66
黒「夢子、来い。」
【66】
夢子は黒と共に長い階段を上る。
腕を掴まれている夢子は戸惑う。
夢子「ダークにぃ、腕…痛いよ…?」
黒「・・・。」
夢子「何処に向かってるの?」
黒「俺の部屋だ。」
夢子「!!!」
階段を上り終えた先に一つの扉があった。
鉄で出来た扉。
黒はその扉を押し開く。
ゆっくりと開いた扉には殺風景な部屋があった。
テーブルと本棚とベットしかない。
夢子「ここに住んでるの…?」
黒「お前の心からどうすればルフレが消える?」
夢子「え…?」
黒「俺はずっとお前だけを見てきた。
お前はいつも皆に好かれて…時々変な奴等に目を付けられて。
お前には不思議と人を魅了する力があるんだな。
魔女という正体が自然とそうさせるのだろう。」
夢子「私もその事がずっと嫌だった…
今までは助けてもらったけど…ずっとそれが続くとは思えないし。」
黒「その変な奴等の中に俺も含まれるのだろうな…。」
夢子「どういう…事?。」
その時だった。
黒が突然苦しみだす。
その場に黒は跪く。
黒「クッ…またお前か‥!出て来るな…!」
夢子「ダークにぃ!?どうしたの!?」
黒「夢子、俺から…離れ…r……ククク。」
夢子「!!!」
黒「夢子、今ならお前を俺のモノにできる。今日は良い日だ。人生で一番幸運な日。
今までの葛藤がようやく報われる…。」
夢子は警戒する。
そして尋ねる。
夢子「貴方は…ダークにぃではないわね…?」
黒「俺はこいつの本心をありのまま伝えてるだけだぜ?」
夢子「あの時…日本に最後に居た日、私を刺した…
ダークでしょ?」
ダーク「そう。今はな。でも俺は黒本人でもある。
ふー…ほんと、手こずったな。コイツ、やたら俺を制御してくるんだぜ?
それは兎も角夢子、やっとお前と二人きりになれた。
俺も少しは本気になれそうだ。…この意味わかるか?」
夢子「意味が分からないわ…早くダークにぃから出て行って!」
ダーク「じゃあ教えてやるよ。」
ダークは夢子を追い詰める。
ジリジリと距離を詰めて。
夢子は後ろに引きさがる。
夢子「貴方が何考えてるのか分からないけど…
私を殺せばきっとクレイジーとやらが怒るわよ?」
ダーク「殺す?ふ、そんな事するわけないだろ。」
夢子「だってあの日、貴方は日本で私をー…」
ダーク「俺はルフレを殺すつもりだったんだ。…お前が邪魔に入って勝手に巻き添え喰らっただけだ。」
夢子「ルフレは…これからどうなるの?」
ダーク「あいつは今ルミレのおもちゃになってるだろな。
だから…
俺たちも楽しもう?」
夢子は後ろに後ずさりし続けて脚に何かがぶつかるのに気が付いた。
…ベットだ。
夢子はベットの方向に追い詰められていた。
夢子「まさか…貴方…変な事考えてるんじゃないわよね?
私たちは兄弟なのよ??」
ダーク「血は繋がってない。」
夢子「そういう問題じゃ‥」
ダークは夢子をベットに押し倒す。
夢子は抵抗しようとするがダークの抑える力が強い。
夢子「やめて‥こんな事可笑しいわよ!」
ダーク「黒だってこうなる事望んでるんだ。」
夢子「ダークにぃはこんな酷い事しない!」
ダーク「さあ、どうだろな。俺の中で抵抗する力が弱まってるが?ククク。」
夢子「貴方が変な細工してるんでしょ?…お願いやめて…。」
ダーク「抵抗されると燃えるよな。さあ、久々の人肌だ…」
夢子「嫌だ‥こんなの可笑しい…!」
・
・
・
幻双国側では既に夢子とルフレを救出する陣が整っていた。
一向は幻失国へと繋がる魔法陣を繋げる準備を急ピッチで進めていた。
マスター曰く、あちらに繋げる力がクレイジーの抵抗で不安定になってるらしい。
リンク「夢子さん…今頃酷い目に合ってないでしょうか?
気が気じゃないですよ…」
ピット「きっと夢子なら大丈夫だよ!心が強いもん!簡単には負けやしない…そうでしょ?」
マルス「思えば彼女ほんと壮絶な人生送ってるよね。僕なら負けてるかも。」
アイク「そうだな…こんな目に合うなんてJKの頃は想像もしてなかっただろうな。」
シュルク「ここに来た事、そして僕たちに出会った事を後悔させないよう、無事救い出しましょう!」
皆「「「「うん!!」」」」
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[mokuji]
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