67


【67】


夢子は黒の部屋で黒に追い詰められていた。
既にベットに押し倒されてる状態。
抵抗しようと常に暴れている夢子。





夢子「ダーク…!貴方は何を考えてるの!?ヤメテ…!離して!」
ダーク「俺は本能のまま動いてるだけだ。
    ずっとこいつの中で制御されて…鬱憤溜まってるんだ。
    夢子、お前だって楽しい事は好きだろ?」
夢子「楽しい…!?これのどこが?!早くダークにぃを帰して!」
ダーク「黒ならもう随分と大人しくなったな。
    …さっきも言ったようこれがこいつの本心だ。
    お前とひとつになる…こいつにとっては栄光なんだ。」
夢子「ダークにぃはこんな酷い事しないわ、絶対に…」
ダーク「…だってよ。聞こえたか黒。お前の妹はこんな窮地でもお前の事信じてるってよ?
    …ククク、返事が無いな。やはりこいつの本心はただの欲望なんだ。
    夢子、お前は今から俺に犯される。…わかるだろ?この意味を。」
夢子「嫌だ…私は好きな人としか…」
ダーク「黒の事嫌いなのか?」
夢子「それとこれは―・・・大体貴方は・・・。」
ダーク「なら話は早いだろ?もう抵抗するのはやめろ。時間の無駄だ。」






ダークは夢子の腕を強く抑える。
夢子は身動きが取れない。
夢子「嫌…離して…!」
ダークの顔が夢子に近づく。
あと数センチで唇が重なる。
必死に抵抗するが力が強すぎて抵抗できない。
夢子は頬に涙を流す。





夢子「優しかった私のお兄ちゃんは何処に行ったの―・・・?
      私の大好きな強くて頼れるお兄ちゃんは一体―・・・」






その表情を見た黒の動きが止まる。
夢子を抑えてた両腕の力が治まった。
夢子はその一瞬の隙を見逃さなかった。
黒の身体を思い切り両手で押しのいでその隙に黒の部屋から全力で逃げ出した。
一人残された黒はずっと固まっている。






夢子は走った。
今まで登ってきた螺旋階段を今度は勢いよく駆け降りる。

夢子「ダークにぃ…ごめん…やっぱり私はダークにぃの事はお兄ちゃんとしか見れない…」


階段は長い。
どんなに降りても続いている。
でもそんな階段にも終わりが来る。



夢子「普通降りる方が早く感じるはずなのに…」


階段がもうすぐ終わるというときだった。


最後の1段を降りようとしたときに脚に何かが引っ掛かる。
そして勢いよく夢子は転んだ。
咄嗟に顔を庇った腕は擦り傷だらけになる。







ドスッ!!ズサアアア!!!



夢子「くっ、痛い…!!!何‥何なの‥?今私の脚に何かが当たった…?」


【いいね!!】

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