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【53章】

夢子達は全員目を覚ました。
そんな中ルフレだけ頬に赤い手形がしっかりついてる。
ルキナ「軍師…!それどうしたんですか?」
ルフレ「うーん、僕も目が覚めたら頬っぺた超痛くて。なんだろ、ね、夢子?」
夢子「3度目はないわよ…?」
ルフレ「あれ?夢子朝から激おこ?」
夢子「ぜーんぶ貴方のせいよ。フン!」
ルフレ「まあ君になら朝から説教されても僕は快感だけどね。」
カムイ「軍師、ちょっとそれは少々変態染みてるというか…?」
ルフレ「男はみんなそんなもんだよ?
    君たちも年ごろだし男という生き物を分かってた方が良いと思う。」
クロム「ルフレ…またルキナに変な知識入れたら許さんぞ?」
ロイ「クロムのイビキ‥今日も凄くて頭痛い‥。」
ルフレ「こういう教育は早い方が良いと思うけどな?」
クロム「ダメだ。(きっぱり)」
夢子「ルフレも少しはクロムの事見習いなさいよ!
     年から年中発情しないのが普通なのよ?」
ルフレ「仕方がないよ、君が可愛すぎるんだもん。」
夢子「はぁ…またペース持ってかれる…。」
クロム「それにしてもクレイジーの配下であるアルフレを追い詰めたこと、、
    とても良い結果だったな!
ルフレのあの剣の一撃はかなりの致命傷になっただろう。
    治癒魔法使ってもしばらくは動けんだろうな。」
夢子「あの人は…本当に可哀想な人かもしれない。」
ロイ「あんなに酷い目にあったのに!?」
夢子「彼は愛情というものを理解出来てなかった…
      親にも愛されずに道具として扱われて。
      なんだかなぁ‥‥私にもわかる部分があるの。」
ルフレ「…まあ、もう一人の僕だし…僕だって夢子と出会うまで愛という言葉知らなかったよ?」
夢子「次アルフレに会ったらどう接すればいいのかな。」
ルフレ「いつも通りの君で居ればいいと思うよ。大丈夫、僕が彼を倒すから。絶対…」
クロム「さあ、そろそろこの地から離れよう。国へ帰るぞ!」





夢子達は歩きながら雑談をする。
戦いの後の束の間の一息。
夢子「ねえ、ルフレ。瘴気吸収魔石…早く見つけたいね‥。
      ルフレもそうだけどダークにぃと沙羅も早く解放してあげたい。
      今頃きっと辛い目に合ってる…。」
クロム「クレイジーは今のところまだ彼らには酷い事はしないだろう。」
夢子「今のところって…どういうこと?」
ロイ「クレイジーは名前の通り少し狂った感性を持つ人物で…
   自分の駒でも優秀なものに対しては評価が良いのですが
   思い通りに行かない駒に対して酷な対応って感じです。」
夢子「そんな…!だったら尚更早く助けないと…!」
クロム「今のところ彼らは忠実に動いてるようだし
    まだクレイジーの機嫌を損ねてはいないだろな。
    …アルフレは規定違反な行動をとってたから
    もしも俺たちが敗北していたとしてもクレイジーから痛い目にあうのは逃れられんだろな。」
ルキナ「マスターはファイター達からも絶大な信頼を持ってますが
    クレイジーは負や憎しみの感情で支配してますからね。
    兄弟でこんなにも差があるなんて…驚きですよね。」
カムイ「でも、黒兄さんは夢子さんの事助けたんですよね?
    城下町で酷い目に遭ったって言ってたじゃないですか?
    きっと彼にもまだ心が残ってるのでしょうね。」
夢子「でも、最後にあった時は近くに居たのに幅の広い濁流の川の向こう側にいるような…
      手が届きそうで届かないっていうか。とても、怖かった…。」
ルフレ「心が完全に邪竜の瘴気で浸蝕される前に救わないとね?」
クロム「そうだな…まずは城に戻ろう。マスターにも早く報告しないとな。」
夢子「あとどのくらいで着くかな?結構歩いてきたけど…。」
ロイ「もう少しで森を抜けますよ。…ここからは雑魚モンスターが飛び出てくる可能性大です。」
ルフレ「夢子、今の君なら余裕だね?」
夢子「うん!私だって強くなったもん!どんどん倒しちゃうよ!」
ルキナ「あ!あそこにゴブリンの群れがいます!」
カムイ「ほんとですね…結構いる…10…25…50匹くらいはいますよ…!」
ルフレ「今の僕らの敵ではないね。」
クロム「経験値稼ぎには良いターゲットだな。」
ロイ「身体訛ってますし運動には良いですね!」
ルフレ「みんな、行くよ!ここを突破すれば僕らの国だ!」




