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マルス「ってことは…タブーを倒すには…」
リンク「まさか…」











謎のプリム「翼のコアの完全破壊です。」







第42章【タブーの野望】





絶望的な真実を知らされたリンク達は川岸にいた。
皆絶望的な顔で足元を見る。
リンク「なぜ…なぜ夢子さんが…!」
ピット「酷いよ…こんな事…!」
マルス「…僕はタブーを消すためだとしても夢子には絶対手を出さない…!」
アイク「…俺だって同じだ…だがそれしか方法がないとなると…」
ピット「うう…何か…探せば他に手があるよ…絶対…あるよ…うう!」
マルス「…そういえばタブーのやつ、なんで亜空間に夢子まで落としたんだろう…。」
アイク「完全に覚醒するには夢子の精神の崩壊が必要なんだろう。アイツが去り際に言ってた。」
リンク「だから夢子さんを絶望に追いやる為にこんな事を…!」
ピット「あいつ何処まで汚い手使うんだ!僕…死んでもあいつのこと許さない…!」
リンクは空を見上げ、言い放った。
リンク「俺達は…アイツの思い通りにはさせない!そうでしょう!?」
マルス「うん、希望を持てばいつか必ず道は開ける!」
アイク「こんな時だからこそ気を強く持とう!」
ピット「僕たちの世界の平和と夢子の命は…僕たちが守る!」

決意を固めた4人は顔を見合わせ頷いた。
















夢子「はい!出来た!」
夢子はダークの捕まえた鳥で肉料理を作っていた。
小屋周囲にいい匂いが立ち込める。
ダーク「…なんだこれ。」
夢子「若鶏のソテーよ!…採れたてだから美味しいと思うけど…。」
ダーク「ふーん。」
ダークは一口若鶏のソテーを齧る。

モグモグ・・ゴクリ

夢子「どう?」
ダーク「…普通だな。」
夢子「ちょっと!人が折角手間暇かけて作ったんだからもうちょっと褒めなさいよ!」
ダーク「ああ…うめーんじゃね?」
夢子「なんか嬉しくない…。」
食事をとりながら夢子はぽつりとため息をはく。
夢子「はあ…リンクさん達どこにいるんだろう…。」
ダーク「亜空間に落ちた衝撃で死んでたりしてな。」
夢子「ホント貴方って口が悪いのね…頭にくる…。」
ダーク「アイツ等もしぶとそうだから大丈夫なんじゃね?
    それよりも…」
夢子「何?」
ダーク「お前らの城は大丈夫なのか?」
夢子「あ…いろいろありすぎてすっかり忘れてた…。」
ダーク「酷ぇな、それでも仲間か?」
夢子「マリオさん達が守ってるから大丈夫だとは思うけど…。」
ダークは箸を置くと真面目な顔で言った。
ダーク「タブーは新世界を作るために一度この星を破壊するつもりだ。」
夢子「!?…なんですって…!?」
ダーク「今生きている生き物すべてが邪魔らしい。そして…お前らスマブラ参戦者が一番邪魔なんだよ。
    …俺の言ってる意味、解るか?」
夢子「そんな…だから前にも皆を…!」
ダーク「あの時は失敗したが、今回お前の覚醒が完全になりタブーが完全体になったらほぼ100%この星は消滅する。」
夢子「そんなことさせない…!」
ダーク「お前も何か新しい力を手に入れたんだろ?昨日の暖炉の炎とかよ。」
夢子「気づいてたんだ…。」
ダーク「その力でアイツに対抗できるかもしれない。」
夢子「ディンも言ってた…!」
ダーク「ディン…久々に聞いた名だな。」
夢子「貴方ディンのこと知ってるの?!」
ダーク「ディンはハイラルの地に使えし女神の精霊だ。
    3体の内の1体…まさかこの世界に来てるとはな。」
夢子「ハイラルってリンクさんの故郷の…?!」
ダーク「まあ、詳しいことは今度あいつにあった時にでも聞けばいい。」
夢子「ディンはこの炎の力を使って世界を平和へ導いてって言ってたわ。」
ダーク「ならその力は案外役に立つかもな?ククク…。」
夢子「案外というか絶対役に立つわよ!ディンの言葉を信じる。」
ダーク「お前、ほんと簡単に人を信用するな。聞いて呆れるぜ。」
夢子「信じていい人と悪い人の見分けがつけばいいのよ。」
ダーク「ふーん。」




ガシャン!!!

突然テーブルの上のコップが床に落ち割れた。

夢子「…!何…!?あなた何かした?」
ダーク「俺は何もしていないが…おっと…客人のようだ。」

ダークは持っていた箸を置くと突然椅子から立ち上がり、窓の外を見た。

ダーク「見ろ。」
ダークの見ている方角を夢子も覗いた。
すると窓の外には黒い影虫が大量にうごめいていた。
夢子「何あれ…!」
ダーク「タブーの手先だ。ここまで送り込んでくるとはな…。」
夢子「どうしたらいいの?!」
ダーク「決まってる。戦うしかない。」
ダークは黒い笑を浮かべると手に闇の剣を取り出した。
ダーク「アイツではないが…ちょうど誰かを斬りたくてウズウズしてたんだよ!」
その目は殺意に満ち溢れていた。
夢子は息を呑む。
ダーク「プリムの数はざっと500体ほどか…余裕だな。」
ダークはニヤリと笑うと外へ飛び出した。
夢子「ダーク、私はどうしたらいい?!」
ダーク「お前は家の中にでも篭ってろ。…さあ…お前らに地獄を見せてやる…幾らでもかかってこい!」
夢子はダークの異常な殺意を感じると身を震わせ、小屋の中から様子を伺った。





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