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第46章【疑いの目】
夢子の発言を聞き、固まる一同。
耳を疑うように夢子に聞くリンク。
リンク「今…『ダーク』って言いました…?」
夢子「はい…。」
混乱するマルスは焦りながら言う。
マルス「なんでダークといるの!?…まさか夢子、亜空軍に…!」
夢子「違います!亜空軍にはなってません!」
アイク「どういう事か説明してもらおうか。」
夢子「…ダークはタブーに裏切られて、今はひとりぼっちなんです。」
ピット「アイクが言ってた事当たってたね〜仲間割れしてるって。」
アイク「そうみたいだな。…で、なんでアイツと一緒にいる必要がある?アイツは敵だぞ?」
夢子「…なんだか、可哀想なんです。」
ピット「あんな奴の何処が可哀想なのさ!?今までいろんな人を 傷つけてきた奴だよ!?」
夢子「今までは敵でしたけど、彼も心を入れ替えようとしてるんです。」
リンク「…ダークがこちら側につくとでも言うんですか?」
夢子「私とは一時休戦して今は手を組んでいます。一緒にタブーを倒す戦力になってくれると思います。ただ…」
ピット「?なにかあるの?」
夢子「ダークは私のことを庇って今は傷を負ってます…。余計彼を一人にさせるわけには…。」
リンク「夢子さん、ダークに騙されてませんか?」
夢子「…!?」
リンク「彼の残酷さは貴女もよく知ってるはずです。今までタブーの元にいて亜空軍として行動をして
皆を傷つけてきました。そんなアイツを簡単には信用することはできません。」
夢子「リンクさん…。」
ピ ット「僕もリンクの言うことに賛成だなー。だってアイツ今まで凄かったもん。」
マルス「うん。僕もそう思う。」
アイク「夢子、考えを変えることはできないのか?」
夢子「変えるって…?」
アイク「言い方は悪いが…アイツを見放して俺たちとここから脱出するんだ。」
夢子「そんな…そんな事できません!怪我人放っておくなんて…!」
ピット「うーん、どうしたらいいんだろう。」
リンク「夢子さん。」
夢子「…はい?」
リンク「本当にアイツを信用してるですね?」
夢子「彼は…ダークは今まで色んな人に酷いことされて、人間不信になってるんです。
だからタブーにも騙されてこんな事にも巻き込まれる側になってしまったんです。」
リンク「・・・。 」
夢子「皆さんに理解してもらうには時間が必要なのはわかります。
でも時間が無いんです…お願いです、ダークを、私を信用してください…!」
ピット「…だってさ!どうする?」
マルス「夢子の頼み断るわけにはいかないけど…。」
アイク「とりあえず様子を見るとするか。」
リンク「俺はアイツの事を信用する気はありませんが…とりあえず会って話だけでも聞いてみますか。」
夢子「皆さん…有難うございます!」
リンク「ただ、今すぐは無理です。此方にも気持ちの問題がありますから…。」
夢子「…そうですか…。」
アイク「これ、持っていけ。今日の食事にでもしろ。」
アイクは先ほど釣った魚の入ったバケツを夢子に差し出した。
夢子「いいんで すか?!」
マルス「僕らはしばらくここを拠点にするから何かあったらすぐこっちに来て!」
ピット「夢子の事はいつでも大歓迎だからねー!」
夢子「皆さん、本当に有難うございます…!」
リンク「夢子さん、俺たちはいつでも待ってますから。」
夢子「はい、リンクさん!…じゃあ今日はこの辺で戻りますね!」
ピット「夢子、暗いから気をつけてね!」
夢子「はい!」
リンク達にお辞儀をすると夢子は魚の入ったバケツを持って足早にその場を後にした。
ピット「…夢子大丈夫かな?」
マルス「いろいろややこしいね…特にダークの事が…。」
アイク「あの夢子が信用してるってことだ。大丈夫だろうきっと。」
リンク「夢子さん…。」
・
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夢子は小屋へと戻ってきた。
もう辺りはすっかり夕闇に呑まれている。
ガチャ・・・ギイイイ・・・
夢子「…ただいま…!」
小屋の暖炉の前には怪我をしたダークが暖をとっていた。
ダーク「遅ェよ。何時間たってると思ってんだ?」
夢子「ごめんなさい、色々あって…」
ダーク「お前魚獲ってきたのか?」
夢子「これは…その…」
ダークは真剣な目で夢子に問う。
ダーク「…時の勇者に会ったのか?」
夢子「…!?なんでわかったの!?」
ダーク「お前のその浮かれた顔見りゃすぐわかるぜ。そんでおすそわけも貰ってきたのか。」
話の呑みこみが早いダークに言いづらそうに切り出す夢子。
夢子「ダーク…貴方の事、皆に話したの。」
ダーク「ああ、そう。んで受け入れてもらえなかったって訳か。」
夢子「違うの…!ただ、時間が欲しいって。皆貴方の事も真剣に考えてくれてるから…。」
ダーク「…ふーん。」
夢子「100%信用してとは言わないわ。でも貴方のことを思ってくれている人たちもいるって事は理解してて。」
ダーク「・・・。」
夢子「さて、今日は魚料理作るわね!新鮮だから刺身にでもしましょうか。」
ダーク「ほんと面白い奴らだな。お前らって。」
夢子「そうかしら?」
ダーク「お節介でありがた迷惑っていうか。」
夢子「褒めてるの?」
ダーク「さあな。…でも一応言っとく。」
夢子「何?」
ダーク「…ありがとう。」
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