク「はあ…ホント君たちだけには会いたくありませんでした。」
大きなため息をつきながらリンクはつぶやく。
そんなリンクにムッっとした表情でつっかかるピット達。
ピット「そんな言い方はないじゃないかよー。」
マルス「ところでなんで君はこんな美少女とランデブーしてるんだい?怒るよ?」
アイク「…俺も。」
リンク「夢子さんは怪我してるんです!ほら、さっさと退いた!」
アイク「…夢子と言うのか。」
ピット「名前も可愛いー!ああ…パルテナ様、これは運命ですよね!?」
マルス「まあ、赤い糸は僕と繋がってるんだけどね。」
次から次へと会話が流れる中混乱する夢子。
夢子「…な…なんなんですか一体。」
リンク「こいつ等の事は無視して構いませんよ。と、いうか無視してください。」
無表情で答えるリンク。その表情は少し怖い。
ピット「無視することはないだろー?な、もっとその子の事紹介してよー。」
マルス「ピット君はまだまだお子様だなぁ。」
ピット「なんだとー!」
マルス「紹介してもらうんじゃなくて自分から仲良くならなくちゃ。僕みたいにね。」
ピット「自分だってまだ初対面なくせに〜!」
アイク「おい…怪我、してるんだろ。通してやれよ。」
リンク「君達2人はアイクさんを見習ってください!行きましょう夢子さん。」
リンクは夢子を強く抱きかかえると一気に前方へダッシュした。
マルス「あ、待ってよ〜。そんなに逃げなくてもいいじゃないかー。」
ピット「あとでお見舞い行くからねー!」
アイク「・・・。」



リンク「はぁ…はぁ…やっと着きました…。」
夢子「だ…大丈夫ですかリンクさん。」
リンク「城が広いとこういう時不便ですね…俺なら大丈夫ですよ。
    さっきはほんと迷惑かけましたね。ぶっちゃけ参戦者はああいう変人ばかりなんですよ。」
夢子「びっくりしたけど…面白い人達でしたね!」
リンク「(やっぱり鈍感なんだ…)さ、ここが医務室です。」
木の扉には『医務室』と掛け軸がかかっている。
ガチャ…キィィィ…
リンク「あ、マリオさん、もう着てらしたんですね!」
マリオ「緊急事態だから慌てて準備したよ。」
夢子「あの…夢子です。」
マリオ「夢子さんか、まあそこに座って。」


数分後・・・


マリオ「うむ…全身打撲ってところかな…奇跡的に骨は折ってないようだ。
    運がよかったな、夢子さん。」
夢子「そうですか…丁寧に見てもらって有難うございます!」
深々とマリオに頭を下げる夢子。
その姿を見てにっこりほほ笑むマリオ。
マリオ「ハハハ、礼儀のいいお嬢さんだ。」
夢子「それではこれで…。」
リンク「夢子さん!?何処に行く気ですか?!」
夢子「全身打撲ならなんとかなります…それに…私が此処にいるとダメなんです…。」
マリオ「誰がダメだと決めたんだい?君はしばらく安静にしていたほうがいい。
    なーに、俺達に迷惑がかかるとかそういう心配は無用だ。安心してゆっくり休みなさい。」
夢子「でも…。」
リンク「マリオさんもこう言ってるんです。勿論俺も、他の参戦者たちも迷惑だなんて一切思ってませんよ。」
夢子「迷惑じゃなくても居てはいけないんです…。」
マリオ「何か、深い事情があるみたいだね?良ければ話してくれないか?」
夢子「…それは…。」
ガチャッ!!
夢子が口を開こうとしたその時、突然扉が開いてゼルダが飛び込んできた。
ゼルダ「大変よマリオさんにリンク!!城外から何者かの攻撃を受けてるわ!」
マリオ「なんだって?!」
夢子「やっぱり…アイツ等が来た…私は此処にいては行けない…!」
リンク「夢子さん?!」
夢子はボロボロの身体にムチを入れ全力で駆け出し、医務室から飛び出した。
夢子「此処にいる皆には絶対に手出しさせない…!」



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