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夢子達はルフレの作ったチーズケーキを食べようとしていた。
オーブンを開けるととても甘くて良い匂いがダイニングに広がる。








【41章】

ルフレ「さ、出来たよ!夢子以外の皆はついでだからね?
    ほんとはあげたくないけど、サービスだから。」
クロム「お、うまそうだな!」
夢子「ルフレの作るチーズケーキ凄く美味しいのよ!?
     日本で頑張ってレシピ覚えて私に作ってくれたの。」
クロム「へぇ…ほんと、お前変わったな?まるで別人みたいだ。」
ルフレ「人を変人呼ばわりするのやめてよ。
    クロムにだけ食べさせないっていう手あるんだよ?」
クロム「悪い…気を悪くしないでくれ。」
ルキナ「でもほんと美味しいの見ただけでわかりますね!」
カムイ「ティータイムにはピッタリですわね!今そんな時間帯ですし。」
ロイ「他のファイターに知らせないで良いんですか?」
ルフレ「うん、あいつらは大分食べて来たから。
    君たちだけで十分だよ。さ、冷えても美味しいと思うけど
    意外と出来立ても美味しいんだよ?
    切り分けるねー♪」

ルフレはチーズケーキを切り分け皿に移す。
その間も良い匂いは広がる。

ルフレ「はい!食べていいよー!」
皆「「「いただきます!」」」

パクッ…

クロム・ロイ・ルキナ・カムイは目を細めて味わう。
夢子も毎回食べて来てたが美味しさに目を細める。
皆「「「美味しい…!!!」」」
ルフレ「もう僕の料理を錆びた鉄だなんて言わないでよ?」
クロム「人間ここまで変わるもんなんだな。俺は感動した…!」
夢子「錆びた鉄って…以前はそんなに酷かったの?」
ロイ「酷いも何も‥人が食べれる物体ではなかったですよね。」
ルキナ「あれは…もう現実の悪夢。」
カムイ「酷かったですよね…」
過去を思い出した4人は青ざめる。
夢子「でも、ここまで成長したルフレの事褒めてあげてね?
     日本で凄く努力したのよ!」
クロム「そうみたいだな。料理に愛が籠ってる気がする。」
ルフレ「当たり前でしょ!夢子の為にいつも作ってるんだから!」
ルキナ「微笑ましいですね。軍師、大分性格変わりましたね。」
ロイ「と、いうか軍師以外のメンバーもどこか変わりましたよね。」
カムイ「そうですね、トゲが無くなった感じがします。
    まあ、夢子さんの事となると茨にもなりますが…。」
ルフレ「んーそんなもんなのかな?
    少なくとも僕が生きがいを見つけたよ!そのせいもあるのかもね。
    夢子の側にいてずっと彼女を守りたいって思ってるから。」
クロム「おお、お前にもついにそういう心が芽生えたか…感動した…!うう‥!」
ルフレ「わっ、よしてよクロム、鼻水垂らして泣くなんてみっともないよ?」
夢子「クロムはほんとルフレの事好きなんだね!心友なんでしょ?」
クロム「こいつ、初めて会った時は無防備に野原で寝てて…かなりびっくりしたんだが、
    話してみると頭の回転は速いし指示も的確で…
    味方に付いてくれてほんと良かったな。
    心友…その言葉で合ってるんだろな。」
ルフレ「もう今じゃ切っても切れない仲だよね。腐れ縁ともいえる仲かな。」
夢子「私も…沙羅とはそういう関係だと思ってた。
     でも今の沙羅はまるで別人みたいな人格で…
     邪竜の瘴気が原因って頭ではわかってるの。でも…
     彼女の言葉が氷の氷柱のように私の心に冷たく鋭く刺さるの。
     …心友ってなんだろって思うんだ。
     でもクロムとルフレ見てたらなんとなくわかった気がする。
     本音を打ち明けられて自分の背中を預けることが出来る、
     それが『心友』なのね。」
ルキナ「私たちはまだ会ってそう日は経ってないですが…
    この間夢子さんが闇の精霊に取り込まれそうになった時
    私本気で夢子さんの事失うのが怖くて…
    気づけば泣いてました。
    それも貴女の事を心から信頼して心から救いたいと思ったから。」
カムイ「きっと同じ場所に居たら私もルキナさんと同じ行動とってました。
    夢子さんとずっと一緒にいたいですもの。」
ロイ「女性の友情って男性とは何か違うものを感じますね。」
夢子「沙羅の事、見えないところでいっぱい傷つけちゃってた。
     だから私は彼女を罪滅ぼしとして救ってあげたい。
     そしてルキナさんとカムイさんと沙羅と私の4人でお茶会したり
     買い物したり…楽しく過ごしたいの。
     沙羅の今の状態じゃそんな事夢のまた夢だけど…
     絶対に以前の沙羅を…正気に戻してこっちに呼びたい。」
ルフレ「黒兄さんもね。さっきの話聞いたところじゃまだ本当の心は生きてるよ。
    じゃなきゃ君の事助けられなかったと思うし。」
クロム「さっきって…何かあったのか?」
夢子「…城下町の裏路地でダークにぃがいて
      野蛮な族から私を守ってくれたの。」
クロム「そうだったのか…族か…この城下町にもそんな奴らがいるのか。」
ルキナ「私たちの世界でも山賊や海賊とかはいっぱいいましたよね。ウジャウジャと。」
ロイ「あの人らは…ほんとどこにでも湧きますね。それはもう害虫みたいに。」
カムイ「でも夢子さんは何もされなかったんですよね?!」
夢子「うん!襲われかけて凄く怖かった。でも、
     あの殺意に満ちた目と声をしたダークにぃが一番怖かったかも。
     その場が凍てつくようなオーラで…ためらいもなく人を殺めて。」
ルフレ「早く瘴気を吸い取る魔石見つけないとね…
    時間が経てば経つ程深刻になる気がする。行動に移さないと…」
クロム「俺も協力するぞ。お前の未来の嫁さんが追い込まれて黙っていられない。」
ルキナ「私も協力します。困ってるのが夢子さんなら余計です!」
カムイ「魔石がある場所にはモンスターがいるのがテンプレですからね…
    私もお供しますわ!」
ロイ「僕も手伝いますよ。最近腕が鈍りそうでしたから、軽く準備運動しましょう。」
夢子「皆ありがとう…!」


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