６３
ルフレ「もうやめてくれ…これ以上夢子を苦しませないでくれ…!」
【６３】
ルミレは微笑む。
夢子の首を絞めていた木はすっと地面に戻った。
同時にルフレの束縛も解かれる。
ルフレはすぐに夢子に駆け寄る。
ルフレ「夢子…ごめん…僕君が苦しんでる姿見たくなくて…」
夢子「ル…ルフレ…ケホッケホッ…」
ルミレ「今日は大収穫。クレイジー様も大喜びになるでしょう。
それにルフレ様もいるフフフ!何て良い日なの?」
ルミレはクルクルと舞いを踊る。
それはそれは嬉しそうに。
その間に夢子とルフレは小さい声で会話をする。
夢子「ルフレ…これからどうするのよ…まさか本当に配下になるの…?」
ルフレ「大丈夫。僕だって本気じゃない。今は従うフリをするんだ。
隙を見て逃げ出そう。大丈夫、僕らなら。」
夢子「…私怖いよ…貴方の身がどうなるか…。」
ルフレ「それは僕も同じだよ。君の事が一番心配。」
夢子「ルフレ、貴方の事信じてるから…」
ルフレ「僕も。何があっても君の味方だ。」
そっと二人はルミレの視界に入らないよう互いの手を握る。
ルミレ「フフフ♪私はやっと本当の愛を手に入れた‥きっと幸せとはこういう…」
ルフレ「ねえ、邪魔して悪いけど、君たち幻失国の民は皆
愛がどうとか言ってるね?」
ルミレ「そうよ?幻失国にいる者たちは皆
愛に飢えた人間の行き着く場所だもの。」
夢子「それじゃあダークにぃも沙羅も…?」
ルフレ「そうか‥‥なんだか段々わかってきた気がする。
クレイジーは
特定の愛情の意味を知らない人間を呼び集めてるんだね? そしてそれを弱みに手下にして使っている…」
ルミレ「そう。流石ルフレ様、把握する能力がお高いのね。
だからクレイジー様を中心に黒さんも沙羅さんもアルフレさんも…
皆愛を知りたいの。愛の意味を、最上級の悦びを求めている。」
夢子「私たちがそっちに付いたら…どうなるの?」
ルミレ「夢子さんは勿論クレイジー様の妃になるのよ。
その前に‥色々揉めそうだけど。フフ、私には関係ない事。
ルフレ様は勿論私とこれからずっと一緒にいるの。ずっと…ずっと…ずーっとね?」
ルフレ「言っとくけど僕はそちら側に行っても夢子以外興味ないからね?」
ルミレ「大丈夫ですわ。さっきも言ったけど貴方は直ぐに私のモノになる。
抗えない運命なの。ああ、楽しいですわ…人生で今が一番楽しい‥‥。」
夢子「私…ダークにぃと沙羅とちゃんと会話したい。
目と目を合わせてきちんと‥‥これはチャンスかもしれない。」
ルフレ「僕ももう一人の僕とちゃんと決着つけないとね。」
ルミレ「さあ、帰りましょうか。私たちの城へ。
摘み取った花は枯れないうちに花瓶に運びましょう。
そして一生愛でましょう?」
ルフレ「…行こう、夢子。」
夢子「…うん…。」
5時間後ー・・・
幻双国の城の中では騒ぎが起きていた。
勿論ルフレと夢子が帰らないからだ。
リンク「夢子さんまだ帰らないんですか?!」
ピット「ルフレが森に行くって言ってたけど…そこから何処に行ったかわかんないんだ。」
マルス「何か…嫌な予感がするよ。」
アイク「あいつ等無茶してなきゃいいんだが…。」
リンク「シュルク、貴方の力でどうにか出来ないんですか?」
シュルク「悔しいですが僕の能力は未来を見る物なので…」
クロム「大変だ!」
マルス「どうしたの?クロム。凄く青ざめてるけど」
クロム「英雄王‥皆も一緒か…。今マスターから聞いた話があるのだが…」
ロイ「闇のモンスターの軍勢が光の国への進軍をやめて各地で撤退してるんです。」
マルス「おお、それってとても良い事じゃないか!」
クロム「それが…そうでもないんだ…」
ルキナ「闇の国、幻失国からのメッセージも入ったんです。そのモンスターとの入れ替わりに。」
カムイ
「我が国に新しい女王が生まれる。これを機に進軍を一時中止にする。」カムイ「それが…あちらからのメッセージです。この意味、わかりますか?」
ピット「んー?どゆこと?女王って…クレイジーの…ハッ、まさか…」
クロム「そのまさか、だ。」
リンク「
夢子さん…!?」
ルキナ「考えたくない、一番最悪な状況に私たちは遭遇してしまったようです。」
カムイ「夢子さん、きっとコワイ思いしてますわ…早く助けないと…。」
リンク「あいつほんと俺の神経に触るような事ばかりして‥‥許せない…(黒い笑み)」
ピット「こうなったら皆で幻失国に乗り込むしかないよね?!」
マルス「当り前だよ!僕らがふたりを助けるんだ!」
アイク「厳しい戦いになるな。」
シュルク「僕たちならいけますよ!」
マスターハンド「皆、集まってる様だな。」
リンク「マスター!夢子さんが…夢子さんが…!」
マスターハンド「落ち着けって言われても無理だろうな。仕方があるまい。
これから君たちに今から下る命令は…もうわかってるな?」
ファイター一同「「「「「「夢子とルフレの救出だ!!!!!!」」」」」」」【いいね!!】[ 210/508 ][＊prev] [next＃]
[mokuji]
[しおりを挟む]