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第48章【和解】




リンク達は夢子の小屋へ向かって森を歩いていた。
霧は相変わらずあるが、視界を奪うほどではない。

リンク「夢子のいる小屋の側には大きな大木と小さな池があるそうです。」
ピット「見えてきた!あれかな?」
マルス「いよいよだね…ダークと会うのタブーと会ったとき以来だね。」
アイク「慎重に行くぞ…!」






小屋の中ではダークが急に立ち上がった。
そして手に剣を掴む。
夢子「!?どうしたのダーク!?」
ダーク「アイツ等が来た…。」
夢子「アイツ等ってリンクさん達のこと?!」
ダーク「…俺は出て行く…。」
夢子「無理よそんな体で!それにリンクさん達は何もしないわ!」
ダーク「なぜそうわかる?」
夢子「私が説得する。」
ダーク「…!」
夢子「私が貴方のことは説得するから、その代わり貴方は乱暴な口のききかたしないで。わかった?」
ダーク「・・・。」

コンコンッ

小屋の扉にノックが響く。
ダークは部屋の隅に行き、夢子は扉をゆっくり開ける。

ガチャッ・・・

夢子「リンクさん!」
リンク「夢子さん!無事そうでよかった!」
ピット「僕達もいるよー!夢子リンクばかりに目が行き過ぎ!」
マルス「そうだよー僕嫉妬しちゃう!」
アイク「中に入っていいか?」
夢子「どうぞ。」

小屋の中のダークの表情が歪む。
剣はまだ鞘におさめていない。
リンク達が小屋の中へと入ってきた。
ダークは相変わらず鋭い眼光でリンクを睨みつける。


リンク「ダーク…。」
ダーク「…よう、時の勇者。元気そうだな。」
不穏な空気が小屋を流れる。
夢子「ダーク、剣を閉まって。リンクさん達もそんなに警戒しないで。」
夢子の言葉に促されダークは剣をしまい、リンク達も警戒心を解いた。

夢子「そう。まずはダーク。貴方からちゃんと話して。」
ダーク「・・・。」
夢子「ほら、早く。」
ダーク「…俺はタブーの奴に裏切られて今はあいつを倒すためにコイツと手を組んでいる。」
ピット「夢子の言う事本当だったんだね…驚いた…。」
ダーク「だからお前らとも戦う意思は今はない。」
マルス「『今は』って…これから先また戦うかもしれないの?」
ダーク 「…それはお前ら次第だ。」
アイク「案外話が纏まり易いな。リンク、お前からもいうことがあるんだろ?」
リンク「・・・。」
ピット「リンク!」
リンク「ダーク、今まで…その……」

リンクが言いかけたその時だった。

バタンッ!

小屋の扉が急に開いた。
外には誰かがいる様子はない。
しかし外の景色が先程とは違う。
夢子「…!?これは一体…!?」
息を呑む一同の中でダーク一人が冷静だった。
ダーク「これは『ゲート』だ。」
ピット「ゲートって?」
ダーク「外の世界に繋がっている。誰かが亜空間にゲートを繋いでいる。」
マルス「ってことは僕たち助かるの!?」
アイク「これでやっと城にも帰れるな。」
リンク「皆さん行きましょう!ゲートが閉じる前に!」
ゲートへと進むリンク達。
しかし小屋の中にダークは残ろうとしている。
夢子「ダーク!何してるの!?早く行かないと…!」
ダーク「俺はここに残る。」
夢子「何言ってるの!?」
ダーク「光の世界に俺の居場所はない…だから…」
ダークが言いかけたその時、
夢子がダークの腕を掴む。
夢子「居場所なら私が作る。」
ダーク「…!」
夢子「だから行きましょう!貴方を温かい光の世界へと誘ってあげる!」
ダーク「フッ…本当に…つくづくお前はお節介だな…。」

夢子はダークの腕をひっぱりリンクたちと一緒にゲートへと進んだ。
歩きながらダークが呟く。




ダーク「…このゲートは…サラか…。」
夢子「何か言った?」
ダーク「 …なんでもねぇよ。」






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