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【38章】


夢子とルフレは城の図書室に居た。
本来の目的である「邪竜の瘴気を吸い取る魔石」を見つけるため
片っ端から古文書を読み漁っていた。
夢子「うーん…ここの文字読めるけど意味が難しいのよね…
     ルフレはほんと本読むの早いよね?速読術ってやつよね?尊敬するわ。」
ルフレ「僕だって初めはゆっくりだったよ。ぶっちゃけ慣れってやつだね。
    君も毎日本読んだらこのくらい読めるようになるよ?」
夢子「うーん本読むのは学校だけにしたい…。」
ルフレ「あ、この古文書…魔石について詳しく書かれてる!」
夢子「ほんと!?どれどれ‥?」





ルフレ『光の国と闇の国の境界にある洞窟に邪悪な力を吸い取る魔石有り。』
    …だって!国境か…うーん結構危険な場所にあるね…。」




夢子「そこに行くしかないわよね?その魔石さえあれば
      ルフレも…ダークにぃと沙羅も救えるはず…。」
ルフレ「辛い道のりになるよ?それでもいいのかい?」
夢子「貴方と一緒なら怖くないわ!」
ルフレ「君が僕の事思ってくれるの、とても嬉しい。
    でも最近夢に見るんだ。強大な何かが君を攫って行ってしまう夢。
    僕が追いかけても…手を伸ばしても届かない程遠くに…」
夢子「大丈夫、私はここに居る!
      ルフレと、皆と、笑って生きていくの!」
ルフレ「そうだね…そうやって無邪気に笑う君の顔見てると心が落ち着くよ!
    そうだ、おやつにチーズケーキ作ってあげる!
    この世界にも材料あるから!」
夢子「ほんと!?わーい!」
ルフレ「この資料は借りておこうか、僕も部屋で詳しく見たいから。」
夢子「そうだね!私難しい文章苦手だから貴方に任せるわ!
      …ねえ、ルフレ。」
ルフレ「どうしたの?」
夢子「ダークにぃと沙羅…あの二人何を考えてるのかな。」
ルフレ「うーん…なんか見た感じ弱みを握られてる…とか?」
夢子「弱み?」
ルフレ「心の闇とか…心の隙間に邪竜の瘴気は呪いを生むんだ。
    だからそこをクレイジーに目を付けられたのかも?」
夢子「心の闇…かぁ。」
ルフレ「黒兄さんは君の事が好き。そして沙羅は黒兄さんが好き。
    よくある三角関係だね。まあ僕らの事入れると三角どころじゃないけど。」
夢子「ダークにぃが私の事好きって…未だに信じられないのよ。 
      この間戦いで会った時も冷たい目をしていた…
      まるでゴミを見るような目で。
      そんなダークにぃが私に気があるだなんて到底思えない…。
      それに沙羅。彼女はまるで人が変わったような態度で…
      あれは私の知ってる沙羅じゃない。」
ルフレ「邪竜の瘴気は人の弱みに付け込んで性格を捻じ曲げる力あるよ。
    …僕だってやばかったでしょ?あれが邪竜の魔の力さ。」
夢子「ルフレの時大変だったのよ?…酷い事沢山されたし。
      貴方はほとんど記憶無いと思うけど…私凄く怖かったのよ?」
ルフレ「あの後しっかり愛してあげたでしょ?それでチャラにして?
    でもヒュドラは…今でも考えると憎い存在だ…(黒い笑み)」
夢子「その話聞いたら一日も早く邪竜の瘴気を吸い取る魔石を見つけなきゃ…!」
ルフレ「その前にもう少し強くなろう?
    あの国と国の境界線は強いモンスターが沢山発生するんだ。
    僕も君も、そしてファイター達も皆が強くなる必要がある。
    万全過ぎるくらいの状態て国境に行こう?」
夢子「うん‥‥!また魔導書、教えてね?
     あ、そういえば偽シルフ…いや、シャドウのと契約したとき風系統の魔導書沢山借りたけど
     返した方が良い?」
ルフレ「いや、君はシルフが居なくても素質的にも風の属性魔法が合ってると思う。
    初めて持たせた時も一番威力合ったし。持ってて良いよ。
    ストック無くなったらまた僕が新しいの補充してあげる。」
夢子「ありがとう、ルフレ!」
ルフレ「さあ、今日はこのくらいにしよう。チーズケーキ作ってあげるよ!」
夢子「わーい♪」
ルフレ「材料、買ってこないとなぁ…城下町に行けばすぐあるんだけど‥」
夢子「私、買ってくる!えっと、小麦とと卵と砂糖とチーズだよね?」
ルフレ「じゃあお願いしようかな?!僕は型とかオーブン準備してるから!」
夢子「思えば‥初めてのおつかい!ふふ、わくわくするー♪】
ルフレ「…日本の番組にそういうのあったよね?」
夢子「そうだっけ?」


【いいね!!】

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