45

夢子達はオーガとマーマンの落とした戦利品を回収していた。
倒した数だけ戦利品は落ちているが…その数は半端ない。





【45章】



夢子「オーガは牙と…マーマンは鱗が多いのね?」
ルキナ「モンスターですからね。あ、武器とかもありますよ。」
夢子「棍棒に槍かぁ…あんまり質は良くないのかな?」
ルフレ「それは加工して新しい武器作れるよ!
    部分的な加工でアクセサリーにもなるかも。
    特にマーマンの鱗は綺麗だから、上手く加工したら飛び切りのアクセサリーになるよ。」
夢子「へぇ〜!確かにこうしてみると光が反射して綺麗ね!
     ルフレ、こういうのも加工できるの?」
ルフレ「頑張ればね…城下町の鍛冶屋のほうが良いと思うけど。
    君の為なら夜通し加工作業するよ。」
ルキナ「夢子さんは良いなぁ…こんなに尽くしてくれる方がいらっしゃって!」
ルフレ「ルキナもカムイも容姿端麗だし教養あるから
    良い人幾らでもいるんじゃない?」
クロム「ばっ…!ルキナにはまだ早い!」
ルキナ「お父様!子ども扱いしないでくださいよ!」
クロム「しかしだな…世の中には怖い男がいっぱいいてな‥」
ロイ「アハハ、クロム完全にパパですね。」
カムイ「家族ってやっぱり良いですね♪ウフフ。」
クロム「こ、こら!からかうんじゃない!(動揺)」





夢子「でも…なんでこの沼地にこんなに沢山のモンスターが居たのかな?」
ルフレ「そうだね、それ気になる点のひとつだよ。
    でもハッキリ言えるのはクレイジーが関わってるって事。」
クロム「あの男は一体何がしたいんだろな…考えが読めんのだが。」
ルフレ「僕もそのことずっと考えてるけど…
    でもさっきの霧…幻影を夢子に見させて彼女を取り込もうとした。
    以前僕らが幻失国に捕らわれた時も精霊に彼女を支配させようとした。
    手口は違うけど似た行動だよね?」
クロム「クレイジーは夢子を洗脳しようとしている…。それは分かったな。」
ルフレ「一番許しがたいのはクレイジーが彼女を妃にしようとしてる事だよ。
    夢子を妃にして良いのは僕だけなのに!」
ロイ「突っ込み所そこですか‥?言いたいこと気持ちはわからなくないですが。」
ルフレ「ほんと、僕が目を離すと皆夢子をたぶらかすんだ。許せない…。」
カムイ「それ程夢子さんが魅力的って意味ですわ!」
ルフレ「日本でもすぐ男共が夢子にちょっかい出すんだよ?!
    それはこの国に来てからも一緒で…ほんと腹立つ!!」
ルキナ「長所であって短所でもありますね。」
夢子「それが昔からの悩みなのよね…私の何処が魅力あるのだろうって。」
ルフレ「存在そのもの、だよ!」
夢子「でも…私もう守られるだけなのは嫌だから…
     この国で名が知れ渡るような強さを手に入れたい!…大げさかな。」
ルキナ「いいえ、目標持つことはとても良い事ですよ!」
カムイ「私たちも協力しますわ!」
ロイ「実際この沼地でモンスター倒して強さを手に入れたんじゃないでしょうか?」
夢子「まあ、私は幻影と戦ってたから…強くなったのかわからないけど。」
クロム「精神的な強さなら手に入ったんじゃないか?」
ルフレ「うん、君は幻影の誘惑に負けなかった。そのことは力になってるよ。」
夢子「エヘヘ…そうだと良いなぁ…?」





粗方アイテムの回収は終わった。
夢子達は城へ帰る準備をしていた。
しかし、天候が変わり突然空には雷雲が浮かび上がる。
突然雨が降る。

クロム「こんなに急に天気が変わるなんて…さっきの霧と言い変だな?」
ルフレ「ああ、それにこの隠しきれてない瘴気の気配…
    ハッ…もしや…!?」


夢子達の目の前に突然雷鳴が轟き雷が落ちた。

ビシャアアアアアアアアアアアンン!!!

余りの眩しさに目を閉じる夢子達。
再び瞳を開けると目の前には…アルフレが居た。
いつもの余裕を持った笑みで笑いかける。







アルフレ「やあ…久しぶり。元気だった?フフ。」



アルフレはいつも通り変わらない笑みを浮かべてる。
ルフレはアルフレを睨みつける。

ルフレ「君は…また僕らの目の前にノコノコと現れて…
    君の本当の目的はなんなんだ?
    クレイジーの言う妃とやらが夢子になるだけではないんでしょ?」
アルフレ「うーんとね…ぶっちゃけ僕もそこの彼女の事気に入ったんだ。」
ルフレ「なんだとッ…!?」
アルフレ「僕の一番の目的はギムレー様の復活。でもね‥
     僕も彼女、夢子の事気に入っちゃったから。
     あークレイジー様には秘密だよ?バレたら八つ裂きかも?だし。フフ。
     だから、僕に夢子を頂戴?」
ルフレ「何を訳の分からない事を…」
アルフレ「簡単な事だろ?君と僕は対の存在。女性の好みも似てるって事さ。」
夢子「私はそっち側には絶対行かない…!」
アルフレ「そうそう、そういう抵抗のある女性を無理矢理従わせるのが僕の趣味でね。」
ルフレ「彼女には指一本触れさせやしない!」
クロム「そうだ、今日今此処がお前の死に場所だ。」
アルフレ「うーん本来なら生贄が必要だけど‥‥ここで少し解放させてみようかな?」
アルフレは魔導書を取り出すと詠唱を唱え始めた。
すると倒したはずのオーガとマーマンが地面から這い出てくる。
ルフレ「ゾンビ化か…!?」
アルフレ「そーだよ、僕には死者を操る力もあるんだ。元の国の屍兵みたいにね。
     今まで君たちが掃除した彼らは全て僕の至忠、駒だよ?
     さあ、行くんだ君たち。僕の夢子を手中に収めるんだ!
     あ、これは注意だけど…夢子は殺しはしないでね?
     甚振るのは僕の仕事だから。フフフ。」



戦いが…再び始まる。



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