74

ルフレと夢子はピットのおかげで宙に浮く。
夢子「た…助かったの?」
ルフレははにかむ。
ルフレ「ね?死ぬ気がしないって言ったでしょ?」



【74】



向こう側へと無事渡れたルフレと夢子。
ピットはゼエゼエと息を荒あげてた。

ピット「もー、こういう扱いやめてよ〜飛翔の力はこういう使い方しないよ?普通。」
夢子「ピット君!」

夢子はピットを抱きしめる。
ルフレは少々むっとした表情になる。
ピットも夢子を抱きしめる。

ピット「夢子!会いたかったよー!ずーっと心配してたんだよ!?」
夢子「ピット君来なかったら私達二人とも死んでたよ‥」
ピット「ここに来たの、僕だけじゃないよ!」
夢子「え‥‥?」

後ろを振り返る夢子。

底にはファイター達が立っていた。


リンク「おかえりなさい、夢子さん。」
マルス「夢子が居ない生活、すっごい辛かったんだからね!?」
アイク「会いたかったぞ、夢子。無事でよかった。」
シュルク「実は僕にはこうなる未来、少しだけ見えてましたけどね!」

夢子「リンク…マルス…アイク…シュルク!!」

懐かしい顔ぶれを見て夢子の目には涙が溜まる。

ルフレ「ああ!君たちが夢子の事泣かした!」
リンク「嬉し泣き、ですよね?」
夢子「うん…!」


リンク「さあ、俺達の城に帰りましょう。」
夢子「…まって…あそこにダークにぃと沙羅が…。」


ルキナ「お二人ならここに居ますよ。」

夢子「ルキナさん!?」
ルキナの言葉通り、そこには黒と沙羅がいた。
クロム「道中モンスターが居て彷徨ってる所を保護したんだ。」
ロイ「お二人とも戦えたので決して足手まといにはなりませんでしたけどね。」
カムイ「私たちの仲間は皆奪還できましたね。後は此処から離れるだけです。」

黒「夢子…。」
沙羅「夢子、ごめん…今まで本当にごめん…。私は許されない事を…」
夢子「私は沙羅の事ずっと嫌いじゃないよ。今までも、そしてこれからも。
     私の大切な心友だもの。
     今までされた事、全部辛くなかった訳じゃない。
     でも、こうしてこちら側に戻ってこれた。そのことが私はとても嬉しい。」
沙羅「夢子…。」

ルキナ「仲直り、出来ましたね?」
カムイ「私はこうなると信じてましたよ。」

夢子は沙羅を抱きしめた。
沙羅も涙を流す。声をあげて泣く。
沙羅の今まで自分の中に居た黒い何かは沙羅の心から無くなった。




ルフレ「さあ、帰ろう。もうこんな場所に用はない。」





夢子達は帰還の魔法陣の前に経った。
するとリンクがポケットから何かを出した。

それは、ガラスの瓶に入った赤い液体だった。


夢子「リンク、それは?」
リンク「マスターが作った物です。これを掛けるとその魔法陣は二度と使えなくなります。
    この世界と俺達の世界は断たれるべき世界だと、マスターは言ってました。」
夢子「…そう…。そうよね、そうしたほうが良い。
     私達以外にも害が及ばないように…。」
リンク「それじゃあ行きますよ?皆光の中に入ってください。」





魔法陣の光の上に立つファイター達。




転送されて行く光が全員を包んだ時、リンクは瓶を開けて魔法陣に液を落とした。


ルフレと夢子は手を握りしめる。



赤い液は魔法陣の文字を赤く染めていく。
そして、ヒビが入っていく。
赤い衝撃波が辺りを包む。










そして、夢子達は…消えた。

元の世界、幻双国へとその身は消えていった。





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