74

夢子は薄っすらと目を開けた。

夢子《…私は一体…》

開いた目に最初に映り込んだのは丸い満月だった。

夢子《…ここ…何処…?》

段々視野が広がってくる。
夢子は外に居た。



【74=不意打ちが多すぎるんです】※ちょいero注意








夢子《うーんまだ頭がボーーッとする…》

そして気づく。
ここはマンションの近くの公園だ。
よくここでわたあめと遊ぶので直ぐに分かった。

そして、夢子は休憩スペースのベンチに寝かされていたのだ。

夢子《私…最上階に行って…鍵返そうとして…ハッ!!アルフレに突然変なスプレー掛けられて…!!》

思い出して表情が途端強張る夢子。


夢子「あの変態ドSサイコパスーーーー!!!!(激怒)」


ベレト「夢子…?!」


大声を出し突如起き上がった夢子に隣にいたベレトが驚く。

夢子「あ…せ、先生!?」
ベレト「大丈夫か…?!」
夢子「私は一体…何でこんな場所に?何で先生も居るの…?」
ベレト「ああ‥‥話せば長くなるが…簡潔に話そう。」







遡る事1時間前。

アルフレは夢子をまんまと部屋の中に監禁することに成功した。
夢子は睡眠スプレーを掛けられて眠ってしまっていた。

アルフレ「フフフ、喋ってる君も魅力的だけど寝ている君も可愛いね。」
夢子「…。」
アルフレ「でも完全に寝たら…喘ぎ声聞けないね?」
夢子「…。」
アルフレ「いつもならここで噛みついてくるだろうけど、本当に眠っちゃったんだね。
     寝顔もとっても可愛いね…恐怖に歪む顔はもっと素敵だけど。
     さあ、何をしようか?まずは…僕的には目隠しかな。こういうの萌えるんだよねー。
     それと、ロープで…折角だから亀甲縛りってやつでもしちゃおうか?」

そう言うとアルフレは夢子を椅子に座らせて紐で縛り始めた。
何所でこんな知識を得たのだろうか。
情報網の多い現代の恐ろしい所でもある。
知れ渡ってはいけない人物に情報が簡単に行き届くのだから。

夢子「…。」
アルフレ「うーん、やっぱいつも見たく罵声出して貰わないとちょっとヤル気欠けるなー。
     君には僕に対して熱い愛情発言沢山かけて貰わないと?
     でもワガママばかり言ってられないね。」
夢子「…。」
アルフレ「僕服の上から縛るのが好きなんだよねー。着衣プレイってやつ?
     ハアハア…でも…何だかんだ言って興奮するね?…君の身体のラインはとても…ハアハア。」
夢子「んっ‥‥///」
アルフレ「今、少し反応した?可愛いね…君は今どんな夢を見てるんだい?
     夢の中でも僕とイヤらしいことしてたらいいけど、どうせ僕じゃなくてルフレなんだろ?
     でも現実では、大嫌いな僕がイヤらしいことしてるんだよ?ハアハア…最高な話だよね?」
夢子「…。」
アルフレ「よし、縛り終えた。ここからどうするかだよねー。
     まずは反応楽しみたいから、僕の大好きな低音蝋燭かな。色んな場所に垂らして…フフフ、君はどう反応するかな?」

アルフレはガサゴソと机の引き出しをあけると赤くて大きな蝋燭を取り出した。
SMプレイでよく使うやつだ。
にんまりと笑いアルフレは蝋燭に火をつける。
暗い部屋に小さな灯りが光る。
ロウは思いの他溶けるのが早い。
アルフレは夢子の頬にロウを垂らす。


ポタッ・・・・ポタッ・・・

夢子「んンっ!!///」

夢子は寝ているが身体が何か危機を感じ取り反応する。
アルフレは興奮していた。

アルフレ「夢子…良いよ…もっと熱そうな表情して?///」


ポタッ・・・・ポタッ・・・

アルフレは夢子の身体のあちらこちらにロウを垂らして反応を楽しんだ。
夢子は目覚めない。
彼女の反応を楽しんで、遂に自分自身も気持ちよくなりたくなるアルフレ。


アルフレ「そろそろ僕のサンダーソードでもしゃぶってもらおうかな?
     まあ、君は寝てるから勝手に口内使わせて貰うけど。ああ、久々だなぁ…相当気持ちが良いだろうね?…ハアハア…v」

アルフレが自身のズボンのベルトを外しに掛かったその時だった。



ベレト「アイ…ムール!!!!!!!!」
     

ドカアアアアアアアアアアアン!!!