夢子達はゴブリンの群れへと突っ込んだ。
ゴブリン達は突然の奇襲に慌てふためく。
武器を持たす暇もないほど素早い剣技でFE勢はゴブリンに斬りかかる。
夢子もウインドで遠くから攻撃する。
50匹以上いたゴブリンは1分で全て全滅した。
ルフレ「うーんなんだか全然手ごたえないね?」
ルキナ「この辺のモンスターは手にかけ過ぎてますからね。
    それにレベル差もあるのでしょう。今の私たちに比べたら格下の相手です。」
ルフレ「そんなもんなのかな‥まあ僕らが強くなった証だね!
    夢子もサポートありがとう!おかげで戦いやすかったよ!」
夢子「私もルフレ達の役にたてたかな?」
ルフレ「当たり前だよ!相当役にたってるよ!」
カムイ「夢子さんの魔法、素早くて威力もあって素敵でしたよ!」
夢子「エヘヘ・・・」
夢子達は森を抜け城下町の問をくぐる。
ロイ「あ、城が見えてきた…!僕たち帰ってきましたよ!幻双国に!」
夢子「久しぶりだなぁ…リンク達何してるかな?」
ルフレ「リンク、夢子見たら多分…っていうか120%夢子に抱き着こうとするね。
    これは絶対に阻止しなければ…。」
クロム「少しくらいいいんじゃないか?束縛しすぎるのも良くないぞ?」
ルフレ「そんなもんかな?でもやっぱり警戒はしないとね…。」
ルキナ「城下町、久々ですね。皆平和そうで安心ですよ。」
カムイ「この笑顔を守るためにも私たちがクレイジーハンドを打たなければ、ですね。」
夢子「そっか…私たちだけの問題じゃないんだ…。」

夢子達は城下町を進み城の問をくぐった。
すると奥の方から猛ダッシュで留守番をしてたリンクが走ってくる。

ドドドドドドド!!!

リンク「夢子さああああああああん!!!」


ルフレ「はあ、やっぱり来たね…こんなに俊敏に夢子の気配感じるなんて。」
夢子「わわわ、リンク!皆、そんな凄い形相でこっち来ないでよーー!!」
リンク「だって…夢子さんが居ない生活なんてもううんざりですよ!?
    寝ても覚めてもスマブラして気を紛らわすなんて…飽きましたよ!?
    やっぱり人肌が一番ですから…夢子さん!抱きしめさせてください!!!」
夢子「ちょ…!?意味わかんない理屈言わないでよ!」
ルフレ「リンク、誰の許可貰って夢子に触れて良いと?」
リンク「ルフレ…貴方ばかりずるいですよ…夢子さんのこと独占して…!」
ルフレ「僕はそんなつもりないよ?これは全て運命だから。ディスティニー★」
リンク「きーーー!ムカツク‥!やっぱり俺は貴方が嫌いです!」
ルフレ「奇遇だね、僕もだよ?お互い様だから安心して。」
夢子「リンク、心配させてごめんね?でも無事に帰ってきたから…!」
リンク「貴方に怪我が無ければ…って…。
    全身アザだらけじゃないですか!!どうしたんですかそれ!?」
夢子「あ、ああ…手持ちの傷薬では全部消すこと出来なかったんだっけ。」
リンク「ルフレ、こんなに夢子さんの事戦わせたんですか?!」
ルフレ「う、これは……」
リンク「口ごもるっていうのが何よりの証拠ですね。
    貴方に夢子さんは任せられないです。」
夢子「リンク、ルフレはこの傷を作らせたアルフレ本人と戦ったのよ?
     そして今回も勝った‥‥。だから責めないであげて…?」
リンク「貴女は優しすぎますよ…怒って良い事だってあるんですよ?
    女のコなのにこんなにボロボロになって。
    まるで日本にいる時と正反対じゃないですか。」
夢子「私は大丈夫よ。日本も好きだけどこの世界も好き…
     皆の笑顔守るためならこのくらいの傷どうってことないわ!」
リンク「夢子さん…。」
夢子「だから皆で力を合わせてクレイジーを打ちましょう?」
リンク「貴女がそういうのならば…この件に関しては口を瞑りましょう。
    あ、そういえばマスターが待ってますよ。夢子さんに話があるそうです。」
夢子「私に…?じゃあマスターのとこにちょっと行ってみるね!」


【いいね!!】

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