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夢子達が幻双国に帰ってきた。
城から帰りを待っていたファイター達に歓迎される。






【36章】







カムイ「夢子さん、ルキナさん!!!」
夢子「カムイさんー!久しぶりです!」
カムイ「大丈夫ですか?二人とも怪我はないですか?!」
夢子「うん!バッチリよ!」
ルキナ「城の留守、預けてごめんなさい。」
カムイ「ううん、二人が無事帰ってきてほっとしましたわ!」
ルフレ「僕たちの心配はないのかい…?」
カムイ「ああ…殿方達はタフだと認識してますので(ニコッ)」
クロム「少しは心配してくれ…。」
ロイ「なんだろう、見えない圧がかかってる気が…。」
マルス「女性は手厳しいね…。まあそういう種族か〜」
リンク「夢子さん!おかえりなさい!」
ピット「僕ずっと心配で夜眠れなかったよー?」
アイク「無事で何より、だな。」
シュルク「それはそうと向こうで何があったか話聞きたいのですが…。」
マスター「そうだ。その話は詳しく聞かせてもらおうか。」
夢子「マスターさん!」
ルフレ「珍しいね、マスターが自ら此処まで来るの。」






夢子達は幻失国の話をした。
そこでルフレの分身のような存在、「アルフレ」と
洗脳された「黒」と「沙羅」に会った事。
そして…クレイジーが夢子を妃に娶ろうとしてる事。
マスターは表情を歪ませた。




マスター「まさかクレイジー‥よりによって…」
ルフレ「夢子の特殊な血が目当てって言ってたけど‥‥。」
マスター「ああ、その件が関係してるのか…ふむ、少々複雑だね。
     夢子、君の血の話をここに居る皆に話したいのだが。
     …良いかね?」
夢子「そ…そうですね…早かれ遅かれ話さないといけませんね。」





マスターハンドはその場にいるファイター達に夢子の出生の話をした。
父親は「邪神」でで母親は「人間」、その間に生まれたハーフであり
この世界で言うと隠された力のある「魔女」でもあるという事。
人間の母親が戦火から夢子を守る為に異世界である日本に逃げた事。
そして…その血がクレイジーにとって喉から手が出る程欲しい存在だという事。



リンク「そうだったんですか…そんな重たい話が有っただなんて。」
ピット「僕ら最近平和ボケしてるからなぁ…。」
シュルク「かなりヘビーな内容ですね。」

夢子「皆…私の事嫌いになったよね?
     かつてこの世界を滅ぼそうとしていた邪神の娘‥魔女だなんて…
     そして今も滅亡の危機へを駆り立てる存在の私。
     同じ空気吸うのも嫌でしょ…?
     だから…私はこの国を出ます。」
ルフレ「え、出るって…!?」
夢子「皆の事これ以上巻き込みたくないの…
      アルフレも邪竜召喚には生贄がいるって言ってたし。
      狙いが私一人なら私は一人で敵と…」
ルフレ「夢子、僕らは誰も迷惑だなんてこれぽっちも思ってないよ?
    ね、皆!!!」
リンク「当り前ですよ!わかりきった事言わさせないでください!」
ピット「皆夢子の事、大好きだよ!」
マルス「好きな女のコすら守れないで何が英雄王だ、ってなるもんね〜!」
アイク「俺はお前の事守りたい。男に二言はないさ。」
シュルク「ええ、皆さんと同じ意見ですよ。」
クロム「一人で戦わなくていいんだぞ。ここに仲間がいる。」
ロイ「助け合うのが僕らの精神ですから!」
ルキナ「夢子さん、私は貴女ともっとお話ししたいわよ?」
カムイ「また一緒に恋バナしましょうよ!これからも、ずーっと!」






夢子「皆…!」






夢子の瞳には涙が溢れてくる。
目の前がぼやけて見えない。
こんなに温かい心を持ってる人たちがここにはいる。
日本では体験したことのない感情。
夢子は笑って泣いた。




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