アルフレ「…はぁ゙?」



突然爆音と共にアルフレの鋼鉄のドアが破壊される。
そこには鬼の形相のベレトが立っていた。
頭髪の色が変わっている。
手には魔斧が握られている。
ベレトの背後でブラピが小さくなり震えている。

アルフレの表情が引きつる。

アルフレ「先生…?武器なんか召喚しちゃダメでしょ?何してんの?!」
ベレト「どの口叩いてんだこのキチガイクソマセガキが…。貴様だって召喚しただろうが。」
アルフレ「まさか…僕の要塞を破壊してまで入ってくるだなんて…
     どんだけ夢子の事好いてるんだい…?」
ベレト「全宇宙1だ。」
ブラピ「これ…管理人に何て説明したらいいんだよ…此処まで壊すのは流石にやばい気が」
アルフレ「はー最悪。先生が邪魔してきたせいで折角僕の股間の戦闘力5000万くらいいってたのに今0どころかマイナスだよ。」
ベレト「お前に夢子は渡せない。」
アルフレ「ふーん。じゃあどうする?」
ベレト「お前が武器やら道具やら出してくるならこちらにも手があると言う事だ。」
アルフレ「一体何を…」



するとベレトは懐から茶色くて丸い何かを出した。
そしてアルフレが認識する前にベレトは彼にそれを投げつけた。


夜のタワマン最上階に一瞬眩しい光が放たれる。



ベレトはスマブラの道具のデクの実を所持していた。
それをアルフレ目掛けて投げつけたのだ。
もうこの場ではマスターの権限など関係なかった。
ベレトは完全にキレていた。
武器もアイテムも使いまくる。


思わずアルフレは両手をあげる。
そんなガードではデクの実の光は塞げない。
アルフレはふらふらしてその場に崩れてしまった。
彼の弱点である眩しい光。
それをアルフレは正面から喰らった。
…しばらく戦闘不能だ。
因みに、ベレトの背後にいたブラピまで巻き添えを喰らって気絶した。
許せ、ブラピ。


ベレト「…さてと…。」

ベレトは椅子に座って意識の無い夢子に視線を移す。
その時の彼女は‥‥服を着てるとはいえ目隠しをされ、亀甲縛りで蝋燭のロウを全身に垂らされ余りにも…エロかった。

ベレトはそのヤバ目な光景に一瞬顔を赤面させた。
しかし、深呼吸をして冷静になる。

ベレト「アルフレ…お前の性癖はやはりねじ曲がっているぞ…」

アルフレは先ほどのデクの実がよっぽど効いて気絶して床に転がっている。
目を覚ます様子もなく…流石弱点なだけある。

夢子に括られた硬いロープを外すベレト。
結構固く縛られていて苦戦したので枝切りばさみを持ってきて全て切断した。
‥なんでそんな物が家の中にあるのかはさておき…
ベレトにはこのロープが犠牲になる事は厭わなかった。躊躇いなくちょん切る。
そして全て取り除いた後、眠る夢子。
ベレトは彼女に声を掛ける。

ベレト「おい…夢子。起きろ?」
夢子「…。」

返事のない夢子を見て予測する。

ベレト「はぁ…大方、こいつに何かされたか…。」


するとそこにもう一人最上階の住人が来た。

ベレス「ベレトー!!アルフレちゃんー!!ブラピちゃんー!!夜食沢山作ったからお裾分け…って…


   
    ええええ!?!?どうしたのよこれ…!!家の中穴だらけじゃない!?」


ベレト「姉さん…。」
ベレス「はあ…まさか家の中で大乱闘したの?近所迷惑だから止めなさい?」
ベレト「それは良いんだ。金があれば全て解決する。それより…夢子が…彼女が眠って目を覚まさないんだが。」
ベレス「ん?どれどれちょっと診せて見なさい。」

ツッコミどころの多い会話だが…そこはスルーして
暫くベレスは夢子の状態を見た。
そして直ぐに診断結果を出す。流石天才医師だ。

ベレス「そうねー、強制的に眠らされたかのかしら。睡眠薬飲まされたとかあるいはプリンちゃんの様な技?流石に…それはないわね。」
ベレト「…アルフレの部屋にこのスプレー缶が転がっていたんだが。」

ベレトはベレスに睡眠スプレーを見せた。

ベレス「…あー十中八九それのせいでしょうね。アルフレちゃんてばこんな物何処で入手したのかしら。」
ベレト「俺は…どうしたらいい?!彼女がもしこのまま目覚めなかったら俺は…!!」
ベレス「慌てないの!こういう時は自然に目を覚ますのを待つか…
    そうだ、ベレト、夢子ちゃんを外に連れて行きなさい。」
ベレト「外?」
ベレス「夜風に当って、新鮮な空気を沢山体内に取り込めばすぐ目を覚ますわよ。病気とかじゃないから。」
ベレト「本当か!?」
ベレス「さあ、行きなさい。私はそこの二人の様子見とくわ。
    貴方も禁止されてるのに道具まで使って夢子ちゃんを奪おうとするだなんて
    立派になったわねー?お姉さん感動して涙でちゃうわー。」
ベレト「…じゃあ夢子を連れていく。後は任せた。」
ベレス「あ、言っとくけどこの開いた穴とかの後片付けは自分たちでしなさいよ?私関係ないし?」
ベレト「ああ。」

ベレトは眠っている夢子をおんぶした。





ベレト「…と、いうのが一連の流れだ。」
夢子「アルフレ…私が寝てる間そんな事してたの‥‥!?最低!!」
ベレト「完全に俺の監督不行き届きだ。すまない…」


夢子は首を横に振る。

今日の満月は一回り大きく明るく感じた。




【いいね!!】

[ 297/508 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]