37

ファイター達の優しい言葉に引き留められ
夢子は再びこの幻双国で暮らすことになった。


【37章】

夢子は屋上で一人風景を見ていた。
幻失国で見た光景…
あれは未来で敗北したこの世界の姿じゃないかと。
こんなにも緑豊で人々が共存しあって美しい世界。
夢子はクレイジーなどにこの素敵な世界の運命を握らせない。
そう心に誓った。
そして黒と沙羅…
何がどうしてこんな結末になったのだろう。
黒も沙羅も今までずっと一緒に育ってきた。
そんな二人が今何を思っているのか。
会って彼らの口から真実と本音を聞きたい。
そしてクレイジーの洗脳から解き放つ。
夢子は決意に燃えていた。


リンク「夢子さん、こんな所に居たんですね!」
夢子「リンク…!うん、ちょっと風に当たりたくて…
     やっぱりこっちの世界は良いなって。
     日本と全然違う‥高い建物はこの城だけだし
     何より自然が豊かで…空気も美味しい!」
リンク「俺たちからしてみても日本も素敵な国ですよ。
    また行ければいいなって思ったりしますし。」
夢子「最初に私の前に1番初めに現れたのリンクだったもんね?」
リンク「日本に来て、目の前にいる夢子さんを見て、
    俺は貴女の事絶対彼女にする!って思ってました。」
夢子「まぁ、ちょくちょく口説きにかかってたもんね?」
リンク「自分なりに頑張りましたが…ルフレに負けてしまいました。
    でも、俺は諦めてませんよ?
    夢子さん、今でも貴女の事が好きです。」
夢子「リンク…。」
リンク「でも焦らない事にしました。シュルクにも色々説教されて…
    彼だって貴女の事好きなのに俺に説教するんですよ?アハハ…」
夢子「私…好きって感情がたまにわからなくなるの。」
リンク「?」
夢子「私は親の愛を覚えてないから…愛する事と愛される事、
     たまにわからなくなるの。わかってるつもりだったけどなー。」
リンク「そんなものですよ。愛は単純そうに見えて複雑な迷路みたいなもんです。
    愛し合ううちに気付ければいいんじゃないですかね?」
夢子「そういう考え方あるんだ…。」
リンク「ここに居る皆は貴女の味方ですから。
    嬉しい時も苦しい時も気軽に相談してください!
    もう夢子さんは一人じゃないですよ。」
夢子「リンク…ありがとう…!」

ギュッ・・・・
夢子はリンクを抱きしめた。
リンクも夢子を優しく抱きしめた。
胸の中で泣いている夢子を見てリンクは…
リンク(や…やばい、夢子さん可愛すぎる…持って帰りたい…)
一人興奮していた。
これだからこの国の男は…
そして毎度お馴染みのタイミングでヤジが入る。


ピット「あー!何所にもいないと思って屋上に来たら…
    リンクが夢子に抱き着いてる!」
リンク「違いますよ、夢子さんが自ら進んできたんです!」
マルス「君って涼しい顔してこういう抜け駆けするんだよねー。」
アイク「今日も天気良いな。やはりこの国は落ち着く。日本は日本で良いけどな。」
シュルク「はぁ…リンク…ほんと貴方って人は隙あらば夢子さんを…また説教しなくては。」




ルフレ「君…僕の夢子を何ちゃっかり抱きしめてるの?
    それにいつまで抱きしめているんだい!?」
黒い笑みを浮かべるルフレ。
夢子は既にリンクから離れようとしてたが…
腰に回ったリンクの腕が硬く外れない。

リンク「すいませんね、ルフレ。俺はやっぱり夢子さんのこと、
    諦めきれません。貴方とは永遠にライバル関係になりそうです。」
ルフレ「あと5秒以内でその手離さないと…サンダー、打つよ?5・・4・・・」
夢子「ちょっと!私まで痺れちゃうー!」
リンク「久々に温もり感じられて楽しかったです。
    大丈夫、離しますよ。…今はね?」
夢子「ふゥ…助かった…」
ピット「リンクばっかずるーい!ねね、夢子僕の事もギュー★ってして?」
マルス「あー!僕にも!」
アイク「子供かお前等…(‥俺もしてほしい。)」
シュルク「まあピット君は…ってそういう問題じゃないですね。」
リンク「ふふふ〜今日は久々に良い日ですね〜夢子さん超良い匂いした♪」
ルフレ「夢子、あとで僕の部屋に来て?浄化せねば‥」
夢子「い、嫌よ!また変な事するんでしょ!?」
ルフレ「バレた?」
夢子「バレバレよ‥‥!」



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