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第47章【心の変化】
リンク達と会ってから一夜明けた朝。
夢子は朝早くから森の中で何かを探していた。
夢子「…あった!薬草!」
夢子はダークの傷が早く癒えるようにと薬草を探していたのだ。
木の陰に少しだけ生えているのを見つけ、急いでバケツの中へと入れる。
夢子「これで少しは良くなるかしら…。」
夢子は小屋へと戻った。
小屋の中ではダークが剣を磨いていた。
その刃は鋭利で鋭く、黒く光る。
夢子「その剣もマスターソードなの?」
ダークは帰ってきた夢子に気づく。
ダーク「俺にとってはマスターソードなんかよりも特別な闇の剣だ。
まあ、強さはあれと然程変わりないのだろうがな。」
夢子「そう…。あ、薬草採ってきたの!今から調合するから…。」
夢子は小屋の棚から古びたすり鉢をとると薬草を磨り潰し始めた。
ダーク「なんだか俺おかしくなって来たのかな。」
夢子「どうしたのよ急に。」
ダーク「また人を信じようとしている気がする…。」
夢子「きっと…変わろうとしているのよ!」
ダーク「夢子…お前なら信用できるかもしれない。」
夢子「…!」
ダーク「頭狂ってきていやがる…俺ほんとおかしいわ。ククク、笑いが出るだろ?」
夢子「そんなことない…!私、気づいてたもの。
貴方がタブーの元にいたときとは少しづつ変わってきてるって!」
ダーク「お前の能天気が移ったな。」
夢子「能天気で悪かったわね 。」
夢子は薬草の調合を終えるとダークのもとへ駆け寄る。
夢子「これを傷口に塗ればすぐ治るわ。」
巻いていた包帯を外す。
傷口からは未だに出血がある。
夢子は傷口へ調合した薬草を塗りつける。
ダーク「痛ぇ…。」
夢子「はい!終わり!これでしばらくしてたら治るから後は今まで通りに安静にして!」
ダーク「動けないのってほんときついな。気が狂いそうだ。」
夢子「そんな事言わないで。貴方は大事な戦力なんだから。」
ダーク「…そんな風に言ってくれたのはお前が初めてだ。」
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ピット「夢子大丈夫かなー。」
リンク達は湖の畔で朝食をとっていた。
マルス「ダーク、今度は何考えてるんだろねー。」
アイク「怪我してるなら大それた事は考えてはないとは思うが慎重にいかないとな…。」
ピット「リンク?どうしたの?焼き魚食べないの?」
ピットに声をかけられてハッっと我に返るリンク。
リンク「あ…すいません。ちょっと考え事してました。」
アイク「リンク、昨日からお前ちょっと可笑しいぞ。」
マルス「そうだね。しょっちゅうボーッとしてるっていうか。」
リンク「…ダークがああなったのは俺のせいでもあるかもしれません。」
ピット「え…それってどういう事?!」
リンク「あいつは俺の影です。俺が…生み出したようなものです。」
マルス「そういえば前から聞こうと思ってたんだけどリンクとダークってどういう関係なの?」
リンク「俺が時の勇者と呼ばれ始めた頃、あいつは魔の手から送られてきたんです。
…俺を殺す目的で。」
マルス「じゃあ最初から敵だったんだね。」
リンク「あいつは俺をコピーしたかのように性格以外はほぼ俺に似てます。
…そのせいであいつは色々あったみたいなんです。」
アイク「訳ありみたいだな。」
リンク「何があったか詳しくは知りませんが、風の噂で聞いたことがあるんです。
とある村で俺の偽物がいて村人全員で叩きのめした、と。」
ピット「それってダークのこと!?」
リンク「恐らく…。」
マルス「じゃあダークがリンクの事恨むのも解る気がするなぁ…だって本人は村人には何もしてないんでしょ?
それで暴力振られたらたまったもんじゃないよ。」
リンク「だからダークは俺のことを本当に殺したいほど憎いはずです。」
マルス「でもリンクは悪くないよ。だってリンクだって何もしてないでしょ?」
リンク「そうですが…。」
アイク「あまり深く考え込むな。一度アイツとも話せば何かが変わるかもしれない。」
リンク「はい…。」
ピット「じゃあ食事も終わったことだし、夢子の所に行って話聞いてみる?」
リンク「あまり行く気がしませんが…。」
マルス「きっと大丈夫だよ。夢子が信用してるって事ならアイツも前とは変化があるかもよ?」
アイク「そうだな。夢子の事を信じよう。」
リンク「…分かりました。行きましょう!」
こうしてリンクたちは食事を終えると夢子の元へと行くことにした。
決断をしたリンクだったが気持ちは揺らいでいた。
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