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第43章【金色の瞳の少女】




リンク達が旅立った後、スマブラ城では参戦者たちがリンク達の帰りを今か今かと待っていた。
ゼルダ「リンク達、無事異空間へたどり着いたかしら…。」
マリオ「もうついてる頃だろう。…だが、そのあとが心配だ。」
ピカチュウ「どうしてピカ?」
マリオ「あの場所はタブーの領域だ。下手な動きをすると命取りになる。
    だが…まあ、あいつらのことだ。上手くやっているだろう。」
ピーチ「そうだといいですわね…。」


リュカ「大変です!」

リュカが突然大声を出して走ってきた。
マリオ「どうした?!」
リュカは息を飲んで焦りながら言う。
リュカ「プリムです!しかも数が凄いんです!この間の倍の数ですよ…!」
マリオ「なんだって!?」

マリオが急いで城門へでるとその光景に愕然とした。
丘の向こうから亜空軍が1万体ほど列をなしてこちらへと進んできていたのだ。
リュカ「どうしよう…どうしよう…!」
ピカチュウ「リュカ、落ち着くピカ!」
ピーチ「マリオ…!」



マリオ「…仕方がない…。



    この城を守るために、あの橋を壊す。」


マリオの言葉に周りにいた参戦者全員が騒めく。
リュカ「そ…そんなことしたらリンクさん達が帰って来られなくなりますよ!?」
ピーチ「マリオ!貴方正気ですの!?」
ポポ「せっかく作ったのに!?」
ナナ「リンクお兄ちゃん達はどうなるの!?」






「私はマリオの意見に賛成だ。」






ひとつの声で参戦者達のざわめきが一瞬で止まった。
皆がみる方にはマスターハンドが立っていた。

ピーチ「マスター!」
マスターハンド「皆、これから私が言う事をよく聞いて欲しい。
        これから私たちは再び亜空軍と戦争になる。
        まずあの橋を壊せば亜空軍の侵入を阻止することができる。」
ピカチュウ「リンクお兄ちゃんはどうなるピカ!?」
マスターハンド「はっきり言おう。
        私はこの大勢の参戦者と城を守るためならば多少の犠牲は厭わない。」
ゼルダ「そんな…!リンク達を見放すというのですか!?」
マスターハンド「だが、私は信じている。彼らは無事任務を遂行すると。
        それに手がないわけではない。
        彼らを呼び戻す方法が一つ見つかった。」
リュカ「それって…何ですか?」


マスターハンドは後ろへ引き下がるとひとりの少女が前へ出てきた。
リュカ「…!この人は…!?」
マスターハンド「紹介しよう。」
サラ「…初めまして…サラと言います。」
肌の色白い紅い髪の少女。
その姿はまるで…
ゼルダ「夢子ちゃんとそっくりじゃない…!」
強いて夢子と違うところがあるとすれば夢子より髪が短く、瞳が金色であることだ。
マリオ「彼女はどうしたんだ?」



マスターハンド「彼女…サラはタブーのもう片方の翼の欠片の破片だ。」

マリオ「…!?なんだって…!?」

マスターハンド「夢子は…彼女はタブーの翼の破片だそうだ。これでなぜ彼らが必要以上に夢子を狙うのかが解った。」
マリオ「まさか夢子が…あのタブーの一部だと…!?ありえない…。」
マスターハンド「サラ…彼女は夢子のようにこの世界に落ち、彷徨っていた所を先ほど我々が保護したのだ。」
サラ「私はタブー様の翼の破片ですが…夢子のように価値のない『ゴミクズ』なのです。」
ゼルダ「そんな…自分の事をそんな風に言わないで…」
サラ「いいんです。本当の事ですから。」
マスターハンド「リンク達を救うために彼女の力を借りる事にする。」
マリオ「どうやって助けるんだ?」
サラ「彼らは今亜空間にいます。」
ピカチュウ「なんでわかるピカ?!」
サラ「 私にも影虫の血が流れてるので僅かですが…向こう側を透視することができるのです。」
ピカチュウ「なんだかよくわからないけどすごいピカ!」
サラ「彼らも今から戦いに巻き込まれるでしょう。少しの間辛抱してもらえれば
   その間に亜空間へ繋がるゲートを私の能力で開きます。」
マスターハンド「そういうことだ。だからリンク達の事は心配するな。」
マリオ「よし、わかった。皆、急いで橋を壊すぞ!」
マリオの掛け声とともに参戦者たちは急いで橋へと向かった。
走りながらゼルダとピーチが会話をする。
ピーチ「まさか夢子ちゃんがタブーの一部だなんて信じられませんわね。」
ゼルダ「・・・。」
ピーチ「どうしましたの?」
ゼルダ「…サラ…でしたっけ。あの子 。」
ピーチ「何か?」
ゼルダ「あの子なんだか…いや、なんでもないですわ。」


ゼルダは言葉を濁し、橋へと向かった。





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