47
夢子「足が‥飲み込まれていく…!!!」
【47章】
夢子の足元には黒い影が蠢いている。
足が言う事を利かない。
それどころか藻掻けば藻掻く程飲み込まれていく。
ルフレ「夢子!落ち着いて動かないで!」
夢子「ルフレ‥どうしたらいいの…!!」
アルフレ「フフ、戦局を変えたのは最終的には僕だったみたいだね。
君たちがゾンビ兵の相手をしてる間に色々やっておいたんだ。
僕の得意な闇の罠さ。」
ルフレ「貴様…!」
アルフレ「これだから軍師は楽しいよね。
まあ、君と僕とじゃ見えてるのは違う世界だけど。」
夢子「エルファイア!!」
夢子はアルフレに向かって魔法を放った。
しかし悉く避けられる。
アルフレ「ふぅん…まだ抵抗するんだ。その気力は褒めるよ。」
夢子「守られるばかりじゃない…私は強くなる!」
アルフレ「でももう遅いよ?」
アルフレは闇のオーラに包まれた。
夢子もまた闇のオーラに飲み込まれていく。
ルフレは直ぐに夢子に手を差し伸べる。
夢子も必死に手を伸ばす。
夢子「ルフ・・・レ・・・!」
手はあと数センチで届くはずだったが…届かずに
夢子は完全に闇のオーラに包まれ消えてしまった。
ルフレ「夢子ーーー!!!」アルフレ「じゃあね、光側の僕。君たちは本業のファイターに戻ると良いよ。
平和な国で平和ボケして。
‥‥そして無力な自分自身に嘆くんだね。フフフ…。」
パチンッ・・・!
アルフレは指を鳴らすと闇のオーラに包まれると夢子と共に姿を消してしまった。
ルフレ「僕は…また…彼女を守れなかった…!?」
ルフレは膝から崩れ落ちる。
そして自分自身を責める。
クロム「ルフレ、冷静になれ。」
ルフレ「こんな状態で冷静になれると!?僕は彼女を守れなかった…!
己惚れていた罰だ‥‥。」
ルキナ「軍師…夢子さんは助けられますよ。私たちが諦めない限り。」
カムイ「それに‥夢子さんは強い心を持ってます。簡単には折れませんよ。」
ロイ「あの闇の移動魔法…そう遠くへはワープ出来ないはずです。
相手の行動を読みましょう。」
クロム「そうだな…身を隠せそうな場所に移動するだろう。
北に見えるすぐそこの山なんか怪しいな。」
ルフレ「迷ってる暇はないね…行こう、夢子を助けに!」
・
・
・
夢子はうなされて居た。
幻影でみた母らしき人物。
あの顔が脳裏から離れない。
母親「貴方は彼らを何も知らない。」
言葉が離れない。
ルフレには気にするなと言われたが…
それは本当の事だ、事実なんだと。
夢子「うっ…。」
夢子は目を覚ました。
夢子「ここはどこ…?」
辺りを見回す。どうやら小さな小屋のようだ。
ジャラ・・ジャラ・・・
夢子「何コレ…!?」
夢子の両手には手枷がついて天井にぶら下げられている。
足の鎖もとても重たい。
アルフレ「目が覚めた?」
気が付けば目の前にはアルフレがいた。
アルフレ「あんまり寝てるから暇でさー。色々作ってたんだ。」
夢子「皆の所に返して!」
アルフレ「ダメだよ?折角僕は新しいおもちゃ見つけたんだ。
簡単に手放すモノか。」
夢子「貴方…クレイジーの配下なんでしょ?!
こんなことして生きて帰れないかもよ?」
アルフレ「君…最初に会った時より肝が据わったみたいだね。
ま、そのほうが楽しいからいいけど。
クレイジー様は僕を利用し、僕がクレイジー様を利用する。
それでなるようになればいいと思うんだよね〜。」
夢子「おかしいわ…」
アルフレ「飴と鞭って言葉知ってる?」
夢子「…?!」
アルフレ「鞭は文字通り鞭なんだけど、君はどっちが好きかい?」
夢子「そんなの…どちらも嫌よ!」
アルフレ「君気が強いみたいだから調教し甲斐あるよ。
最後は僕に甘えてくるんだろうね?フフフ…」
夢子「意味がわからないわ…?」
アルフレ「さあ、君がどこまで耐えてどこで折れるか…ショーをしよう。」
【いいね!!】[ 194/508 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]