51


【51章】



夢子は疲労と痛みで崩れる。
直ぐにルフレが抱き寄せる。
ルフレ「怖かったよね…ゴメン、遅くなって。」
夢子「ううん、貴方が来てくれるとずっと信じてたよ?」
ルフレ「それにしてもこんなに傷だらけになって…
    あまりにも痛々しくて…僕は君を直視出来ない…。
    しかもやったのはもう一人の僕‥責任は僕にもある…。」
夢子「でも助けに来てくれた事実は変わらない…
     私嬉しかったよ?貴方の顔見た瞬間凄く安心した。
     ずっとずっと痛かったけど、それがすっと無くなったの。」
ルフレ「夢子…!」
クロム「お、おほん…ラブラブな所申し訳ないが…そろそろ城に向かおう。」
ロイ「日が暮れてきましたね。夜は危険ですから
   休める場所探しましょう。」
クロム「ここの小屋はルフレが完全に瓦礫にしてくれたしな。」
ルキナ「あそこに大樹が見えます。周りは開けて視界が良いし
    焚火をしたら休めそうですよ。」
カムイ「モンスターは炎を怖がりますからね!」
ルフレ「うん、そうしよう。夢子、立てるかい?」
夢子「…ちょっとしんどいかも。」

フワッ!

ルフレは夢子をお姫様抱っこした。
ルフレ「これで問題なしだね☆」
夢子「文句言いたいけど…今日は甘える事にする…体中痛いし…。」
カムイ「あらあらまあ…!」
ルキナ「これは…羨ましいシチュエーションですね…!」
ルフレ「さあ、大樹へ向かおうか!」
夢子「待って…瓦礫の中に貴方から貰った服が…」
ルフレ「ああ、それならはい!」
夢子「私の服…!どうして!?」
ルフレ「アルフレと戦いながら小屋が崩れる前に回収したんだ☆」
夢子「…器用ね…でもありがとう!」
ルフレ「それにしても夢子から服を剥ぎ取るだなんてほんと許せない…まだ腹立つんだけど。」
夢子「まあ…無事今回乗り越えて…良かった、とはっきりは言えないけど。」
ルフレ「じゃ、後で浄化させてね?大樹へGO!」
夢子(浄化…?どういう意味?)






一方幻双国ではやっと剣士組が気づいた。
夢子の帰りが非常に遅い事。
リンク「流石に帰りが遅いですね?何かあったのでしょうか…」
シュルク「きっと無事ですよ。彼らが一緒だから。」
リンク「なんか…夢子さんがルフレに奪われて以来俺いつもの元気が出ないんですよね…」
ピット「その割にはゲームで僕の事フルボッコだったよ?!」
リンク「あれはストレス発散です。ありがとうございますピット君。少し気が晴れましたよ!」
ピット「僕はちっとも嬉しくないし楽しくもないよ?!」
リンク「夢子さんが帰ってきたら美味しい料理作って温かく迎えましょうかね。」
マルス「そうだよ!僕たちに出来る事しよう!」
アイク「美味しいモノ食べた時の幸せは心の底から感じるからな。」
リンク「じゃ、貴方達も手伝ってくださいね?」







再び話は夢子サイドへ戻る。
夢子達は大樹の下にいた。
空には月が昇る。
見晴らしも良くこれならクレイジーの手先やモンスターが来てもすぐ見える。
クロムとロイが薪を沢山集めてきた。
そこにファイアの魔導書で焚火を焚く。
ルフレ「これで敵は簡単には近寄れないね。夢子、体の調子はどうだい?」
夢子「うん…まだ傷むかも。」
ルキナ「あ、傷薬あるので使ってください。簡単な傷しか治せませんが…」
夢子「ありがとうルキナさん!!」
ルフレ「でもさっき…なんでアルフレはすっきりした顔で笑って消えたんだろ?ちょっと不気味だった。」
夢子「きっと愛の意味を少しだけ知ったんだよ。」
ルフレ「アルフレ…彼も生まれた場所を間違ったね。
    僕の血の戒めも少しは解放できたのかもね。」
クロム「お前ずっと気にしてたからな。あいつの存在自体を。…次は倒せたらいいな。」
ルフレ「まぁね…アルフレは僕自身の悪の象徴みたいな存在だから。」
ロイ「夢子さんを狙うクレイジー等の動き…気になりますね。」
ルフレ「そこなんだよね〜?!っていうかクレイジーが夢子を妃とか…
    ほんと馬鹿なのって言いたい。大体夢子を妃にするの僕だし!!」
ロイ「なんか突っ込み所があるのですが…」
カムイ「魔女として生を受けつつも日本で普通にJKとして暮らしていた夢子さんが
    今じゃ異世界の命運を握ってるだなんて、びっくりですよね?」
夢子「それなのよね…もう私も意味わからないもん。
      家で普通にゲームしてたら目の前にファイターがきて
      一緒に暮らして…一緒に学校いって…遊んで…
      気が付けば異世界に転移してるし。あはは…」
カムイ「でも夢子さんは冷静に対応してますよ?
    私が同じ立場ならもっと混乱して慌てふためくでしょう。」
夢子「それなのよね。なんか後半から感覚麻痺しちゃって。
      あ〜またかぁ〜ってくらいのノリになっちゃったなぁ。」
ルキナ「でも私、夢子さんの居る場所に転移してよかったです。」
カムイ「素敵な友達になれましたものね!私も良かったと心から思います!」
夢子「二人とも…!」



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