35


夢子「私が、なんですって??」





【35章】







意識の戻った夢子が会話に入り込む。
その姿を見たアルフレは今まで持っていた余裕の笑みを消した。




アルフレ「馬鹿な…何故目覚めたんだ?しかも自我を保っている…だと!?」
夢子「残念だけどシャドウなら私が消滅させたわ。
     ルフレ、貴方の聖なる光の付与魔法、助かったわ。」
ルフレ「夢子…!良かった、目が覚めたんだ!」
ルキナ「これで5体1。勝敗は決定的にこちらが有利です。
    それでもまだ戦いますか?」
アルフレ「く…精霊の契りが失敗した上に生贄を捧げる事もできないのか‥!?」
ルフレ「君の負けだよ。早々に片づけてあげるよ?
    君は…夢子に接吻した。それは許さない行為だ。
    簡単には死なせないよ?今までの恨みにプラス、だよ。」
アルフレ「フン…例え計画が失敗しても…無駄足ではないよ。」
ルフレ「‥どういう意味?」


アルフレ「僕がここでお前等を道連れにすればいいことだ!!!」

アルフレは胸元から黒い魔石を取り出した。
それを見てルフレは皆に向かって叫ぶ。

ルフレ「皆!直ぐ離れてしゃがむんだ!
      アルフレは自爆するつもりだ!!」

アルフレ「もう遅いよ!フフフ…!!」




ドカアアアアアアアアアアアン!!!



アルフレは持っていた魔石で爆発を起こした。
ルフレは咄嗟に夢子を爆風から守る。
他の皆も地に伏せる。
爆風は一瞬で収まった。
ルフレ「夢子、大丈夫かい?」
夢子「うん、大丈夫。…アルフレはどうなったの?」


舞い散った砂ぼこりが徐々に消えていく。
そしてアルフレの居た場所には3人の影がある。
気を失っているアルフレを抱える黒と沙羅だった。




沙羅「夢子、久しぶりね?」
黒「・・・。」
夢子「…沙羅…ダークにぃ。」
沙羅「あら、相変わらず男に守って貰って…いい気味だわね?」
黒「沙羅、必要以上に絡むな。」
沙羅「挨拶してるだけじゃない?フン‥。」
ルフレ「黒兄さん‥聞きたいことがある。夢子をクレイジーは妃にしようとしてるって…
        本当かい?」
黒「…?意味の解らない質問するな。あるわけない。何故そんな事聞く?ふざけるな。」
沙羅「まあ私はクレイジー様の真の目的なんて知ったこっちゃないわよ。」
ルフレ「じゃあなんで君たちは幻失国側に行ったんだ?!」
黒「お前等に話す義理はない。…オイ、アルフレ、意識を戻せ。」
沙羅「あら、完全に気を失ってるわね。
   ほんとお馬鹿さんね?体が頑丈でバラバラにならなかったのが救いかもね。」
黒「今日はお前たちの相手は出来んが、何れすぐに戦う事になるだろう。」
沙羅「それまで逆ハーレム生活楽しむ事ね?夢子。」



黒と沙羅、そしてアルフレは魔法陣と共に姿を消した。
そしてその瞬間辺りの景色が変わった。
幻双国だ。
光の世界へ自動的にワープされたのだ。
マスターの加護のオーラの力、だろう。
ルフレとクロムとマルスはその場に座り込む。
3人共ヘトヘトだ。
夢子「だ…大丈夫?!」
ルフレ「久々にあんな激しい戦いしたから体力めっちゃ持っていかれたよ。」
クロム「俺もこれでも耐久力には自信あったんだけどな。」
マルス「ふう…ほんと疲れた。こんな戦い当分はゴメンだよ。スマブラの世界とは全然違う。」
ルキナ「3人ともそれでもファイターですか!?シャキっとしてください!」
クロム「ルキナ…お前がメソメソ泣いてる間俺らはずっと戦ってたんだ。
    もう少し労わってくれ。」
ルフレ「お、お父様!私だってああ見えて必死だったんですよ…?ね、夢子さん。」
夢子「私、皆が戦って、ルキナさんがずっと呼んでくれて…
     精霊の誘惑なんかに絶対負けないって、強い気持ち持てた…
     そしてこうして戻ってこれた。この5人だったからこうしていられる。」
ルキナ「夢子さん…!そうですよね、結果オーライですよ!」




ルフレ「でも…一つ気になる事があるんだ。」
夢子「何?」
ルフレ「黒兄さんだけど…彼らはアルフレと違ってクレイジーの真の目的、
    知らない様子だったよ?」
夢子「あ…そういえば。」
クロム「もしやあいつ等…騙されてるのかもしれないな。…良い様に利用されてるのかもしれん。」
夢子「え・・・!?」
ルフレ「そう、僕もクロムと同じ考えだよ。アルフレは兎も角黒兄さんと沙羅は騙されてる。」
夢子「そんな…だとしたら酷い目に合わされるんじゃ…。」
ルキナ「クレイジーは残忍で残酷な性格です。一体何を考えてるのか…
    アルフレは傷を負いましたがすぐに次の追ってが来るでしょう。
    その黒さんと沙羅さんのような…もしかしたら邪竜とかが出て来るかも。」
夢子「気を引き締めないとね…?」
クロム「その前に一旦城に戻ろう。疲れたしな。」
ルキナ「やっと羽が伸ばせますね。」
ルフレ「夢子、今夜は添い寝してあげるね?そしたら疲れなんてすぐ吹っ飛ぶよ!」
夢子「それは…余計疲れる気がしてならないのだけど?」




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